びんの広場

ギヤマン彫り Diamond Point Engraving

ダイヤモンドを使ってガラスを削り、絵や文字などを描く方法です。昔は先を尖らせた小さなダイヤモンドを使っていたようですが、最近では丸い金属の球に細かいダイヤモンドを埋め込んで作られた「ダイヤモンド・ポイント」を使うのが一般的になっています。鉛筆のような形になっている手彫り用の工具と、電動工具(ルーター)を使うやり方と両方あります。

ギヤマン彫りは、江戸時代に日本に伝わりました。「ギヤマン」の語源は、ダイヤモンドを意味するオランダ語の「ディヤマント」からきているという説が有力ですが、ギヤマン彫りを施したガラスを意味する言葉から、次第に高級ガラス器の代名詞として使われるようになり、後には、「ビイドロ」とならんで、ガラスそのものを「ギヤマン」と呼ぶようになりました。

ギヤマン彫りの始まりについては、はっきりしない面もありますが、大体16世紀ころにヴェネツィアでおこり、オランダやイングランドに伝わったと言われています。いずれにせよ17世紀にはオランダで広く使われ、とくに上流階級の婦人のあいだで趣味として大流行したといわれています。
ギヤマン彫りは、1点ずつの手作りで、また、出来あがった文様が必ずしも華やかとは言えないこともあって、商売としてはごく一部の高級ガラス器や、アート作品に使われるだけになっています。しかし、手軽に自分の作品を作ることができるため、趣味としてギヤマン彫りを楽しむ人が増えているようです。