2021年07月26日

海外情報(2021年7月分)

1. 英国ガラス協会(BG)が業界としてのネットゼロ戦略を公開

英国ガラス協会(BG:British Glass)は、2015年にBEIS(Department for Business, Energy and Industrial Strategy, ビジネス・エネルギー・産業戦略省)と共同で、2050年までにCO2排出量を80%削減するというロードマップをあらためて公開した。
公開されたネットゼロ戦略では、ガラス生産における燃焼および工程で発生するCO2排出の削減とエネルギー効率の向上のほか、他の業界が脱炭素に向かうのをガラスがどのように支援できるかといった事も報告している。課題として、代替燃料が高価であるために資金調達、必要な代替燃料が十分に調達できるか、およびリサイクルカレットの調達量などを上げている。

出所:glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注:BG報告の要約版では以下の記載がある。
英国にはガラス企業として、ガラスびん(アルダー社、アライド社、ビーストンクラーク社、エンサーク社、O-I社、ステルツレ社)、板硝子(ガーディアン社、NSG/ピルキントン社、サンゴバン社)、硝子繊維(NEG社)がある。
2018年のCO2排出原単位は0.611 tCO2/t-glass。この内燃焼排出を電力置換で▲56%、水素置換で▲9%削減。その他、カレット使用量増で▲3%、非炭酸塩原料他の使用で▲2%、炭素捕集で▲7%、その他▲32% として2050年にはネットゼロとしている。
BG報告書本体は以下のURLよりダウンロードできます。

また要約は以下のURLよりダウンロードできます。

2. エンサーク社での水素使用

エンサーク社は、2025年にはハイネットノースウエスト社(Hynet North West)からの水素供給により、エルトン工場で水素を使用して超低炭素ガラスびんを生産する予定。このプロジェクトによって年間10百万トンの炭素排出量(4百万台の車が排出する量に相当)が削減される。
エンサーク社ではアイルランドにある工場で、バイオ燃料と100%カレットでガラスびんを生産する実証実験で90%削減に成功している。

出所:glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

3. O-I社がコロナビールと共同でリサイクル

O-I社とコロナビールとガラスリサイクル機構(GRF:Glass Recycling Foundation)は、シカゴ地域でガラスびんが埋め立てに回るのを防ぎ、ガラスびん生産へと循環させるように消費者意識向上の試験的なプロジェクトに取り組む。GRFはこの夏の期間、シカゴに拠点を持つレストランやバーからガラスびんを収集する予定で、これはコロナビールが主導するプロジェクトの一部。収集したガラスびんはO-I社のインディアナ州ラペルにある工場で使用される。

出所:glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

4. イタリアで水素使用の脱炭素プロジェクト立ち上げ

イタリアのボルミオリルイジ社、ボルミオリロッコ社、スナム社(Snam Rina)、スタラグラス社他で形成する溶解炉で水素を使用するワーキンググループが立ち上がった。
イタリアのガラス製生産量は年間500万トンを超え、ヨーロッパでは第2位だが、脱炭素に向けて電気溶融転換は難しい状況にある。このためディバイン(Divine:Decarbonisation of the Glass Industry : Hydrogen and New Equipment、ガラス産業脱炭素:水素と新設備により)プロジェクトが立ち上がった。天然ガスへの水素混合割合を実炉や実験炉でテストする予定。

出所:glassonline.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。

スナム社については以下のURLを参照ください。