2021年11月26日
海外情報(2021年11月分)
1. バーチャルツィンを使ってガラスびん軽量化
ダッソー・システムズ社、アルダー社他は、ガラスびんの強度を高め、重量を大幅に削減するための新しいコーティング技術を開発することになった。両社は、2022年1月にディアジオ社のジョニー・ウォーカーボトルの強度と形状を損なうことなく軽量化する試行に、ダッソ-社のバーチャルツイン技術を使って開発を開始する。両社は、軽量化したガラスびんは100%のリサイクル性を維持するとしており、開発に成功した場合、2022年夏から実際のガラスびんでテストを行うとしている。
出所:nspackaging.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
または
訳者注:
バーチャルツィン技術はシミュレーション技術の範疇に入る技術。ダッソー社については以下のURLを参照ください。
2. ベラリア社のカーボンニュートラルロードマップ
ベラリア社が、2050年にカーボンニュートラルを達成するための新しいロードマップを発表した。2030年までに、2019年と比較して、CO2排出量46%削減を目指している。また、スコープ3の間接排出について、40%以下に抑える必要があるとしている。
出所:emballagesmagazine.com/
記事詳細は以下のURLを参照ください。
3. ヴィドララ社がアクシオナ・エネジー社とのグリーンエネルギー契約を更新
ヴィドララ社は、ポルトガルのアクシオナ・エネジー社(Acciona Energia)と2年間、343GWhのグリーンエネルギーを含む電力供給契約を更新した。ヴィドララ社は過去2年半でCO2排出量を125,000トン削減している。
出所:emballagesmagazine.com/
記事詳細は以下のURLを参照ください。
アクシオナ・エネジー社については以下のURLを参照ください。
4. フォーグラス社のマルチガラス溶解炉
エンジニアリング会社であるフォーグラス社(Forglass)が、同時に2つ以上の異なるタイプのガラスを溶かす世界初とする炉を発表した。この溶解炉は、標準的な単一タンク炉で1つのガラスだけを溶かすのに匹敵するエネルギー消費量で、二種類のガラスを同時に溶解することができるとしている。
出所:glass-online.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。溶解炉の概念図が掲載されている。
訳者注:エンドポート炉に複数の溶解槽を持たせ、数種類のガラスを溶解するというデザインで同社HPによると特許取得しているようだ。
フォーグラス社については以下のURLを参照ください。
5. 世界で最も持続可能なガラスびん
スロベニアのステクラナ・フラストニク社(Steklarna Hrastnik)が、「世界で最も持続可能なガラスびん」とするものを販売した。同社は、主なゲームチェンジャーは製造工程における水素の使用であるとしている。また、持続可能性と将来の脱炭素化に向けて2025年までに化石燃料消費量の3分の1をグリーンエネルギーに置換し、エネルギー効率を10%向上させ、カーボンフットプリントを25%以上削減する計画で、2030年までに、自社のカーボンフットプリントを40%以上削減し、2050年までにカーボンニュートラルとすることを予定している。
出所:glass-inernational.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
訳者注:フラストニク社については以下のURLを参照ください。
6. O-I社セビリア工場を再開
O-I社は35.29百万ドル(約37億円;105円換算)の改修工事を経て、スペインのセビリア工場を再開した。新溶解炉(溶解面積:120m2)の寿命は20年を考えている。
出所:sevilla.abc.es
記事詳細は以下のURLを参照ください。
または
7. エンサーク社が水素使用を予定
エンサーク社は、政府のイングランド北西部に水素を供給するとの決定に続いて、エルトン工場でハイネット(Hynet)の低炭素・水素エネルギースキームにのって水素を使用する予定。エンサーク社はすでに、この地域の産業脱炭素化とクリーン成長プロジェクトに投資する業界主導の集団であるネットゼロノースウエストの一員となっている。
出所:glass-international.com
記事詳細は以下のURLを参照ください。
訳者注:英国政府は2025年から脱炭素を開始するトラック1、2030年頃から脱炭素を始めるトラック2という選定を行っており、ハイネットはトラック1として選定されている。ハイネットのHPに掲載されているトラック1認定のニュースは以下のURLから参照ください。
<お詫びと訂正>
2021年9月分海外情報にて、「4. SGDファーマ社の新型バイアルびん」として、SGDファーマ社の新型バイアルびんについて配信しましたが、訳者注の『管びんのバイアルびんは熱衝撃で破損・・・型成形されたバイアルびんは熱衝撃に強い・・・』は誤りではないかとのご指摘をいただきました。これについて、SGDファーマ社の品質・技術担当のケビン・マクリーン氏のより詳細な説明を再確認したところ、この訳者注記載は誤りであることが判りました。
読者各位には混乱を招きました事をお詫びします。
マクリーン氏の説明等から、訳者注を以下のように訂正させていただき、また、9月分掲載の訳者注も差し替えさせていただきますので宜しくお願いします。なお、今後はこれまで以上に正確な配信を心がけるとともに、配信前の内容チェックなども慎重に行ってまいりますのでご指導のほどよろしくお願いいたします。
修正版訳者注:
管びんのバイアルびんは、肉厚が薄い結果、凍結乾燥といった熱的に厳しい工程を含む充填工程で頻度は少ないものの破損することがある。これに対して、型成形バイアルびんは、強度はあるが管びんに比べると重くなる。SGDファーマ社は型成形バイアルびんのデザインを最適化し、強度を損なうことなくびん質量を低減したバイアルびんを作ったようだ。説明動画が以下のURLから参照できる。
SGDファーマ社ケビン・マクリーン氏(Kevin McLean)による詳細な説明は以下のURLより参照できます。