2022年11月25日

海外情報(2022年11月分)

※海外情報編集者より読者の皆様に
ここのところ海外情報が脱炭素に係わる記事に偏っていると読者の皆様は感じられていると推察しています。本情報編集者としてもどうにかしたいのですが、記事作成の上で参照している複数の海外のウエブサイトのニュースが脱炭素関連で埋まっていて、当分の間はこのような状況が続くと思われます。ご了承お願いいたします。

1. 米国ガラス製造各社が水素利用アライアンスを結成

2022年11月10日 グラスインターナショナルは、O-I社、リビー社(Libbey)、NSG社、ジョンズマンビル社(Johns Manville)が、米国ガラス製造産業評議会(GMIC:The Glass Manufacturing Industry Council)とともに、米国五大湖地域で提案されているガラス製造ハブ用の水素アライアンスに参加すると報じた。同記事では『米国政府は、インフラ投資雇用法(IIJA)の一環として、米国各地に水素ハブを形成したいと考えており、生産、加工、配送、貯蔵、最終用途における水素バリューチェーン全体の実行可能性を実証するために、これらの地域ハブの開発に80億ドル(約1.2兆円:150円換算)を割り当てた。約6〜10のハブが作成され、それぞれが4億ドル(約600億円)から10億ドル(約1,500億円)の資金を受け取る。米国政府は政府とそれ以外の費用分担(設備機器など現物負担でも可)を50:50と考えている。このためより多くの企業がこの水素アライアンスのスキームに参加した場合、このプロジェクトを進めるために最大10億ドル(約1,500億円)の政府資金を確保する可能性が高くなる。政府はまた、雇用の質と多様性について声明を発表しており、ハブが、かつて製造業があった米国の地域にあることを望んでいる。』としている。また、記事によると、各社が5月19日にトレド大学と一緒に集まり提案について話し合い、政府に対する完成版の提案を来年4月23日までに提出される予定としている。

出所:glass-international.com

記事詳細は次のURLを参照ください。

訳者注: 記事によるとO-I本社のあるトレドから、約80km以内に10のガラス溶解炉があり、ガラス製造に200トン/日の水素を使用する可能性がある。

2. ゲレスハイマー社が多燃料酸素溶解炉を建設

ドイツの医薬品および化粧品びんメーカーであるゲレスハイマー社(Gerresheimer)は、バイエルン州テッタウ(Tettau)にある工場の二つの溶解炉のうち一つを多燃料酸素炉に更新した。新しい多燃料酸素炉は、より持続可能なガラスびん生産を可能とし、特に、将来的にエネルギー投入量の最大50%を占めるグリーン電力の利用は、生産時のCO2排出量削減に大きく貢献する。グローバルな持続可能性戦略の一環として、ゲレスハイマーグループは、2030年までにCO2排出量を2019年と比較して50%削減するという目標を設定している。

出所:glass-international.com

記事詳細は次のURLを参照ください。

訳者注: ゲレスハイマー社は持ち株会社で各生産工場、記事にあるテッタウ工場は子会社となっている。

3. BAグラス社ブルガリアでの生産能力を増強

BAグラス社(BA Glass)は、ブルガリアのソフィアにある工場に3ラインを持つ新しい炉を設置するため6,000万ユーロ(約87億円:145円換算)を投資し、ブルガリアの顧客、サプライヤー、当局とともにこのソフィアでのガラス包装への投資を祝った。同工場の生産能力はこれによって従来の2倍になる。
同グループの南東ヨーロッパ地域の社長であるハプエルトニエンテ氏は、この新規投資を顧客ニーズに答えるため決定したとしている。また、最新の環境機器に約900万ユーロ(約13億円)を投資し、炉のエネルギー消費を削減するために最も実績のある技術を導入し、これに加えて、現在ブルガリアの再生可能エネルギーに約700万ユーロ(約10億円)を投資していると語った。更に、ソフィアの新炉の後、現在、ブカレストの工場に6,000万ユーロ(約87億円)を新たに投資し、この施設の施設を近代化し、ルーマニア市場向けの生産能力を増強する作業を開始しているとしている。

出所:glass-international.com

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4. シシェカム社 トルコで最軽量のミネラルウォーターびんを生産

シシェカム社(Sisecam)は、従来130gであったミネラルウォーターびんをトルコで最軽量となる115gのエメラルドグリーンびんをイェニシェヒル工場で生産した。
この超軽量びんは生産ベースの二酸化炭素量が15%低かったとしており、輸送に必要なトラックの数を減らすことで得られる費用便益に加えて、キロメートルあたりの炭素排出量は約14%減少すると予測されている。なお、このびんは2023年には世界市場に出荷するとしている。

出所:glass-international.com

記事詳細は次のURLを参照ください。

訳者注: L値を推定しようとしたが記事には容量の記載がない。このため以下のサイトの記事もチェックしたがこちらにも容量の記載がなかった。
https://www.glassonline.com/sisecam-produced-turkeys-lightest-mineral-water-bottle/
しかし、掲載されている画像から推定してL値0.7を切っているのではないかと思われる。

5. ソルベイ社が米国ワイオミング州のソーダ灰工場の生産能力を増強

ソーダ灰メーカーのソルベイ社は、米国ワイオミング州グリーンリバーで600ktの生産能力増強を再開する予定で、2024年末に生産を開始する予定。さらに、トロナの採掘作業に起因する排出量を削減するための新しい技術を展開するプロジェクトが実施され、サイトの温室効果ガス排出量を20%削減する。投資総額は約2億ドル(約3,000億円:150円換算)としている。

出所:glass-international.com

記事詳細は次のURLを参照ください。

6. 大容量電気ブースティングと耐火物の侵食

溶解炉での大容量電気ブースティングが耐火物に及ぼす影響について、SEFPRO社が行ったシミュレーション結果が、グラスインターナショナルのサイトに図とともに特集されていた。
シミュレーション結果の図を転載するのは著作権法から問題があるように思うのでここでは同記事のURLと図のタイトルのみ紹介するに留める。

  • 図1 ソーダライムガラス中のER 1685 RR AZSの腐食挙動。
  • 図2 5年後の耐火物侵食に対するガラス温度プロファイルの影響。
  • 図3 10年後の種瓦腐食に対するガラス温度プロファイルの影響。
  • 図4 より大きなパッチタイルの適用と断熱材の除去。
  • 図5 350mm、ER 1711 RTボイドフリーブロックと断熱材の削減の影響。

出所:glass-international.com

記事詳細は次のURLを参照ください。

訳者注: 同じくSEFPROが書いた以下の記事も参考になるのではと思いURLを追記する。
https://www.glass-international.com/features/decarbonising-the-glass-industry-the-role-of-refractory-solutions