2022年12月16日

日本ガラスびん協会 研修会に参加して

日本耐酸壜工業株式会社
谷村 祐樹

11月9日から10日に開催された日本ガラスびん協会の研修会に参加させて頂きました。この度、研修生を代表しレポートを作成する機会を頂きありがとうございます。僭越ながら今回の研修会の所感を述べさせていただきます。

11月9日

田中技術委員長による開会挨拶の後、参加者のオリエンテーションを経て講義が始まりました。

講義Ⅰ 田中 毅彦 技術委員長(日本山村硝子株式会社)

「日本ガラスびん協会の取組みとガラスびんの動向」

ガラスびん業界を取り巻く環境は、利便性や効率を求める消費者ニーズと経済的合理性を追求する社会構造もあり、他素材容器へのシフトの影響を大きく受け、さらに減少しているという厳しい状況であることを再確認しました。更に、世界情勢と経済情勢の変化、新型コロナウイルス感染症の長期化により需要が減少していることも知ることが出来ました。しかし、ヨーロッパではガラスびんの需要が増加しており、環境への配慮や保存性の高さ等の意識から容器を選ぶところが日本との大きな違いであると感じました。また、「ガラスびんポスト」の普及により消費者はびんの処分がしやすく、空きびんの回収率も高い環境が出来ていることも日本との違いだと思いました。広報活動においては、「銭湯コラボ企画」等が展開されており、他の業界の中にガラスびんの需要を発掘して、積極的に消費者意識に働きかける活動も行っていることを学びました。

講義Ⅱ 岩本 正憲 技術参与(日本ガラスびん協会)

「国内業界および海外トピック -2050年CNに向けての動き-」

カーボンニュートラルに向けて、ガラスびん業界が目指す目標や日本ガラスびん協会が取り組んでいることについて学びました。また、世界に先駆けて技術開発を行っている欧州の動向について学びました。海外では既に色々な開発や実験等が行われていると知り、とても勉強になりました。都市ガス業界、電力業界のカーボンニュートラルに向けた具体的な対策の紹介がありました。

グループ討議

「ガラスびんの需要創造」

事前に割り当てられた班に分かれ、メンバーの自己紹介及びリーダーや役割分担等を決めました。今回の各班のテーマはガラスびんの需要創造を基軸に、A班「素材特性での貢献」、B班「社会課題への貢献」、C班「循環型社会への貢献」でした。

講義Ⅲ 埴 義彦 株式会社ビバリッジ ジャパン社 代表取締役社長

「ガラスびんへの期待と提言」

ガラスびんは自然由来の容器、他を圧倒する内容物保護、工業生産される最古で歴史ある容器であると説明を受けました。更に、すべての容器包装の手本、目標となっていると話を聞き、ガラスびんの他容器に負けない強みを再認識できました。他容器のPETについての説明もあり、大変勉強になりました。

11月10日

2日目はグループ別討議が行われました。
私たちのグループでは「循環型社会への貢献」をテーマに討議しました。循環型社会を構築するにはどうすべきか意見を出し合い、会社の壁を越えガラスびんに携わる者としてテーマについて活発に意見交換を行いました。更に、「エンドユーザー、若い世代にびんを知ってもらうには」という発言からガラスびんを伝えていく方法は何か。など消費者の気持ちになり、将来のことも見据えて議論しました。発表した内容には無理難題もありましたが、選定したテーマに向かってグループで議論し導き出した答えを発表することができ、非常に意義のある機会だったと思います。また、他のグループは私達には無いユニークな発想が多く、ガラスびんへの高い意識と向上心を感じながら興味深く発表を聴きました。

今回の研修会を通じて、日本ガラスびん協会の取組みについての知見が広まっただけではなく、各ガラスびんメーカーの方々と意見を交わしながら交流を深めることができ、大変貴重な経験になりました。ガラスびんの需要が減少し続ける厳しい現状ではありますが、今回の研修で学んだことや、同業他社・他部門と出来た繋がりを活かして、ガラスびんの新たな価値を生み出していきたいです。

最後に、今回の研修を企画運営していただきました日本ガラスびん協会技術委員の皆様、ならびに関係者の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

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