2024年02月13日

日本ガラスびん協会 研修会に参加して

磯矢硝子工業株式会社
永井 賢治

12月4日から5日にかけて開催された、日本ガラスびん協会の1泊2日の研修会に参加させていただきました。
今回の研修会の所感を述べさせていただきます。

■ 山田専務理事による講義

①「ガラスびんの動向について」

日本のガラスびん事情において近年までの出荷量のデータを目の当たりにし、大変厳しい状況下にあることを改めて認識しました。
利便性や効率を求める消費者ニーズと経済的合理性を追求する社会構造もあり、他素材容器へのシフトの影響を大きく受けていると感じました。
更に、昨今の世界情勢と経済情勢により需要が減少していることも知ることが出来ました。
しかし、ヨーロッパではガラスびんの需要が増加しており、環境への配慮や保存性の高さ等の意識から容器を選ぶところが日本との大きな違いがあると知る事が出来ました。

②「ガラスびんの利用に関する消費者意識調査報告」

ガラスびん入り商品の購入状況は、素材別の容器購入状況では、利便性の高いペットボトルがどの世代でも最も高く、ガラスびん購入状況は日本では低下している事を学びました。
また、ガラスびんの環境特性やSDGsへの意識については、ガラスびんは天然素材が主原料であり、リサイクルできる容器であることなどは世代に関係なく広くに認識されており、環境負荷が低い容器であることは認知されていると思いました。
SDGsに貢献する容器であることは、若い世代ほど認知が低いとも理解できました。
これらの調査結果から、ガラスびんの利用促進には、若い世代にもガラスびんの環境特性やSDGsへの貢献度を積極的に情報発信していくことが重要だと学ぶ事ができました。

■ 岩本技術参与による講義

「国内業界および海外のトピックについて」

・国内のトピック
2023年4月に、日本ガラスびん協会が「ガラスびんの利用に関する消費者意識調査2023」の報告書の統計について、 若い世代を中心にガラスびんに対する理解が十分に得られていないことが課題として浮き彫りになっていると知る事ができました。
・海外のトピック
海外のガラスびん業界では、環境負荷の低さや持続可能性への貢献度が評価され、再び注目を集めていることについて、 日本とは違い、プラスチック包装の使用削減やリサイクル率向上に向けた取り組みが世間に情報発信されている事を知りました。その為、ガラスびんの利用促進が期待されていると理解できました。

■ 株式会社ビバリッジ ジャパン社 埴 義彦代表取締社長による講義

「どうする、ガラスびん」

ガラスびんは自然由来の容器、他を圧倒する内容物保護、工業生産される最古で歴史ある容器であると説明を受けました。
更に、すべての容器包装の手本、目標となっていると話を聞き、ガラスびんの他容器に負けない強みを再認識できました。

家庭から排出されるごみの重量の約2~3割が容器包装廃棄物で、リサイクルの促進により、減量化を図っていること。
資源の有効利用を図る容器包装リサイクル法でゴミの再利用化が進められている事を知り、大変勉強になりました。

■ 研修生によるグループ討議

私のグループのテーマは「ガラスびんリサイクル知って得するポイ活」でした。
ガラスびんの需要を伸ばす為に、循環型社会を構築するにはどうすべきか意見を出し合いました。
発表のアイデアはガラスびん回収ボックスを設置し回収量によってポイントが貯まる仕組みです。
貯まったポイントは色々な物に交換出来るというアイデアです。
実現に向けての課題、例えばこのアイデアを実行するための財源はどうするのか?などのご指摘等頂き、需要拡大の難しさを痛感しました。
しかしこのように話し合う事で日本ガラスびん協会の取組みについての知見が広まっただけではなく、各ガラスびんメーカーの方々と意見を交わしながら交流を深めることができ、大変貴重な経験になりました。
今回の研修で学んだことや、同業他社・他部門と出来た繋がりを活かして、ガラスびんの新たな価値を生み出していきたいです。

最後に、今回の研修を企画運営していただきました日本ガラスびん協会技術委員の皆様、ならびに関係者の皆様に御礼申し上げます。
ありがとうございました。

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