2015年04月20日

海外情報(2015年4月分)

1.EU生産状況

 4月2日 FEVEがEU28カ国の2014年生産状況を発表した。

 EU域内外の生産量*1 推移

国 地域 2010 2011 2012 2013 2014
ドイツ 3,788 100.2% 4,065 107.3% 3,935 96.8% 3,934 100.0% 3,974 101.0%
イタリア 3,507 105.3% 3,569 101.8% 3,392 95.0% 3,439 101.4% 3,467 100.8%
フランス 3,152 99.9% 3,310 105.0% 3,147 95.1% 3,031 96.3% 3,097 102.2%
イギリス 2,317 109.5% 2,311 99.7% 2,226 96.3% 2,241 100.7% 2,246 100.2%
その他中央・北
ヨーロッパ圏*2
1,950 100.0% 2,041 104.7% 2,097 102.7% 2,094 99.9% 2,139 102.1%
スペイン 1,980 102.7% 2,067 104.4% 2,012 97.3% 2,087 103.7% 2,099 100.6%
ポルトガル 1,313 101.9% 1,352 103.0% 1,442 106.7% 1,439 99.8% 1,452 100.9%
その他南東
ヨーロッパ圏*3
1,069 100.0% 1,187 111.0% 1,198 100.9% 1,365 113.9% 1,404 102.9%
トルコ 779 127.1% 823 105.6% 950 115.4% 1,021 107.5% 1,172 114.8%
ポーランド 986 108.5% 987 100.1% 997 101.0% 1,004 100.7% 1,078 107.4%
ヨーロッパ
合計
20,841 103.5% 21,711 104.2% 21,396 98.5% 21,660 101.2% 22,128 102.2%
EU28ヶ国
合計
19,957 102.8% 20,783 104.1% 20,334 97.8% 20,533 101.0% 20,859 101.6%
参考:日本 1,337 100.5% 1,342 100.4% 1,281 95.5% 1,287 100.5% 1,266 98.4%

 出典:FEVE

 ∗1:生産量は、飲料、食品、化粧品及び薬品びんの合計

 ∗2:その他中央・北ヨーロッパ圏
 (オーストリア、ベルギー、デンマーク、エストニア、スウェーデン、スイス、オランダ;7カ国)

 ∗3:その他南東ヨーロッパ圏
 (ブルガリア、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、ルーマニア、スロバキア;6カ国)
 

 それによると、昨年の生産状況はEU28カ国で昨年比1.6%の増加となった。EU域内外を含む出荷量は重量ベースで22百万トンを越え、本数ベースでは約500億本となっている。また、2014年度は、全てのEU加盟国で程度の差はあるがプラス成長を記録した。EU域内で最も高い伸びを示したのはポーランドで、昨年比7.4%増であった。EU域外ではトルコが昨年比14.8%増という衝撃的な伸びを示した。FEVE新会長のVitaliano Torno氏(O-Iヨーロッパ社)は次のように述べている。「EU諸国の消費が落ち込んでいる事やデフレリスクを考慮すると顕著な伸びと言える。」「ガラスびんは、自社の商品が高品質で安全という付加価値を求める得意先より支持され続けている。」

 出典:FEVE
 http://www.feve.org/index.php?option=com_content&view=article&id=10&Itemid=11

 注:FEVEがErnst and Young社に委託した“欧州ガラス容器の環境、社会的、経済的寄与”と題する調査報告(2015年2月付け)がある。興味のある方は以下のURLよりダウンロードにより閲覧願います。
 http://www.feve.org/SEC-FEVE-2015/FEVE-January2015.pdf

2.米国各州で地ビール生産量規制の緩和が進んでいる

 米国では地ビールがブームになっている。そのような中で、米国の幾つかの州、アリゾナ州、ノースダコタ州及びワイオミング州では、地ビール生産数量の上限規制について見直しを進めている。これによって、マイクロブリューワリーと呼ばれている非常に小規模の地ビール生産業者がその規模を更に拡大することができるようになる。例えば、アリゾナ州のFour Peaks社は非常に厳しい規制があったために、これまで十分な数量をレストラン等に供給することができず、新規顧客の開拓ができなかったが、3月31日に同州知事が法規制改正案にサインした結果、規模拡大が可能となった。

 出典:GPI 詳細は次のURLを参照下さい。
 http://www.usnews.com/news/business/articles/2015/04/01/states-increasing-production-caps-for-microbreweries

3.米国のガラスびんリサイクル状況

 米国でもガラスびんリサイクルが進んできている。その現況データの幾つかをご紹介する。

  • ・2013年の米国内生産量など
     生産本数:約275億本(飲料容器が約80%。その75%がビールびん)
  • ・2012年リサイクル量(推定)
     ガラスびん排出数量 9.38百万トン(廃棄物の約3.7%、約27kg/人、110本/人、平均びん重量 約227g)
     リサイクル量 3.2百万トン(10州でデポジット制度があり、これらの州のリサイクル率は高い)

 出典:GPI 詳細は次のURLを参照下さい。
 http://waste360.com/glass/profiles-garbage-glass-containers-0

4.Vidrala社がEncirc社の買収を完了

 スペインのVidrala社が、英国のEncirc社の買収を完了した。買収されたEncirc社の現在の執行体制等は変わらない。Encirc社は、従業員1,200名、Derrylin(北アイルランド)とElton(英国北西部チェシャー)に2工場を持っている。Vidrala社CEOのGorka Scmitt氏は次のように述べている。「Encirc社はここ数年しっかりした市場占有率を維持しており、これは同社の従業員、最新の設備、競争優位性、及び、お得意先とのしっかりした結びつきによる。」「Vidaralaには会社統合の能力があり、各地でその存在感を増し、生産設備を改善しており、ガラス容器業界でこれまでに確立された専門性がある。今回の合併はVidrala社にとり重要なマイルストーンとなる。この合併はVidarala社とEncirc社両方の将来に良いものとなるだろう。」

 出典:Glass Worlwide March/April 2015