2024年12月24日

海外情報(2024年12月分)

1. フラストニク1860社のハイブリッド炉現況

12月10日 グラスインターナショナルは、フラストニク1860社(Hrastnik1860;以下フラストニク社)がハイブリッド炉に関するBEARプロジェクトの現況をフラストニク社が所属するヴァイダーグループの環境週間の一環として説明したと報道した。

BEARプロジェクト概要:
エンドポート型蓄熱炉(170t/d)での天然ガス消費量を、従来より50%削減し、従来5-10%であった電気ブースティングを40%に増加させる。これにより、次の10年間で10万トン程度のCO2削減を見込んでいる。

出所: glass-international.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: 以下は同社のBEARプロジェクトサイト( https://hrastnik1860.com/bear/ )から。
プロジェクト開始:2022年9月1日 稼働予定2025年第1四半期
資金総額373.3万ユーロ(約6億円/160円換算、うちEU資金223.8万ユーロ(約3.6億円))
なお同サイトには炉の模式図が掲載されているので興味ある方は参照ください。

2. AGC社がグラスフューチャーズに参加

12月18日 グラスオンラインはAGC社がグラスフューチャーズに参加したと報じた。記事によると、「AGCグループはグラスフューチャーズの会員になることで、持続可能なガラス生産に向けて新たな第一歩を踏み出した。」「20250年までにCO2ニュートラルなガラス生産を達せするためには、バリューチェーンの全ての部分を考慮する必要がある。国際的なガラス生産者である同社は、持続可能な未来に向けて、ガラスサプライチェーン全体の会員ネットワークと協力するためにグラスフューチャーズに参加した。」また、AGC社の先端技術研究所(横浜市)のホットプロセスリーダである前原輝敬博士は「AGC社のガラス事業は、板ガラス、ディスプレイガラス、特殊ガラスなど幅広い製品群を網羅し、世界各地に生産拠点を構えています。そのためカーボンニュートラルを実現するための要件は、各事業セグメントや各生産拠点により異なり、様々な技術の開発や注力が求められています。この目的のために、グラスフューチャーズに参加することは意味があると信じています。」と述べている。

出所: glassonline.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: 少し古くて恐縮だが、経済産業省の報告
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/GB/00.pdf )に掲載の円グラフ(2013年統計)では、世界の板ガラスシェアは、上位から順に、旭硝子社(現AGC:7.8%)、日本板硝子社(6.6%)、サンゴバン社(6.0%)、ガーディアン社(5.7%)などとなっている。

3. アルダー社がヘルノジン向けに軽量びんを生産

12月18日 グラスインターナショナルは、アルダー社(AGP-Europe)が、スウェーデンにある同社リマレド工場(Limmared)でヘルノジン(Hernö Gin)社と共同して、同ブランドとしては初となる軽量化500mlびんを生産したと報じた。このびんは刻印や印刷デザインを一新しており、リマレド工場で印刷され出荷されている。軽量化の結果、従来に比べて炭素排出量が1本あたり31%低減されている。

出所: glass-international.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: ヘルノジン社については以下のURLを参照ください。

4. O-I社がハイネケン社のビールびんを軽量化

12月18日 グラスインターナショナルは、O-I社がハイネケンフランス社の250mlビールびんを従来の165gから155gと10g軽量化したびんを提供と報じた。ハイネケンフランスのパッケージング専門家であるピエール・アラン・バタイヤール氏(Pierre-Alain Bataillard)は「びん重量を減らす事は2040年までに炭素排出量をネットゼロにするという弊社目標である。」「よりよい世界を醸成する:Brewing a Better World」「プログラムを達成するための決定的な手段の一つ・・・10グラム削減すると・・・年間6万5千トンから7万トンのガラスを節約できる。」「課題は、強度を損なうことなくびん重量を減らし、消費者の使用に適合させながら、食品の安全氏を尊重した製品を発売すること。」と述べた。

出所: glass-international.com

記事詳細は以下のURLを参照ください。

訳者注: 同じ軽量化の話題が続くが、こちらは資源保護という視点で語っていることから取り上げた。