2016年02月18日
海外情報(2016年2月分)
1.フィリピンの業界状況
フィリピンガラス製造業者協会(GMAPI)の事務総長であるRobert Baustin氏(Asia Brewery社工場長)によれば、「第39回ASEAN GLASS Conferenceがガラス技術と革新というテーマで開催され、会場は立ち見がでるほどの盛況であった。全体的にはガラスびんの消費量は増加し、休止していた炉も再稼働し、最近では新しい炉も作られていて、見通しは良い。」「Asia Brewery社について言えば、ガラスびん事業は非常に重要で、当社では150トン炉2基、6ラインが稼働している。2号炉は2014年にHORN社の設計、もう一つの炉はSORGの設計で稼働して5年が経過した。」とのことであった。
出典:Glass WorldWide January February 2016, pp18 – 22
2.アルダー社Irvine(アーバイン)工場のリノベーション
アルダー社アーバイン工場は北アイルランドと海峡を挟んだ対岸のノース・エアシャーに立地している。同工場はアルダー社の前はロックウエア社の工場で、溶解炉2基、全部で5ライン体制で従業員は225名。
アルダー社は過去3年に渡り、同工場のリノベーションのために約35百万ポンド(約57億円)の投資を行ってきた。ホーン社が築炉したP5炉(緑色用)は2ラインでハイエ社の10セクダブルが設置されており、コールドエンドの検査機も最新のものとなっている。昨年夏にはゾルグ社によりP4エンドポート炉が改修され、溶解面積が117㎡と以前の炉より大きくなり、エムハートの3基のIS(8,10,12セク)も更新、コールドエンド検査機も最新のものとなり、専用のバッチプラントも設置された。
同工場生産量の約90%は地元スコットランドのウィスキー向け、ワインびん等も生産し国内だけではなくドミニカ共和国などにも輸出されている。現在、同工場はヨーロッパでも(設備的に)最も進んだガラスびん工場とされている。
出典:Glass WorldWide January February 2016, pp24 – 26
3.EUが材質規格の見直しを検討
欧州議会と欧州委員会は、現状、つぎはぎだらけとも言える食品接触物質(FCM)の規制(日本での材質規格に相当)の改善を検討していると関係筋が述べた。2004年にFCMについての枠組み規制ができているが、各国独自の規制を設けることが認められている。特にプラスチックについてはEUレベルで非常に詳細な規制があり、業界にとって重荷になっていると指摘されている。
出典:FEVE NEWS Letter January 2016-No.446-02
4.省エネ対策の経済性
欧州委員会の報告は、鉄鋼や化学といったエネルギー消費産業において、全ての技術的に可能な省エネ対策がとられたとすれば2030年までに平均して23%の省エネが可能としている。しかし、実際には、この報告で述べられている省エネ対策のほぼ半分は、経済的に実行可能では無いとICFのコンサルタントは述べており、仮に2年以内に投資回収できる省エネ対策を実施したとすれば2030年までに約4.3%の省エネが達成されるとしている。
出典:FEVE NEWS Letter January 2016-No.446-02