2016年04月30日
海外情報(2016年4月分)
1.英国のアルコール(摂取)ガイドラインへの懸念
本年1月8日、英国の首席医務担当官(UK Chief Medical Officer)が新しいアルコール(摂取)ガイドラインを提案した。とりわけても男性に対する推奨レベルが大幅に引き下げられ、アルコール摂取レベルに「安全なレベルはない」としている。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所fivs.org
【訳者注】
この新ガイドラインでは、1週間で純アルコールとして140ml(ワインでおおよそ1.5本相当)まで、としている。更には、妊娠の予定のある女性はアルコール飲料を飲まないように勧めている。
英国が医療費削減のために、生活習慣病の防止に取り組み、大きな成果を上げているのは良いのだが、我々の業界に対する影響もある。この視点から、英国での英国の新アルコール摂取ガイドラインとソフトドリンクに対する砂糖税を取り上げてみた。
2.英国の砂糖税への懸念
英国政府は、10代の若者が毎日のように飲むソフトドリンクについて、第2タイプの糖尿病を引き起こす可能性が高いといった理由で、添加されている砂糖の量が100mlについて5g以上~8g未満だと2ペンス、8g以上だと5ペンスを、2018年4月以降に課税するとしている。これを市販のソフトドリンク1リットル当たりに換算すると、概ね18ペンスあるいは24ペンスと推算されている。一方、同じように糖分を含有しているジュースは課税免除となっている。よく知られているブランドのソフトドリンクは概ねどちらかの範疇に入り、ソフトドリンク会社は英国政府を相手に訴訟を検討している。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所beveragedaily.com
【訳者注】
以下のURLの記事によれば、砂糖税による税収増加は520百万ポンドと想定されている。
http://www.theweek.co.uk/70632/budget-2016-will-new-sugar-tax-solve-uks-obesity-epidemic
3.パッケージがよりクリエイティブで個人的なものに
今年PepsiCo社は、同社の絵文字の『PepsiMoji;ペプシ文字』キャンペーンを100以上の市場に拡大する。絵文字という、思いや感情を伝える「ユニバーサル言語システム」を使用することで、世界の消費者を支援する。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所beveragedaily.com
【訳者注】
この記事をみて、日本発の絵文字もここまで来ているのかと言うのが正直な感想。
PepsiCo社の絵文字の詳細については以下のURLを参照して下さい。
http://design.pepsico.com/pepsimoji.php?v=20#section1
4.米国で様々な風味づけをしたビール革命が進んでいる
食料・調味料の調査会社であるMintel社の調査によれば、米国ビール市場で風味付けをしたビールの占有比率が2010年に15%であったものが、2015年には27%にまで伸びている。これは最近5年間で、グレープフルーツ味からハバネロ味といった様々な風味付けビールが80%伸びたということを示している。Mintel社は、このような風味革命が、米国でビール全体の消費量が落ち込む中で、消費者のビールへの関心を引き付けているとしている。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所beveragedaily.com
5.世界のガラス容器包装市場
Research and Market社は、世界のガラス容器包装市場は2013年の47,000ktから2020年までには60,487ktに、年率4%の伸びをすると予測している。アジア太平洋地域が最大の市場で、全世界の需要の38%程度を占めると予想されている。二番目はヨーロッパで、東ヨーロッパでの伸びが大きいとしている。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所packagingtoday.co.uk
6.フランスのVerallia社がVOA – Verrerie d’Albi工場の近代化を完了
24百万ユーロを投じたVOA – Verrerie d’Albi工場の半分の生産設備の近代化が完了した。 エクストラフリント専用としてNo1溶解炉を全く新しいものに改築し、同時に3本の生産ラインも新しくした。これによって、Verallia社は、量的に少から中程度のハイエンド市場での位置を強化する。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所verallia.com
【訳者注】
Verallia社はファンドに買収されサンゴバンを離れるなどしているが、しっかりと頑張っている様子で、同社の現在の戦略などについては以下を参照して下さい。
http://verallia.com/en/innovation/selective-line
また、アルビ工場の近代化については以下の記事を参照して下さい。
http://www.usinenouvelle.com/article/verallia-inaugure-le-nouveau-four-de-sa-verrerie-d-albi.N384953
7.フランスのスパークリングワイン輸出が12%増加
CFTSの統計によれば、2014年から2015年にかけてフランスのワイン輸出高は30億ユーロに達し、12%の増となっている。特に中国への輸出の伸びが顕著で、60%伸びて23百万ユーロとなっている。他に米国向けも36%伸びて23百万ユーロとなった。一方で、ロシア向けは33%落ちて16百万ユーロ、ドイツ向けは3%落ちて243百万ユーロとなっている。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所vitisphere.com
【訳者注】
フランスのワイン輸出も好調だが、逆に米国から欧州向けも好調と伝えられている。更には英国ワインも増産機運で、総じてワイン市場は賑わっている様子。
8.フランスの化粧品輸出が好調
フランスの化粧品会社の団体であるFEBEAによれば、全世界的な景気低迷の中、香水や化粧品の輸出が大きく増加していて、2015年は4.4%増、金額が118億ユーロを記録したという。中東とアジア市場の伸びが顕著で最も活気ある市場となっている。
出典: FEVE NEWS Letter April 2016-No.448 / 元出所 premiumbeautynews.com