2005年09月01日

海外情報(2005年9月分)

この賞は、前年に発売されたガラスびん入り新製品で、エントリーされたものの中からデザイン専門家等に審査を委託して与えられる。本年は５月３日、授賞式があった。この程、ＧＰＩのホームページに写真及び中身商品・デザインの概要説明等が掲載されたので、ＧＰＩの了解を得て、翻訳転載します。　ＧＰＩのスポークスマン、Reis氏のコメント、「ガラスは、プレミアム新製品の最も好ましい素材であり続けてきた。エントリー会社からはすべて、フレッシュで斬新的な新製品を提案していただいた。店頭で消費者が注目し、味、フレッシュさ、品質保持などの面で消費者ニーズにこたえる新ブランドを創り出すことに成功されている。」

受賞10製品（8社）の説明

	(1) Beer（ビール）部門製品：Budweiser Select 会社：Anheuser-Busch, Inc. 新製品トレンド："clean aftertaste"さわやかな、あと味を重視した。容器説明：long-neck 茶びんを選び、Budweiser Crown iconを強調デザインした感圧透明ラベルを採用して差別化を図った。

	(2) Carbonated Beverage（炭酸飲料）部門製品：BAWLS Guaranexx 会社：Hobarama Corp. 新製品トレンド：高カフェイン、ノーシュガーを特色とするエナジー・ソーダ容器説明：このユニークなガラスびんは、売場で消費者を招き寄せ、手に採って見るように仕向ける。会社はコバルトブルーびんのレギュラー商品から区別するため透明びんを採用。

	(3) Cosmetic and Fragrance Products (化粧品・香水)部門製品：DKNY Be Delicious Eau de Parfum 会社：Éstee Lauder 新製品トレンド：カラー・コーディネートした容器によるホリデー・プロモーション（休日販促）を目的にした。容器説明：永遠のリンゴの現在風解釈。グリーンのガラスに、fluid lines（流れるようなライン）が、センスの良さを加えている。当社はValentine Day用にredびん、Father Day用に茶びんを使用している。

	(4) Distilled Spirits (蒸留酒)部門製品： Island Breeze 会社：Bacardi Bottling Corporation 新製品トレンド：伝統的ラム酒やスピリッツに比し、カロリー半分のフレーバー・ラム容器説明：クリーンでエレガンスなガラスびんは、トロピカルな雰囲気へ誘う。素朴な感圧ラベルの写真が、すべて自然のフレーバーを印象付ける。

	(5) Flavored Alcoholic Beverages(フレーバー・アルコール飲料)部門製品：Bistro 8 会社：Anheuser-Busch, Inc. 新製品トレンド：高級なフレーバー・麦芽飲料容器説明：シトラス・麦芽飲料に、高級なシャンパンびんタイプのガラスびんを採用した。

	(6) Non- Carbonated Beverages(無炭酸飲料)部門製品：Rose's Cocktail Infusions 会社：Mott's 新製品トレンド：ポピュラーなバラのフレーバー飲料（カクテル用）、斬新な形と色彩で人の目をひくガラスびん。容器説明：波状の人目を引くガラスびんは、人気の上がっているミキサー飲料の商品棚でインパクトを増す。

	(7) Overall Package Design(全体の中のデザイン)賞製品：Starbucks Coffee Liqueur 会社：Jim Beam and Starbucks 新製品トレンド：革新的な製品を売り出し、すき間市場を開発するためにビッグブランド（Jim BeamとStarbucks）が協力した。容器説明：ダークカラーのガラスびんは、豊かなコーヒーフレーバーに相応しい。カクテルシェーカーを連想する形は、中身製品のミックスを想像させる。

	(8) Packaged Foods (容器入り食品)部門製品：Fruit Lovers Strawberry Raspberry Jam 会社：e. d. Smith 新製品トレンド：純正食品のローカロリー製品（Alternative lowercalorie formations of full-calorie foods) 容器説明： 8面体の広口びんは、大きな果実で、はちきれている印象を与える。このびんデザインの変更（以前は４角びん）によって、より消費者にフレンドリーになり、より大きな口はスプーンを使いやすく、パンやクラッカーの上にジャムをスムースに広げやすくした。

	(9) Success Story (拡販に寄与した)賞製品：Bud Light 会社：Anheuser- Busch, Inc. 成功物語： Bud Light の容器構成比の中でガラスびんのシェアは４０％に過ぎないが、Anheuser- Busch社は、long neckのガラスびんに力を入れ始め、ラベルを紙から、最新の感圧透明ラベルに変えた。その結果、2004年の販売量は、ビール全体の平均伸び率の4倍に当たる３％増を記録した。

	(10) Wine(ワイン)部門製品：Camelot Mead 会社：Oliver Winery 新製品トレンド：Alternative wine flavors(フレーバーワイン・蜂蜜ワイン) 容器説明：このびんの目立つ点は、肩部に彫刻されたひまわりの花と蜂、全面に見られる拡大された花と蜂のイメージデザインである。

Award 審査員の講評

審査は、美観、新規性、市場性、形状、機能の観点から評価される。

(1) Linda Jackson氏（Pear Design 代表）
中身の会社、デザイナー、製びん会社がオープンマインドで協力し、従来のトレンドに従うよりも、新傾向開発にイニシアティブを執り、イノベーション文化を創造しようとする努力に感銘した。

　
(2) Patrick Henry氏（Package Design Magazine主筆）
様々の競合素材容器が、消費者が手に採ってくれるよう働きかけているが、ガラスびんが最も高いタッチ（touch）指数を示している。

(3) 他の審査員
Jennifer Acevedo氏（Brand Packaging Magazine主筆）Karen Proctor氏（Rochester技術研究所・包装容器科学主任）

米国ガラス業界2005年前半（1～6月）出荷状況
単位：百万本、％
品種別		2004年	2005年	前年比
Food	食料・調味料	3,172	3,180	100.2
Beverage	飲料	1,683	1,646	97.8
Beer	ビール	10,118	9,857	97.4
Liquor	蒸留酒	525	565	107.5
RTD alcoholic*	RTDアルコール飲料	678	635	93.8
Wine	ワイン	913	929	101.8
Other	その他	717	1,001	139.7
Total	計	17,806	17,813	100.0
注１．* Ready to drink alcoholic coolers and cocktails 注２．Otherは、速報段階では増加するが、確報ではFood等へ振り替えられる傾向あり。注３．データソース：米国商務省統計注目点：増加傾向を保ってきたビールびんが微減となったが、他品種がカバーして全体として前年実績を維持した。