2006年01月01日

海外情報(2006年1月分)

1.米国

1 GPI 60周年記念ミーティング

GPIは、2005年10月23日~25日、カリフォルニア州Ojaiのthe Ojai Valley Inn & Spaにおいて、創立60周年記念ミーティングを開催した。


理事会は、O-I社会長・CEOのS. McCracken氏を理事長に再任した。


ゲストスピーカーとして、ワイン協会会長 R."Bobby"Koch氏とBeer Business Daily編集長 H.Schuhmacher氏が講演した。それぞれガラスびんが容器の中で重要な役割を果たしている業界の状況を説明した。


Cattaneo会長が60年を回顧し、歴史の概要を以下の通り説明した。
1919年設立のthe Glass Container Association of Americaが前身、1943年解散。
1945年再発足(ニューヨーク)、Glass Container Manufacturers Institute (GCMI)、発足時会員はガラスびん25社、その後、1960年までにガラスびん36社、賛助会社25社、クロージャー11社が参加。
1976年ワシントンへ移転、the Glass Packaging Institute(GPI)と改称。


現在のGPIの会員は以下の通りである。
●正会員(製びん会社):6社
●賛助会員:35社 
(GPI websiteから)



2 ガラスびん業界出荷状況

業界出荷は、2003年34,330百万本(前年比97.2%)、2004年34,511百万本(100.5%)と、伸びが止まっていたが、2005年(特に後半)は以下の通り伸びを回復して来ている。

2005年1~10月(月別)出荷実績 単位:百万本、%
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 累計
2004年 2,733 2,677 3,050 3,100 3,039 3,207 3,003 3,049 2,761 2,766 29,385
2005年 2,706 2,676 3,054 2,950 3,146 3,283 2,988 3,232 2,865 2,875 29,775
前年比 99.0 100.0 100.1 95.2 103.5 102.4 99.5 106.0 103.8 103.9 101.3
2005年1~10月( 品種別 )出荷実績 単位:百万本、%
品種別 2004年 2005年 前年比
Food 5,495 5,153 93.8
Beverage 2,667 2,827 106.0
Beer 16,564 16,434 99.2
Liquor 897 961 107.1
RTD alcoholic* 1,086 1,029 94.8
Wine 1,534 1,587 103.4
Other 1,142 1,650 144.4
補正   134  
Total 29,385 29,775 101.3

注1.* Ready to drink alcoholic coolers and cocktails
注2.品種別は、1~2ヵ月後公表の速報にのみ含まれるが、その後の月計の補正には含まれず、正確な数字は2006年公表の確報を待たねば分からない。通常、Otherの一部・補正分が品種別に振り替えられる。
(データソース:米国商務省)

2.欧州
1 Feve(欧州ガラスびん連合)は、毎年1回PR誌(GLASS GAZETTE)を発行する。
その最近号(October 2005)から抄訳した。

■Andrew SOMOGYI氏(事務総長)の挨拶
容器は、現在の競争市場の中で重要な役割を演じている。消費者・ボトラー・流通業者によってなされる容器の選択には、広く社会・経済のトレンドが反映している。


欧州でびん詰めされる商品は、国際市場において、欧州通貨に対して安いドルからの挑戦を受けている。また、ガラスびんの大市場のドイツでは、強制デポジットから厳しい影響を蒙っている。しかし、欧州社会では小家族化・働く女性の増加傾向から、容器入り消費財の需要は好影響を受けている。何よりもガラスびんは、リサイクル分野で他素材に先んじてシステムを構築し、先進的立場にある。そのリサイクル量は30年来増加し続けている。(次項参照)
かくしてガラスびんは、容器市場の中で依然としてリーダーとしての地位を維持し続けている。

■リサイクル実績―2004年 量・率共に新記録達成
2004年、生産量は1%減少したが、回収量は2%(+183千トン)増加した。増加率最高はイギリスで+20%、初めて100万トンを超えた。次いでスペイン(+9%)、イタリア(+4%)であった。ドイツでは、回収量は減少したが、依然、量はNo.1である。

国名 回数量(千トン) リサイクル率(%)
2003年 2004年
オーストリア 206 207 88
ベルギー 309 314 90
デンマーク 150 145 75
フィンランド 50 50 72
フランス 1,977 1,984 58
ドイツ 2,689 2,580 91
ギリシャ 41 31 24
アイルランド 75 83 69
イタリア 1,250 1,296 61
オランダ 412 416 76
ノルウェー 50 51 90
ポルトガル 140 142 39
スペイン 622 675 41
スウェーデン 151 152 96
スイス 301 304 96
トルコ 78 80 24
イギリス 875 1,049 44
9,376 9,559 63

■トルコ リサイクルシステム整備
EU加盟を目指すトルコでは、EUの新政令(2014年、ガラスびんリサイクル目標率60%)を意識して、システム整備に乗り出している。


トルコ本社で、国際的な総合ガラス企業であるSisecam group*に属する製びん会社Anadol Cam社と、カレット収集・処理業者で2003年に設立したCAMSIAD(ガラスリサイクル協会)が推進機関として政府によって公認された。
(現状は上記表の示すように極めて低水準)


*Sisecam groupについて
2004 Annual Reportによれば、売上高1,629百万ドル(約2300億円)純利益139百万ドル(約195億円)。従業員13,000名。製造種目、ガラス(板、びん、食器、繊維)・ソーダ他の化学製品。トルコに止まらず、ロシア、ブルガリア、グルジア等に進出している。

■ポルトガル ガラスびん協会の需要促進宣伝
本年4月、4製びん会社が協会を通して宣伝活動の実施を決定した。以下がその概要である。
●対象:ヤングアダルト、ティーンエイジャー
●媒体:掲示板ポスター、マスメディア記事、ラジオスポット
●キャッチコピー:"Stuck on Glass"-(飲料・食品は)ガラスびんがお好き
ガラスびんと共に中身商品のPRを狙った。
●ラジオスポットについて
4主要放送局を通して、1日数回25秒間のスポットを流した。その内容は中身商品と、ガラスびんのラブロマンスの詩のように構成されている。以下に意訳した。


"ガラスびんがお好き"
朝のジュースや牛乳
美しいジャム
吟醸のお酒
冷たいビール
ヘルシーなハニー
美味しいラスベリー・ヨーグルト
料理の味を引き立てるオリーブオイル
みんな、ガラスに包まれるとき、楽しく、いきいきしている。
水晶のように透明で、みんなの美味しさが良く見られ、
みんなの香りをいつまでも逃がさない
みんな、そんなガラスびんが大好き。

2  ロシア市場へガラス大企業の進出

トルコ Sisecam社
● 2002年、子会社Rascamが進出。Viadimir Regionに工場建設、増設を重ね現在3窯11ライン、能力34万t/年。
● 2003年、Pokrovsky社買収。工場はVologda Region、2窯、7ライン、能力20万t/年。
● 2005年、Ufaに新工場建設。第1次計画として年末に2窯始動。
以上の設備投資等には欧州復興開発銀行*からの融資支援を受けている。
(Sisecam社website, Feve news Jun.'05:www.glassonline.com(I)-22Jun.'05)


■Saint-Gobain社
ロシア製びん会社、Sitall社(売上高20百万ユーロ)とKavminsteklo社(26百万ユーロ)、及びウクライナ、Consumer Sklo Zorya社(23百万ユーロ)の株の過半数を取得した。2006年にそれぞれ新窯を建設する計画、製品供給先は国内。これは当社ガラスびん事業の成長が見込まれている東欧進出戦略に則っており、欧州復興開発銀行の協力を得ている。
(Feve news Sep.'05: Emballages Magazine/Flash(F)-21 Sep.'05)


■O-I社
ロシアの主要アルコール飲料会社の一つ、OSTグループとJoint Ventureを設立することを公表した。当面、そのグループ所属の製びん会社OST Tara社に出資する。将来は同社を支配し、技術援助を提供する計画。OST Tara社は2004年工場新設、年産2.6億本、親会社に供給している。
(Feve news Oct.'05: O-I/News Release-20 Oct.'05)


*欧州復興開発銀行(The European Bank for Reconstruction and Development: EBRD)について
●1991年創立、業務開始
● 所在地:ロンドン
● 授権資本:200億ユーロ
● 加盟国:61カ国(うち受益国26カ国)、2国際機関
● 目的:中欧、東欧、旧ソ連の各国において、開放された市場指向型経済への移行、民間及び企業家の自発的活動を促進すること。
● 活動・事業内容:投融資を中心に技術供与も対象とする。民間部門への投融資が主体で公共部門は全体の40%に制限。わが国の出資シェアは8.5175%で、米国の10%に次ぎ、英仏独伊と同額の2位。
(主として、日本国際問題研究所発行、「国際機関総覧」から)