2007年11月01日

海外情報(2007年11月分)

1.FEVEニュース 最近号から


FEVE(the European Container Glass Federation)創立30周年を祝う

9月21日ジュネーブに於いて、創立30周年に当たる記念の年次総会が開催され、この協会の30年に亘る積極的な活動を祝福した。
現在の会員数は、EUメンバーの中の20カ国とスイス・トルコに所在する58企業に達している。
ガラスは、古代から現代まで、多くの容器の素材として主要な地位を維持し続けてきた。将来にかけても、リサイクルガラスの多用、豊富な自然素材の原料、その素材の物理的、化学的安定性、安全性の故に、その優れた存在を持続するであろう。
FEVEは地球環境保持と産業活動の両面から、着実に成果を挙げるだろう会員活動に支えられていくことを喜ぶものである。
(Feve news Sep.'07-FEVE Secretariat)


ガラスびん製造設備投資ニュース

当社は、Alphaglassの100%子会社である。3年計画で80万ユーロ(約124億円)を投資し、Arquesに新工場を建設する。その結果、生産能力は年産20万トンから90万トンに飛躍する。
このグループの売上は過去15年間、年率10%以上の伸張を達成してきた。このグループは、英国・米国・南アフリカ・ポルトガル・オーストラリア・ニュージーランドに営業子会社を、ロシア・トルコ・スペインに代理店を持つ。製品はスピリッツ・ワイン・香水・化粧品の高級ガラスびんに集中している。
(Feve news Nov.'07- www.glassonline.com-28 Nov.'07)
また、Arquesの5号窯で2008年8月から、高級なガラス容器を生産する計画で270名を新雇用する。この会社は生産量の半分を海外に輸出している。20年間に生産は2万トンから22.5万トンに成長した。
(Feve news Dec.'07- www.glassglobal.com-10 Dec.'07)


Verreries de Masnieres社 生産能力を増加

東中欧・東南アジアにおいて、引き続き活発である。
1)ウクライナ
VetroPack Groupはスイス本拠、中東欧にガラスびんビジネスを展開。スイス・オーストリア・チェコ・スロバキア・クロアチア・ウクライナで工場を稼動している。当社は2007年前半、分析家の予想を遙かに上回る43.9百万スイスフラン(約27億円)の純益を上げた。しかし、後半では更なる大幅な売上増加は期待できないと述べている。在庫水準も低く供給に限界があるためである。
ウクライナのthe Gostomel工場で、グリーンびん日産380トンの新窯が本年末に完成予定である。
(Feve news Sep.'07-www.glassonline.com-7 Sep.'07)
2)東南アジア
Thai Malaya Glass Co.,では、17.5億バーツ(約58億円)投資した新工場が前月(8月)始動した。年産能力7万トンで、主供給先はThai Asia Pacific Brewery Co (Heinekenの現地法人)で、年間2万トン~2.5万トンの需要を見込んでいる。他にTigerとCheers beerへの供給も見込んでいる。当社では、初年度7億バーツ(約23億円)の売上を期待している。
(Feve news Sep.'07-www.glassglobal.com-21 Sep.'07)


2.米国市場 ガラスびん入り新商品紹介


GPI(米国ガラスびん協会)は、そのホームページで新商品を紹介している。紹介される品目数は、毎月10~12と少ないが、それぞれの写真・容器の説明と共に、内容商品の特色についても記載されている。ページのトップに、ここに掲載するために新商品情報を送ることをユーザーに要請しクリックすれば、メッセージ作成・送付の画面が出てくる仕組みになっている。送付された資料も含み編集されるものと思われる。
ここでは、最近月(8~10月)に紹介された34品目から傾向を探ってみた。


内容商品の分野別

品種別

Tea&Coffee
drink

ジュース ソーダ

ソース
オイル

Spread,
マヨネーズ

ビール
Ale

スピリッツ
掲載数 10 5 2 8 2 3 3 1 34

注目されるのは、飲料の中で「Tea & coffee drink」、調味料の中で「ソース」が多いことである。これらの分野になお、市場もしくは消費者開発の余地が多く、かつ、ガラスびんが新ブランド売り込みに最適の容器と考えての結果と考える。以下に、二つの分野について、短いコメントを記した。


Tea & Coffee drink(Tea:8品目 coffee:1品目 両方:1品目)

何れも、多様なOrganic(天然)フレーバーを加えたtea & coffee drinkであり、健康効果を強調しているものも多い。容量は8~12オンス、びん形、ラベル等も独自に特色を持っている。
米国のBeverage(飲料)ガラスびん需要は、1989年91億本のピークを記録したが、1990年代、主要炭酸飲料のPET化のため急減し、商務省統計でも1996年以降は「その他」に含まれて公表された。しかし、2001以降は30億本台に復し、また区分計上されている。それは、主にここに挙げたTea & Coffee drinkと、ジュースで新需要が開発された結果と思われる。


Sauce(ソース):7品目・Oil(食用油):1品目

何れも、天然の素材・添加物を材料として、グルメ消費者を対象に味も多様で、使用先を絞った*商品化が行われている。
(*肉・魚、更に細分してビーフ・ポーク・チキン・骨付き肉・胸肉・パスタ・サンドウィッチ、等等)
容量(8~26オンス)、びん形、ラベル等も多様である。
下記をクリックしていただければ、個々の商品の写真と説明を見ることができます。
http://www.gpi.org/featured/