2007年07月01日

海外情報(2007年7月分)

今回は米国の統計と、Awardのニュースをお伝えする


1.2006年 米国ガラスびん業界出荷実績について


米国 ガラスびん出荷実績推移
  2003年 2004年 2005年 2006年
百万本 百万本 前年比 百万本 前年比 百万本 前年比
ビール 19,115 19,563 102.3% 19,735 100.9% 20,355 103.1%
食品 6,764 6,468 95.6% 6,330 97.9% 5,889 93.0%
飲料 2,797 3,012 107.7% 3,217 106.8% 3,064 95.2%
リカー 1,135 1,073 94.5% 1,154 107.5% 1,135 98.4%
クーラー等 1,245 1,220 98.0% 1,218 99.8% 980 80.5%
ワイン 1,842 1,812 98.4% 1,856 102.4% 1,885 101.6%
その他 1,430 1,363 95.3% 1,754 128.7% 1,469 83.8%
34,328 34,511 100.5% 35,264 102.2% 34,777 98.6%
注:1.米国統計局公表の統計による。
  2.クーラー等の原標記は'Ready-to-drink alcoholic cooler and cocktails、2000年に需要急増のため、別
    欄が設けられた。

概況

最近5年間は、ほぼ横這いに推移している。2006年は微減となっているが、2007年1~4月の速報では、出荷数11,607百万本、前年同期比101.8%と回復している。品種別では、ビールびん一極に集中している。ビールの容器別シェアでもガラスびんが伸びている。業界では、工場閉鎖も報じられる中で、O-I社は2005年、ビールびん専門の工場をコロラド州に建設稼動した。年産12億本の12オンスびんを、Anheuser-Busch工場へ供給するとのニュースである。クーラー等はややピークをすぎた感じか、食品は引き続き他素材との競合の最も厳しい分野である。


GPI(Glass Packaging Institute)について

北米のガラスびん業界代表団体、正会員8社、その中O-I、Saint-Gobain(フランス本拠),Vitro Packaging(メキシコ本拠)がビッグ3。ガラスびん需要促進が中心業務、リサイクルにも注力。最近は、有機食品、有機飲料と、RTDコーヒー分野もターゲットにしている。Awardの品種別に、有機食品、有機飲料分野を追加。有機食品展への出展など、「有機食品にはガラスが最適」をPRしている。また、RTDコーヒーも"便宜""速い"が朝忙しい消費者に喜ばれると訴えている。


例年、米国のガラスびんユーザーと製びん業界にとって最大の行事の一つとなっている"Clear Choice Award"の受賞者が決定し、5月7日シカゴのレセプションで、品種別10部門とデザイン賞1製品、併せて11受賞製品が発表された。
また、初めて「Recognition for Outstanding Sustainable Practices(地球に良い優れた行動)」賞が設けられ、「Ted's Montana Grill restaurants」が受賞した。このレストランでは飲料から香辛料まで、すべてガラスびん入りを供していることが認められた。


GPI President Cattaneo氏の挨拶
「貴方の製品をガラスびん入りで市場に出されることは、消費者のニーズ・純粋(Pure)・高級(Premium)・地球に良い(Sustainability)に応えることになります。ガラスびんは、貴方の商品の消費者に対する店頭でのアピール(Shelf Impact)と、貴方のブランドに対する消費者の愛着(Brand Royalty)を強めます。」
審査基準は従来どおり、美麗・創造性・市場性(Marketability)・形状・機能性であり、審査は、包装・デザインに関する学界・業界・メディア関係者5名によって実施された。
今回の特徴は、ラベルの多様さ・新規さとクロージャーの選択、適合等を総合的にデザインしたガラスびんの美麗さが、重視されたように感じられた。

従来は、受賞製品ごとに製品・容器の説明を翻訳、記述したが、写真を伴わない説明では不適切と考え、今回は中身製品の製造者・製びん会社を列記するに止めた。
受賞製品別の写真や記事についてはGPIオフィシャルサイトをご覧下さい。

1.ビール部門
製品と製造者

Michelob Celebrate & Michelob AmberBock
Anheuser Busch, Inc.

製びん会社 O-I、Saint-Gobain Containers, Inc.
2. ワイン部門
製品と製造者

Sonoma Vineyards Chardonnary and Merlot
Klein Family

製びん会社 Vitro Packaging
3. 食品(Food)部門
製品と製造者

Famiglia DelGrosso Pasta Sauce
DelGrosso Foods Inc.

製びん会社 Saint-Gobain Containers, Inc.
4. 炭酸飲料部門
製品と製造者

Hank's Gourmet Beverages
Hank's Beverage Company

製びん会社 Saint-Gobain Containers, Inc.
5. 非炭酸飲料部門
製品と製造者

Mountain Valley Spring Water
Mountain Valley Spring Company

製びん会社 Vitro Packaging
6. 蒸留酒(Distilled Spirits)部門
製品と製造者

Crown Royal XR
DIAGEO

製びん会社 Vitro Packaging
7. フレーバーアルコール飲料部門
製品と製造者

Captain Morgan Parrot Bay
DIAGEO

製びん会社 O-I
8. 有機食品(Organic Food)部門
製品と製造者

Bertolli Organic Pasta Sauce
Unilever

製びん会社 Saint-Gobain Containers, Inc.
9. 有機飲料(Organic Beverage)部門
製品と製造者

Frutzzo Organic Pomegranate Juice
Frutzzo, LLC

製びん会社 Vitro Packaging
10. 化粧品・香水部門
製品と製造者

OS Signature
Procter & Gamble

製びん会社 Vitro Packaging
11. デザイン賞
製品と製造者

Gentleman Jack Rare Tennessee Whisky
Brown- Forman

製びん会社 O-I

今回の受賞製品の製びん会社は、ビッグ3に限られている。中でもVitro Packagingは5部門を占めた。同社は、早速にホームページに美しい写真を掲載し喧伝している。ご興味のある方は、Vitro Packagingのオフィシャルサイトをご覧下さい。