2008年01月01日

海外情報(2008年1月分)

1.Saint-Gobain社のガラスびん事業譲渡の価額は1兆円を超える?


当社は、そのコアビジネス、板ガラスを含む建築材関連に集中するためガラスびん部門も譲渡することが考えられる。"Glass International誌"は関連ニュースを集約した。
2007年始め、化粧品・薬品等の小びんを専門とするThe Desjonqueres社を、フランス・カナダのベンチャー資本団に売却した。(海外ニュース2007-6既報)
更に、ガラス繊維強化事業部門については、Owens Corning社へ譲渡の協議をしている。
今やガラスびん部門も譲渡することが大方の予想である。新Chief Executive, Pierre-Andre de Chalendar氏は、交渉開始を考慮に入れている様子である。この部門は2007年前半で、前年比6.5%増の212百万ユーロ(約350億円)の営業利益を上げている。
この部門の全事業の譲渡価格は250億ユーロ(1兆円を超える)と想定される。従って、譲渡は地域・国に分けて、ベンチャー資本や年金基金等が対象となろう。ガラスびん企業は、独占禁止法令やその規模を考えて手を出さないだろう。
Saint-Gobain社のこの部門の事業規模(工場配置数)は、フランス6・ドイツ5・イタリア6・スペイン3・ポルトガル1・ポーランド1・ウクライナ1・ロシア2・中国1・米国12・ブラジル4・アルゼンチン1・トータル43に及ぶ。
(Glass International 2007 Sep.)
なお、「2007年米国市場のガラスびん出荷量が、譲渡交渉に影響しよう」との短い記事がFeve newsに掲載されていた。
( Feve news Oct.'07- www.emballagedigest.fr 15 Oct.07)


2.EU当局(The European Commission)がガラスびん製造業界の寡占化を調査?


欧州ワイン・スピリッツ輸入協会が、EU競争委員会(The European Competition Commissioner)に苦情の申し立てを行った。内容はガラスびん製造業界の寡占化が競争を制限し、価格に影響を与えている。その結果、ガラスびん価格は最近30%も上昇したと。
また、ベルギーのワインやスピリッツの協会も欧州のガラスびん市場の95%以上が、O-I・ Saint-Gobain・ Ardah Glass 3社の手中にあると申し立てている。
これらを受けて、EU当局が調査に乗り出す様子である。
(Glass International 2007 Sep.)


3.サブプライム問題 米国ガラスびん業界 出荷量に影響?


以下が米国商務省・統計局発表の最近月までの出荷実績である。


2007年・月別出荷数
(単位:百万本)
出荷数 前年比%
1 2,824 101.5
2 2,676 100.1
3 3,076 96.5
4 3,032 107.1
5 3,300 101.1
6 3,216 102.2
7 3,098 104.5
8 3,136 96.9
9 2,825 99.6
10 3,102 107.2
11 2,658 103.3
1-11 計 32,943 101.7

2007年・品種別出荷数
(単位:百万本)
品種 出荷数 前年比%
ビール 19,152 101.3
食品 5,035 91.7
飲料 2,936 101.8
リカー 1,048 100.3
クーラー等* 1,018 109.7
ワイン 1,785 100.7
その他 1,969 144.4
32,943 101.7

注)「クーラー等*」:オリジナル表記は"Ready-to-drink alcoholic coolersand cocktails"


以上から、ここ数年のビールびんをメインに、微増のトレンドに変化が認められない。
品種別は、次の年6月に出される確報でかなりの訂正(特にその他から各品種への移行)があるのが通例である。
(米国統計局web-siteより)