2008年10月01日
海外情報(2008年10月分)
GPI(米国ガラスびん協会) 新キャンペーン開始
GPIは今秋から、以下の要旨の"PURITY"(純粋、安全・安心)に重点をおいた新キャンペーンを開始する。
ガラスは、人の健康に対しても地球環境に対しても、"PURE"(安心・安全)であることを消費者に訴える。ガラスだけが世界で3000年の歴史によって、人にとっても環境にとっても安全であることを証明してきている。米国に於いても400年前に最初に製造された製品の一つである。ガラスの原料は、すべて自然に存在する(natural)。エンドレスにリサイクルできる。またFDA(米国食品医薬品局)によって全般に安全(Generally Recognized as Safe)と認められている唯一の容器素材である。
消費者の皆さん、購入する食品が"PURE"に保たれていること、如何なる化学物質にも影響されていないことを求めるならば、その食品店にガラスびん入りを置くことをお願いしてください。そして貴方がガラスびん入りだけを買うことを知らせてください。
Brand Managerの皆さん、今一度立ち止まって貴方の商品を"PURE"に保つために、ガラスびんを選ぶことを考えてください。
<関連して、本文指摘箇所をクリックすると、"Truth in Packaging"のページへとび最近の容器に関する第三者の報道・意見等が多く掲載されている。
主な事項は、BPA(Bisphenol A)に関する報道である。その中に、FDAはBPAを安全と判定したこと、The NTP (the National Texicology Program、厚生省関係の専門家集団)は、no concern[懸念なし]からconcern[非常に懸念あり]まで5段階の中の3[いくらかの懸念あり]と判定したとの記事があった。
(GPI発行 Inside Glass Packaging-9月号)
O-I社
1)2008年・第2・4半期 売上高記録更新
当社は、当期売上高 2,211百万ドルを記録した。前年同期に比し、11%・214百万ドルの増加である。主な理由は価格改定・セールスミックス改善による+154百万ドルと、為替変動の貢献(ドル安)+201百万ドルが、売上トン数減による-124百万ドルをカバーしたことである。
このような環境化にあっても、当社は当面、各部門の合理化、積極策によって、2008年を記録年とすることを目指している。当社の経営は、長期的にキャッシュフローに最大の注目をしてガイドとするであろう。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.glassonline-31 Jul.'08)
2)sustainability(地球環境の持続可能性)担当の新VP(Vice President)指名
新VP(Jay Scripter氏)の任務は、O-I社の地球環境維持のための基本的な考え方を樹立し、その戦略・経営プロセスを開発し、ガラスが地球環境維持のために最適の素材であることを認知さすためのイニシアティブをとることにある。同社のPresident(Rich Crawford氏)は「その役割は、O-I社の競争力・ガラスのイメージ・そしてガラス産業の競争力に力強い影響力を持つであろう。」と述べている。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.glasssonline.com- 31Jul.'08)
米国ガラスびん業界出荷8月は大幅減少
7月に前年比2.1%の増加に回復したが、8月は4.8%減と年初来の月別では最大の下げ幅を記録した。
なお、参考までに1~8月累計の主要品種(速報)も見た。本年度は、ワイン・クーラー等も企業別秘密保持のため、月別の品種別は伏せられた。従って下表ではその他に含まれる。また、速報では「その他」の前年比が大きく増加しているが、確報では品種別に分解されるのが通常の傾向である。
米国ガラスびん業界・月別出荷本数 | |||||||||
単位:百万本、% | |||||||||
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 計 | |
2007年 | 2,824 | 2,648 | 3,026 | 2,992 | 3,227 | 3,185 | 3,088 | 3,118 | 24,108 |
2008年 | 2,864 | 2,726 | 2,893 | 2,988 | 3,157 | 3,033 | 3,153 | 2,955 | 23,769 |
08/07 | 101.4 | 102.9 | 95.6 | 99.9 | 97.8 | 95.2 | 102.1 | 94.8 | 98.6 |
(出所:米国統計局) |
1~8月主要品種別出荷本数 | |||||||
単位:百万本、% | |||||||
2007年 | 2008年 | 前年比 | |||||
ビール | 14,187 | 13,796 | 97.2 | ||||
食品 | 3,668 | 3,504 | 95.3 | ||||
飲料 | 2,197 | 1,993 | 90.7 | ||||
リカー | 744 | 760 | 102.2 | ||||
その他 | 3,312 | 3,716 | 112.2 | ||||
計 | 24,108 | 23,769 | 98.6 | ||||
(出所:米国統計局) |
ガラスびん部門 - 2008年前半期好調
当社のこの期間の売上は前年同期間に比し6.5%増、営業利益率は前年同期間の11.3%から、13.4%へアップした。これらは、フランスと立地する途上国の需要環境が、引き続き良かったことが原因であった。
(Feve news Jul.Aug.'08-http://packagingnews.co.uk- 31Jul.'08)
ガラスびん部門へのオファーに口を閉ざす
ポルトガル第2位の製びん会社BA Vidroから、ガラスびん部門を40億ユーロで買収のオファーの意向を受けた。ポルトガルの新聞Publicoは欧州の銀行グループが融資の用意があると報じている。
Saint-Gobain社 ガラスびん部門は、欧州・米国・ラテンアメリカで60工場を稼動し、15,000人を雇用している。
(Feve news Jul.Aug.'08-www.emballagedigest.fr-25Jul.'08)
当社は2007年6月、イギリス Rexam社から、そのガラスびん部門を660百万ユーロ(約1000億円)で買収し、欧州製びん業界トップ3の一員(第3位)になっている。
その結果も加わって、売上高は倍増の314.9百万ユーロ、利益は50%増の43.6百万ユーロを上げた。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.glasssonline.com- 28Jul.'08)
当社は2008年7月15日に、2007年期の追加配当0.125ユーロ/株を支払った。株主は2007年期トータルで10.62ユーロ/株を受領したことになる。前期に比し8.62%の増加になる。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.glasssonline.com- 14Jul.'08)
2008年前半、グループの業績は、出荷本数22.3億本、前年同期比3.2%増・売上高380.1スイスフラン、9.8%増を記録した。国内外の全工場は需要旺盛でフル稼働であった。
後半はスローダウンするが、好調は残ると見込んでいる。
(Feve news Jul.Aug.'08-Packaktuell-29Aug.'08)
The Merefa Glassmaking Plant社 ロシア醸造会社へ供給契約
当社はウクライナ東部に位置する。欧州標準に合う軽量びん生産のため、NNPB
(Narrow Neck Press and Blow)技術、設備を導入している。設備は10section IS machine 3機で、HEYE Internationalから購入した。窯の溶融能力は256トン/日で、2リットルの容量まで生産できる。
主要生産品目は、ウォッカ・ビール・ソフトドリンク用の軽量透明びんで、出荷先は30%が国内、残りはロシア他の欧州諸国である。この程、ロシアの醸造会社と軽量びん供給の契約をした。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.glasssonline.com- 7Jul.'08)
トルコSesecam社の進出
Sisecam社の支配下にある、オランダの会社Baslandがウクライナに新製びん工場を建設する計画を進めている。ウクライナの反独占委員会は、Basland社がOdessaに立地するYuzhnayaビール会社の過半の株を持つことを認めた。製びん工場はこの工場内に建設される。Sisecam社はBasland社の51%の株式を持っている。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.glasssonline.com- 10Jul.'08))
当社は、中国・オーストラリアのO-I社の工場からの輸入を止めるために、80百万ドルの予算で3号窯(3ライン)を増設する。ワインの輸出が増加していること(特に2008年の葡萄は豊作)、ビール業界でガラスびんへの転換が進んでいることが理由である。
増設によって、2.2百万本/日の増産、35人の雇用増が見込まれる。また、従来の輸入コストの節減と、ニュージーランドのガラスリサイクリングに寄与できる。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.radionz- 4Aug.'08)
製びん企業は、コストコントロール・効率アップに努力しているが、エネルギーコストの上昇を最終消費者へ転嫁することは不可避と見ている。Vitro社(メキシコNo.1のグローバル企業)では、天然ガス価格の50%上昇に電力コストの上昇が加わって、現在の価格の維持は不可能と見ている。一方、技術革新による軽量化を目指している。2007年は30のプロジェクトによる軽量化によって、14,000トンのガラスの節減を行った。また、リサイクリングプログラムの追加によって126千トンを回収した。これらは7百万立方メーターの天然ガスの節減を可能にしたと推定される。
(Feve news Jul.Aug.'08- www.glasssonline.com- 4Jul.'08)
The Altajir glass factory社は、Dubaiにあり1996年の創業以来、湾岸地域の需要増加に対応して、2回増設・改善を行って来た。現在はリターナブル印刷びんの生産も行っている。
湾岸地域の現在の需要は30万トン/年と推定され、生産の残余は中近東や他の諸国へ輸出されている。
(Feve news Jul.Aug.'08-www.packaging-gateway.com-Jul.'08)
2008年6月、スロバキアにおいて、the International Commission on Glassの年次総会がthe 9th ESG Conferenceと共に開催された。
多くの専門家が意見の発表を行った。ガラス産業が21世紀に取組むべき主要課題を以下に要約する。
○ポリシーメーカーや、一般社会に対するコミュニケーションを改善し、ガラス製品が常に演じて来た、また未来のニーズに対して演じ続けるであろう積極的な役割を宣伝する。
○必要不可欠なすべてのガラス製品を製造するために必要な原料、化石燃料の未来の供給を危うくする地球の変化を警告する。
○研究・開発活動の効率の改善。新しい革新的なアイデアを追求するのみでなく、R&Dセンターと業界とのコミュニケーションの上に更に学界・ガラス業界・サプライヤー業界の共同体の形成を考える。
○ガラス生産において、よりエネルギーを減らしCO2排出の最小化の新しい方法を見出す。例えば、リサイクリングの増加・より熱効率のよい窯・より強いガラス(軽量化)、より高い歩留まり。