2008年03月01日

海外情報(2008年3月分)

かねてから欧州ガラスびん業界は、ガラス・バンクの設置等、他素材に先行してリサイクリングシステムを整備し、成果を挙げてきた。同時に、それをガラスびんの優位性の宣伝に利用してきた。それが現在も欧州でガラスが容器の主流を占める理由の一つになっていると考えられている。
最近もFeveはホームページで、近年10年の結果を端的に表示して、業界の挙げた成果を喧伝しているので以下に引用した。

EU 15カ国（実際はルクセンブルグを除く14カ国）状況
（単位：百万トン）
	1996年	2006年	Up & Down
ガラスびん消費量	13.3	14.7	Up 11%	↑
リサイクリング量	7.3	9.5	Up 29%	↑
廃棄量	6.0	5.2	Down 13%	↓

今回も経済成長国（ロシアとインド）における設備投資ニュースと、先進国における企業合理化ニュースが多い。

ロシア

1）サンゴバン・オーバーランド社＊　製びん工場建設
最近ベルリンにおいて、外国企業によるKrasnodar州の経済振興に関するフォーラムが開催され、12の協約が結ばれた。この協約のもとで外国企業は、260百万ユーロ（約410億円）を投資する計画がある。
その一つとして、サンゴバン・オーバーランド社の新工場建設計画が1月21日に州政府から説明された。計画予算は52百万ユーロ（約80億円）で、Timashevsk市に製びん工場を建設する。
　＊）ドイツの有数の製びん会社をサンゴバン社が買収しグループに入れた。最近ロシア進出に熱心である。
（Feve news Nov.'08- www.glassonline.com-28 Jan.'08）
2）Nefteotdacha 製びん工場建設を計画
The Nefteotdacha Research and Technological Centerは、製びん工場と珪砂処理工場の建設を計画している。場所はNizhny Novgorod州 the Ardatovsky地区で、計画は2007年12月5日の州投資委員会で承認された。
計画の内容は、年産12億本の製びん工場と年100万トンの処理能力の珪砂工場で、珪砂24万トンは自家消費に当てる。
（Feve news Nov.'08- www.glassonline.com-22 Jan.'08）

インド

1）AGI Glaspac 社　製びん工場建設
AGI Glaspacは、Hindustan Sanitaryware and Industriesのガラス部門である。
今般、3500百万インドリラ（約90億円）の予算で、Hyderabadの近くに第2番目の製びん工場を建設する。この新工場は450トン/日の能力を見込む。
（Feve news Nov.'08- www.glassonline.com-23 Jan.'08）

英国

1）Ardagh Glass Group PLC＊ 合理化投資計画
Ardagh Glassは、次の3ヵ年に欧州ガラスびん業界における競争力強化のために、450百万ユーロ（約720億円）の投資をする計画である。計画は製造拠点の合理的再配置、将来の顧客ニーズをより満足さすための事業内容の改善等を中心におく。プログラムには、ドイツ・英国・ポーランドにおける一部工場閉鎖と再開、及びオランダにおける新鋭窯の建設が含まれる。
（Feve news Nov.'08- www.ardaghglass.com-18 Jan.'08）
＊）Ardagh Glass Group PLCは、欧州製びん市場でO-I・ サンゴバンに次ぐNo.3のシェアをもつ。

カナダ

1）O-I社　1工場閉鎖
O-I社は、会社が進めているグローバルな製造拠点配置の再検討の結果、カナダのScoudouc工場を2008年3月末に閉鎖すると発表した。
閉鎖後、O-I社はカナダで4工場・米国で20工場（joint venture1を含み）を持つ。
（Feve news Jan.'08-O-I Press release 17 Jan.'08）