2008年06月01日
海外情報(2008年6月分)
ドイツ市場 需要活発
The German Glass Federation(BV Glas)(ドイツガラス協会)によれば、2007年ドイツの生産量は前年比4.1%増の4,080千トン、金額は6.8%増の1,730百万ユーロ(約2,820億円)に達した。品種別内訳は、飲料4.6%増の2,700千トン、食料2%増の1,000千トン、薬品、化粧品は7.2%増の326千トンで、構成比率はそれぞれ67%・25%・8%を占めた。
32工場すべてフル稼働で、国内向けに集中(国内向け5.4%増)、輸出は6.4%減少した。2008年には、エネルギー・カレットの高騰にもかかわらず、増設を計画している所がある様子。(生産量のトータルが3品種の合計と僅かに合わないが、その他があるのか?)
(Feve news Mar.'08- www.glasaktuell.de-7Mar.'08)
製びん各社 業績好調
1)ドイツ Gerresheimer社 拡大指向
売上高は48.1%増の957.7百万ユーロ(約1,560億円)、連結利益も前年度の8.7百万ユーロから44.3百万ユーロ(約72億円)へ著増した。当社のCEO、Herberg氏は「2007年はすべての目標を達成し、オーバーした部門も多かった。」と語った。当社が専業とする薬品やライフサイエンスのための特殊ガラス容器に対する引き続く需要増をベースに、2008年度も13~15%の売り上げ増を見込み、105~110百万ユーロの投資を計画している。なお、当社の会計年度末は11月末。
(Feve news Mar.'08-www.glassonline.com-4Mar.'09)
当社は、薬品・化粧品・ライフサイエンス向けのガラス、プラスチック製品をメーンに急激に発展した会社で、現在、欧州(ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・ベルギー他)・アメリカ(米国・メキシコ・アルゼンチン)・中国で、41工場を稼働し、従業員10,800人に達している。(Gerresheimer社 Homepageより)
2)スイス Vetropack社 記録達成
売上高は、前年比17.6%増の699.6スイスフラン(約700億円)、連結当期利益は、133%増の100.9百万ユーロ(約100億円)と記録を更新した。
(当社は、スイス本拠で中東欧地域各国に工場を展開している。)
(Feve news Mar.'08-Neue Verpackung-19Mar.'08)
3)イタリア Zignago Vetro社 好調
売上高は、前年比14.9%増の240.6百万ユーロ(約392億円)、純利益は61.6%増の24.9百万ユーロ(約40億円)を挙げた。
[当社は、textiles(繊維)、wineなどを手がけるZignago groupのガラスびん部門]
(Feve news Mar.'08-www.glassonline.com-20Mar.'09)
4)スペイン Vidrala社 予定を上回る
売上高は、前年比15.2%増の353.4百万ユーロ(約576億円)、純利益は31.8%増の38.56百万ユーロ(約63億円)に達した。
(当社は、スペインのほか、ポルトガル・イタリアにも工場を持ち、大手グループに属さない中で、スペインNO.1製びん会社)
(Feve news Mar.'08-www.glassonline.com-20Mar.'09)
リターナブル容器について
EU委員会・環境関連の責任者、Hatzi-Hull女史の考えは以下のようである。
飲料容器のReuse化についてEU全体に適用する法制化を提案することは、実現性がなく、望まない。Reuseシステムは輸送用では成功であった。しかし、主たる議論の対象は、常に飲料容器である。(飲料容器は重量ベースで容器包装の20%を占める。)Reuseは短距離輸送ではベターであるが、長距離ではone-wayがベターである。Reuseに関する状況はEUの中でも国により異なる。(下記に列記した国のそれぞれの対応を容認しているようである。)
EUメンバー各国のReuse容器に対する制度 | |
メンバー国名 | 現在適用されている制度 |
オーストリア・ベルギー・デンマーク・フィンランド・ スウェーデン |
Reuse/recycling targets (reuseとリサイクルの目標設定) |
ドイツ・ポルトガル | Reuse quotas (reuseの比率の法定) |
オーストリア・デンマーク・オランダ・スウェーデン | Mandatory deposit (強制デポジット) |
ベルギー・ドイツ・スペイン・ポルトガル | Penalty deposit (違約金付きデポジット) |
ベルギー・デンマーク・フィンランド | Reduced taxation (減税) |
ベルギー・オランダ・スペイン・ポルトガル | Planning or reporting obligations (計画または報告義務) |
デンマーク・オランダ | Voluntary agreements (自発的協約) |
(Feve news Mar.'08-European Environment & Packaging Law-7 Mar.'08)
〔以上の列記では制度の詳細はわからないが、"reuse"に対して各国政府が何らかの奨励策、少なくともその普及に関心を持っていることが判る。〕
リサイクルされた素材を使用するプラスチック容器について
EU委員会は、リサイクルされた素材を使用するプラスチック容器に対する規制を法規化する。現状は、イタリア、スペインのように禁止している国もあり統一されていない。今般決定の法制では、リサイクル処理プロセスに対して承認を受ける手続きが決められる。リサイクル業者、リサイクルされた素材を使用した容器を使用する食品業者は、The European Food Safety Authority(EFSA)に申請して許可を受けることが必要となる。
(Feve news Mar.'08-European Environment & Packaging Law-7 Mar.'08)
GPI 2008年度"Clear Choice Award"賞 受賞者発表
2008年度受賞者が、5月5日、Las Vegasのホテルで発表された。
このニュースは、受賞作品(ガラスびん入り商品)の写真がないとご興味が湧かないと思いますので、下記をクリックして、GPIのオリジナルページをご覧下さい。ここでは、その概要、特に従来と変わった点を説明します。
(http://www.gpi.org/press/awards/index2008.html)
受賞は、品種別10部門、デザイン賞1商品、昨年から追加された「Recognition for Outstanding Sustainable Practices(優れた地球に良い行動)」賞と、興味をひくのは今年初めての「Conversation Recognition」賞である。この賞は、容器を他素材からガラスびんに変えて成功した商品に与えられる。本年はRed Gold, Inc.の"Red Gold Salsa"が受賞した。(缶からガラスびんに変えて売上を伸ばした。)
また、米国でガラスびん需要の過半を占めるビールびん部門では、Miller Brewing Companyの"Miller Chill"が受賞した。中身はlight beer、びんは12オンス・ロングネック・エメラルドグリーン。Miller社の中で、この10年に最も速く売上を伸ばした商品とのこと。
米国 ガラスびん出荷状況
米国 商務省統計局より、4月実績(2、3月実績の補正を含み)が公表されたので、以下に月別出荷本数を要約した。サブプライム問題が、米国消費にも悪影響を与えることが懸念されているが、当月までの統計を見る限りではガラスびん出荷数の前年比は微減に止まっている。
米国ガラスびん業界・月別出荷本数 | |||||
単位:百万本、% | |||||
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 計 | |
2007年 | 2,824 | 2,676 | 3,076 | 3,032 | 11,608 |
2008年 | 2,864 | 2,726 | 2,893 | 2,988 | 11,471 |
'08/'07 | 101.4 | 101.9 | 94.0 | 98.6 | 98.8 |