2009年12月17日

海外情報(2009年11月分)

1. ガラスびん業界企業別情報


O-I社(世界最大のガラスびん専業企業):09年第3四半期 営業・経常利益増加へ

  09年1-6月 2009年1-9月
前年比 当年 前年 前年比
売上高      
欧州 72.7 2,192.7 2,804.3 78.2
北米 92.7 1,593.2 1717.8 92.7
南米 84.6 754.4 847.4 89.0
アジア太平洋 76.1 626.9 741.0 84.6
その他 44.0 33.4 69.2 48.3
合計 79.7 5,200.6 6,179.7 84.2
営業利益 71.7 1,152.9 1,389.3 83.0

4半期毎に、売上、利益の改善が見られる。(単位:百万ドル)

    2009年 2008年 前年比 %
売上高 1~3月 1,519.0 1,959.3 77.5
4~6月 1,807.0 2,211.8 81.7
7~9月 1,874.6 2,008.6 93.3
合計 5,200.6 6,179.7 84.2
営業利益 1~6月 704.2 982.0 71.7
7~9月 448.7 407.3 110.2
合計 1,152.9 1,389.3 83.0
経常利益 1~6月 302.0 575.7 52.5
7~9月 192.8 138.8 139.0
合計 494.8 714.5 69.3

(O-I社、web-siteより)

O-I社 社長は「経済ショック以来、環境の変化に対処する策を講じ、この1年間では初めて黒字に転じた。第3四半期の成果に喜んでいる。」と述べた。
 (Feve news Nov.'09-Packagingnews.co.uk)

Agenda Glas AG.社(ドイツ Gardelegen市):製びん新設備増設

当社は、2010年2月始動を目標に新設備を建設中である。この工場は年産95千トン、3億本の飲料・食品業界向けガラスびん生産の能力を持つ。投資額は約5千万ユーロ、新雇用は約150名である。
(Feve news Nov.'09- Glasingenieur)

Gerresheimer社:2009年度第3四半期までの業績公表
(当社の決算期は12月、従って第3四半期までは2008年12月-2009年8月)

売上高は1.7%減少した。しかし営業利益率は17.2%の高率を維持した。ユーザー業種別では、薬品は大手ユーザーで在庫縮減が続いたが、需要は安定していた。化粧品は減少した。今後について、薬品はより積極的に、化粧品も第4四半期はやや回復すると見通している。
(Feve news Nov.'09-www.packaktuell.ch and www.geresheimer. Com)

Ardaph社:2008年は利益増加、現在は生産体制調整
(当社は、アイルランド本拠・企業統合により現在は欧州でNo.3のシェアを持つ)

アイルランド新聞報道によると、当社の2008年は需要の減退はあったが、利益は前年比45%増の2億62百万ユーロを計上した。 会社は、現在減少した需要(特にビール・ワイン・スピリッツ)に対する生産体制を調整する過程にある。経営関係者は「全体としての利益の改善を考慮しつつ、欧州における生産体制を如何に構成するかが現在の戦略的計画の課題である。」と述べている。
(Feve news Nov.'09-Packagingnews.co.uk)




2. ガラスびん業界情報


米国:リサイクリング目標

 GPI(米国ガラスびん協会)会員は、2013年までにリサイクリング目標50%を設定することに同意した。U.S.EPA(米国環境保護局)のデータによると、ガラスびんリサイクル率の現状は、2006年25.3%、2007年28.1%であった。なお低率であるが伸びている。GPIでは、「50%を達成すれば省エネ量は、4万5千世帯の年間エネルギー消費量に相当する。ガラスびんの生産から廃棄までのすべての工程に関係する人々への強力な呼びかけになる。」と述べている。
(Feve news Nov.'09- Pckagingdigest.com)

欧州:LCAの誤使用警告

Feve(欧州ガラスびん連合)理事長は、「Feveでも、ガラスびんのLCAについて検討している。その中で、産業の環境関連行動を観察することに有用であることが認められた。一方、業界や企業の利益のために、同一の範囲、基準で比較することを怠っている場合がある。」と述べ、政治家や政策決定者にも警告した。
(Feve news Nov.'09- European Environmental & Packaging Law FEVE)

インド:模造薬品が製びん業界に不利益

全インドガラスびん協会は、最近の報告書で「模造品を詰めるために、使用済み空びんや他素材容器が集められている。それにより我が業界は15%の収入が減少した。」と指摘した。協会のスポークスマンは「これは我々にとって大問題であるが、解決策は見出していない。模造品を防ぐことは容器業界、薬品業界を助けることとなる。食品業界も同様である。」と述べている。
(Feve news Nov.'09-Glassonline.com)