2009年04月01日
海外情報(2009年4月分)
情報源は、FEVE News 2・3月号より。以下、業界市況と企業活動について、地域・グローバル企業別に並べた。本年初以降、減産・合理化・統合等のニュースが増えた。
1. 業界市況
ドイツ(欧州国別では最大の市場)
2008年市況は沈静化(cool)した。すべての需要分野が国内・輸出共に下降トレンドになった。薬品・化粧品市場のみがやや上昇した。年初は上昇に始まったが、11月以降特に悪化した。
(FEVE newsFeb.'09-www.euwid-verpackung.de)
2. 企業活動
O-Iグループ
(1)本社に新部門
ガラスびんの長所を宣伝し、需要先企業のマーケティング活動を支援するため新部門を開設した。ここでは、需要先が革新的な商品を開発するに際し、O-I社の技術者・デザイナーと共同作業することができ、検討期間を短縮することができる。
(FEVE newsFeb.'09-www.packagingdigest.com)
(2)哺乳びん市場に参入
ガラス容器は、プラスチックや使い捨て容器に比し安全・安心であると考え、この市場に参入した。Wal-Mart, Target Inc.等の大手小売企業との直接取引を望んでいる。
(FEVE newsFeb.'09-Glass on Line)
(3)2009年も生産体制の整理・統合を継続
投資筋に対し、2009年もグローバルに生産体制を合理化、効率化するために、更に10~15窯を止める計画であることを説明した。カリフォルニアやニュージランドも含まれる。
2008年には10窯を停止し、1,000名の減員・1億ドルのコスト節減をした。
(FEVE newsMar.'09-www.glassonline.com)
Saint-Gobainグループ
(1)Saint-Gobain Oberland AG.(ドイツ)は新窯
3月に始動する。窯・製びん機共に最新式で増産が可能となる。
(FEVE newsMar.'09-www.euwid-verpackung.de)
(2)ブラジルで投資
当社、ブラジル支店はSao Paulo州の工場に新投資をすると発表した。同工場は現在生産能力3億本/年、排ガス関連では世界の最新設備を持つと考えられている。
(FEVE news Feb.'09-www.packagingdigest.com)
(3)ロシアでも投資
Chernomorskaya Steklotara社が、年産3億本の新工場を計画している。本年8月以前に着工、来年1月完成を目指している。投資額は50百万ユーロ(約75億円) で、Saint-Gobain社も出資する。この結果、Saint-Gobain関係会社は南ロシアで10~30%の市場シェアを持つ。
(FEVE newsMar.'09-www.packagingdigest.com)
Ardagh Glassグループ
(1)ドイツ・オランダ
Obernkirchen工場では2009年末に3窯の中で最大の窯を停止し、最小100名を減員する。この窯は効率化が再検討される。2番目の窯では1 ライン増設される。近隣のBad Munder工場では、2010年に1窯を停止し、90名の減員が計画されている。Schleiden工場でも107名のレイオフが見込まれる。
プラスの面では、Germersheim工場の再開・Moerdijk工場(オランダ)の増産があり、生産量はトータルで横這いと見られている。
(FEVE newsMar.'09-www.glassglobal.com)
ロシア・ウクライナ・ベラルーシ
(1)ロシアでは設備増強計画進行中
[1] 南部地域で、2プロジェクトが進行中である。トルコのガラス大企業 Sisecamの子会社Rusjam社が、75百万ユーロ(約100億円)で年産7億本の工場建設中である。また、Aktis社が、70百万ユーロ(91 億円)で年産能力3倍の11億本にすることを計画している。
(FEVE newsMar.'09-www.packagingdigest.com)
[2] Ekran社(Novosibirsk所在)は、2008年出荷本数を前年の219百万本から299百万本へ37%伸ばした。売上高は60%増・粗利益も 58%増の462百万ロシアルーブル(約14億円)に達した。当社は2008年初に3ラインの再建窯をスタートさせた。2009年には1窯を閉鎖、代えて 茶・グリーンの2窯をの始動を計画している。
(FEVE newsMar.'09-www.packagingdigest.com)
(2)ウクライナは危機
天然ガス価格の高騰・国内経済の混乱のためガラスびん需要も低下し、この国内に3工場を稼動するVetropack社*は在庫が急増、工場閉鎖の危機にある。750人の従業員もレイオフの不安を抱えている。
(FEVE newsMar.'09-www.glassglobal.com)
市場では、2009年2月にガラスびん価格が平均25%引き上げられた。アルコール飲料価格にも影響が予想される。
(FEVE newsMar.'09-www.packagingdigest.com)
*Vetropack社:スイス本拠、中東欧の各国にわたり広く工場・ビジネスを展開している。本海外情報2008-10参照。
(3)ベラルーシ
Grodno Glassworks社は、2009年3月から750mlワインびんの製造を開始する。今までワイン業界は輸入に頼っていたが国産に切り替える。
(FEVE newsMar.'09-www.packagingdigest.com)
Flaconnage(欧州では、化粧品・薬品等用の小びんを、この名称で区分している)
(1)Gerresheimer社 好業績
2008年度(11月決算)は、記録を更新した。売上高は10.7%増の10.6億ユーロ(約1400億円)、粗利益率は前年の19.0%から19.5%へ上昇した。
2009年度もコアビジネスで6~7%の伸張を目指している。売上の75%を占める薬品・ライフサイエンス市場は成長分野に残ると見ている。
(FEVE newsMar.'09-www.verpackungsrundschau.de and www.emballagedigest.fr)
(1)LVMH社(フランス)香水・化粧品市場で成長
2008年、売上高は8%増加、営業利益は290百万ユーロ(約380億円)に達した。成長の主因は化粧品のメジャーブランドDior・GUERLAIN・ GIVENCHYから来ている。中国市場も有望視している。
(FEVE newsMar.'09-www.emballagedigest.fr)