2009年10月01日

海外情報(2009年9月分)

今回は、Feve News(欧州ガラスびん連合)が主データソースです。



1. 主要国・主要企業の動向


Saint-Gobain社

1. 2010年は2009年より良い年に

当社のchief executiveは「なお見通しは厳しい。しかし、ポジティブなサインもある。それらは消費者心理、企業家意識など主に心理面である。当社では販売の低落は続かないだろう。一方コストダウンの進行、新商品の開発からプラス面を生み出すことができよう。」と語った。
実際には、2009年第1四半期の売上は前年比17.2%減少した。
(Feve news Aug.'09-Glassonline.com)

2. 2008年配当金の約65%は株式での受領に同意される

配当金の受領の選択について、その64.8%は株式の受領に同意した。これにより当 社の自己資本は314百万ユーロ(約420億円)増加した。株主が当社グループの戦略・将来性への信頼を示したものと考えられる。
(Feve news Aug.'09-Glassonline.com)

O-I社

1. 消費者調査の実施

調査委託会社はSiegel-Gale。9カ国・2,900名以上の消費者に対し、何を評価基準に容器の選択を実施されているか、それらのウエイトについて調査された。
結果は、ワインの93.5%・ノンアルコール飲料の66%がガラスを好むと答えた。その評価の理由に次の5項目を上げている。Purity(純粋)・Safety(安全)・Quality(内容物の保全)・Versatility(デザイン等の多様性)・Recyclability.(リサイクル性)。
また、好みの商品のガラスびん入りを商品棚から見つけ難い、と指摘する者もあった。
O-I社ではこの調査結果に概ね満足している。
(Feve news Aug.'09-Ceepackaging.com)

2. 中国市場を重視

Wang氏を、中国におけるManaging directorに迎えた。前職はInternational Paper社でマーケティング・ビジネス開発・政府関係等で重要な地位にあった。
O-I社での優先業務は、中国における成長戦略(会社の買収、統合等を含む)の推進である。O-I Asia Pacific Presidentは「同氏は中国におけるビジネスの深い知識と、ビジネス開発の経験を持っている。それらは中国におけるO-I社の発展に大きな価値を持つだろう」と述べている。
(Feve news Aug.'09-interestalert.com)

Gerresheimer社

1. 2009年見通し

同社の2009年売上高については、第1四半期はほぼ前年並みであったが、第2四半期は4.3%減少。通年では+1%~-3%と見込んでいる。収益は順調で年間粗利益は18.0~18.5%と見込まれている。
薬品関係のびん・アンプルと関連システムは好調で、化粧品関系は不調であった。また、Technical Plastics部門は売却した。上記の見込みにはこの関係は含まれていない。
(Feve news Aug.'09-Ceepackaging.com)

2. 中国市場重視

既に中国市場では、5月にDanyangに新工場を始動するなど、薬品ガラス容器や関 連システムで主要企業の地位を占めている。今回の上海におけるCPhl(国際医薬品原料・中間体展)にも参加し、その各種新技術を披露する。
(Feve news July'09-Glassonline.com)

ロシアSisecam社(トルコ本拠)所有のOJSC Ruscam-Kirishi社
The EBRD(欧州復興開発銀行)と2商業銀行より協調融資を受ける

当社は、サンクトペテルブルグ近郊に所在するロシア最大の製びん工場を持つ。
国際シンジケート市場は昨秋以降休止状態にあったが、今回の融資が決定した。総額は41百万ユーロ(約55億円)の長期融資で、21百万ユーロはThe EBRDが、残は2商業銀行が当たる。
(Feve news Aug.'09-Glassonline.com)

インド

1. ガラスびん市場成長

ガラスびん市場の2008-2009年期は、前年度比12%増・450億ルピー(約900億円)に達したと見られている。(前年度は400億ルピー)(年度末は3月)
インドガラス製造業者協会(All India Glass Manufacturers' Federation)によれば、ガラスびん需要増加は主にリカー・ビール・薬品・食品・飲料業界に起因する。
(Feve news Aug.'09-Glassonline.com)

2. Piramal Glass 成長市場で、成長を目指す(Piramal Glassについては海外情報2008-12参照)

その1部門Sri Lankan Piramal Glass Ceylonは、伸長が見込まれるインド市場で、高付加価値のワインびん、変色リカーびんなどの供給者の地位を強化することを目指している。
当社は、インド・スリランカ間の自由貿易協定を利用して、輸出先の70%はインド、他は南ア・オーストラリア等である。
当社は、2008年3月期は35百万スリランカルピー(約30億円)の利益を上げたが、2009年3月期は261百万スリランカルピーの損失となった。理由は設備の拡大(250トン/日へ倍増)、カラーフィーダーの設置、原燃料の高騰等であった。当社は既にインドの主要リカーメーカーの供給社の地位にあり、世界経済危機からは大きな影響はないと言っている。
(Feve news Aug.'09-glassonline.com)

3. ソーダ灰の関税問題

インドガラス製造業者協会(All India Glass Manufacturers' Federation)は本年度の国の予算にソーダ灰関税減額の要求は考慮されていないことに不満を表明した。
現行は7.5%で、使用量の14%が輸入(その半分は中国から)である。国産品価格も輸入品と同水準が保たれている。ソーダ灰は製造コストの30%を占め、中小業者への影響が大である。
(Feve news Aug.'09-Indopia.in & www.glassglobal.com



2. EU News


デポジット・システムは良いアイデアではない

ノンリターナブル容器に関する欧州検討会の前会長Sieberger氏は次のように述べた。
「デポジットシステムのみでは、容器令の要求に応える正しい方法ではなく、 リターナブル容器を奨励することに失敗した。強制デポジットの導入は家庭ベースの回収に比し容器当たりの回収コストを3倍にした。家庭ベースの回収システムと並行して実施すれば、その効率を損なってしまう」と。
(Feve news Jul.'09-European Environment & Packaging Law)