2010年11月11日

海外情報(2010年10月分)

ガラスびん業界・企業に関するニュース


1.欧州業界 2010年は復調期待
 復調の主分野は、ワイン向け、特に南アメリカ向け輸出に期待されている。本年初からの4ヶ月間でアルゼンチン向け輸出数量は10%増加した。
 Saint-Gobain社(南米の現地法人と思われる)の役員は「2010年は10%程度の復調が見込まれる。このため、当社では6千万ドル(約50億円)を投資して新窯の建設を計画している」と述べた。一方、O-I社は2010年3月、アルゼンチンのCristalerias Rosario社を傘下に入れたが、担当役員は、アルゼンチン市場はガラスびんに対する選好度合も強く、期待の市場である。2010年には経済危機以前の成長ペース(年率6%アップ)を取り戻すだろう」と述べている。
(Fevenews Oct.-Glassonline.com)

2.Vetropack社(本拠スイス)
 2010年前半6ヶ月の売上数量は、11.1%増加した。主として輸出が寄与した。(輸出本数:2009年19.8億本、2010年22億本。輸出の割合:2009年37.0%、2010年39.9%)
 売上高はスイスフラン高の影響で僅かに(0.7%)減少した。(2009年334.0百万スイスフラン、2010年331.8百万スイスフラン)
 東西別では、西欧は増加したが、東欧はウクライナを除き停滞した。
(Fevenews Oct.-Glassonline.com)

3.Ardagh Glass社
  (アイルランド本拠。欧州市場No.3のシェアを持つ)

(1)規模拡大
 Impress' Coooperatieve U.A.社の全株式を17億ポンドで買収する契約を、大株主Doughty Hansonと締結したと公表した。この契約はEUとUSの委員会の同意を得た。
 Impress社は、グローバルな金属容器企業で、5大陸・22カ国に57工場を持ち、従業員7,500人・年商18億ポンドの規模を持つ。欧州・北米・オーストラリア市場の有力企業である。Ardagh Glassは欧州ガラスびん市場No.3。7カ国で24工場を持ち、7,500人を雇用・12億ポンドの売上規模を持つ。
 今回の買収について、当社の最高経営責任者は「この新たなグループは、グローバルな企業となり、24カ国で84工場を稼動させ14千人を雇用し、30億ポンドを超える売上規模を持つだろう。」と述べている。
(Fevenews Oct.-Impressgroup.com)

(2)スコットランド政府の支援
 Irvine工場の合理化3ヵ年計画(所要資金16百万ポンド)を支援するため政府から約2百万ポンドの支援(grant)を受けることが決まった。
 会社役員は「政府の支援を評価している。我々の計画は、効率化、排気ガスの削減、雇用の維持を目的としている。」と述べた。
(Fevenews Oct.-Packagingnews.com.uk)

4.O-I社:ブラジル市場のシェア拡大
 ブラジルのガラスびん企業Compania Industrial de Vidrosを買収した。価額は603百万ドル。将来の連邦及び州の課税減免のメリットを現在に換算した額140百万ドルが含まれる。南米最大の経済規模を持つブラジルでは、東北部が後進地域である。買収した企業は東北部に2工場を持ち1,300人を雇用している、この地域の有力企業である。その結果、O-I社のブラジルでの製造能力は50%増加する。
(Fevenews Oct.-O-I,Zacks.com)

5.オーストラリア Amcor Glass社:ビールびん供給契約
 Amcor Glass社は2002年以来、主としてワインびんを製造している。この程、ファミリー・ビール会社Coopersとビールびん供給契約を締結した。これによりAmcor Glass社は、Gawler工場の3号窯を始動する。能力は3.5億本、その中1.2億本をCoopersへ供給する。Coopers社では、この契約により"Just-in-time"で供給されるメリットがあると言っている。
 O-I 社は、1998年ACI Glassを買収した後、オーストラリア市場でビールびんを年間25億本生産している。Amcor Glassは、その15%を得る可能性を持つことになる。
(Fevenews Oct.-Glassonline.com)

6.GPI(米国ガラスびん協会):2010年度・Clear Choice Award受賞者発表
 GPIは10月初め、今年度のClear Choice Award受賞者(10商品)を発表した。
GPI websiteから"YouTube"でvideoを見ることもできる。
 発表では、通例であるが「ガラスびんデザイン分野の拡大に貢献された商品が選ばれた」とある。市場性も評価基準の一つにされている様子である。
 また、「デザイン賞」の他、9つの需要分野から1商品づつ選ばれている。その分野別は次の通りである。ビール、ワイン、食品、炭酸飲料、Non炭酸飲料、有機食品・飲料、蒸留酒、フレーバーアルコール飲料、化粧品。
(GPI発行"inside glass packaging"10月号より)