2010年03月30日

海外情報(2010年3月分)

1. EU/FEVEに関する情報


EU:模造薬品戦争に関する容器包装の役割を見る

EUは模造薬品の増加に深い関心を持っている。コミッショナーは、2010年 から、その流通経路について十分な調査をする。容器包装にバーコードを含む何らかの表示を考える。「今後防止に関する技術も開発されることが見込まれる。」と語った。
(Fevenews Jan.'10-Packaging news com.uk)

欧州委員会:"product carbon footprinting"の研究開始

(product carbon footprintingは、製品ごとにその商品化の全過程で排出したCO2 ガスの量を標記する制度。欧州の消費者団体等で導入を求めている。)
委員会は欧州もしくは世界で、carbon footprintingの方法を統一することの必要を考え検討を始めている。目的は現在先導している方法や、主体を調査することである。それらのリスク(コスト)と効用(CO2削減の効果)を比較することである。これは欧州議会の要請への対応でもある。
(Fevenews Jan.'10-Environment & Packaging Law)

包装に関する世界的な環境基準についての研究会

"包装と環境"に関する研究会がストックホルムにおいて、12月9日から11日まで開催された。中国・日本・韓国・米国と欧州11カ国の専門者代表が参加した。メンバーは、包装の環境への影響を減らすために、国際的に調和したアプローチによる標準の必要性について意見が一致した。
(Fevenews Jan.'10-Ceepackaging com.)

FEVE警告「欧州のより厳しいCO2ガス規制は、工場の国外移転をもたらす」

FEVE専務理事と環境担当役員は「欧州委員会がCO2排気に関する基準を現在より厳しくするならば、規制の無いエジプト・ブラジル・ウクライナなどへ生産設備の移転を考える企業が出て来る。 それはEUガラスびん産業の衰退をもたらすだろう。」と警告した。環境担当役員は「EU27カ国はガラスびんの世界最大の市場であり、今のところそのような動きはない。我々はコペンハーゲン会議後の動向に注目している。」と付言した。
(Fevenews Jan.'10-European Environmental & Packaging Law)

欧州委員会:プラスチック製品廃棄について検討開始

委員会担当職員は「委員会は本年度後半から検討を開始し、来年春には結果を出す予定である。我々はプラスチック製品廃棄物がどれ程環境の中にあるか、その生産から廃棄までをLCAの手法で検討する。"Plastic Soup"(海洋に浮遊するプラスチック)問題が欧州議会に対してオランダ代表から提起されたが、それだけが主題ではない。」と語った。
(Fevenews Jan.'10-European Environmental & Packaging Law)

欧州委員会:ドイツ政府の提案を受理せず

ドイツ政府は、飲料容器を多数回使用するものと1回限り使用するものとを、区別するラベルを添付する制度の導入を提議したが、欧州委員会によって差し止められた。
これは、多数回使用する容器の使用の減少を止めることが目的であったが、オーストリア・スペイン・ハンガリーと委員会自体が反対した。 
(Fevenews Jan.'10-www.euwid -recycling.de)




2. ガラスびん業界に関するニュース


O-I社

(1)中国市場 重視を示す
当社は天津でびん型工場を建設した。担当役員は、「天津のびん型製造工場は、 中国市場における我々のビジネスをより強固にすることに貢献するだろう。世界におけるガラスびん業界リーダーの地位の維持には、中国に於いて同様の地位を確保できるかにかかっている。」と述べた。
(Fevenews Jan.'10-Packagingnews.co.uk)

(2)イタリア飲料水会社のためにプレミアムイメージびんを設計・供給
このびんは、500ml・750ml・1000mlの3種類で、最近"the Beverage Innovation Award"にノミネートされた。
(Fevenews Jan.'10-Euwid Verpackung)

Vitro社 Anchor Glass Container社の売却を計画

Vitro社は、業績不振の米国にある子会社Anchor Glass Container社の売却を表明した。既に数社と交渉を開始している。
経済評論者は「この売却により、Vitro社はメキシコに於けるガラスびん・化学薬品・プラスチック・アルミ・家具などの利益のでるコア事業に集中できる」と評価している。
当社は1990年代初期にAnchor社を買い取り、世界No.3のガラスびん会社となった。しかし、米国市場の収縮と共にシェアを失い、当社の業績悪化の原因になっていた。
(Fevenews Jan.'10-NY Times.com)

英国 Quinn Glass社で窯漏れ事故

(当社は英国市場への新加入製びん会社で、公害対策不備で既存の業界会社から訴えられるなどの問題を起こす一方、壜詰工場を併設しバルク輸入されたワインの壜詰を請負うなど注目されている面も持っている。)
北アイルランド、Derrylin工場で12月5日窯漏れ事故があり、400トンの溶融したガラスが流失し、30台の消防車、126人の消防士が出動。消火に11時間を要した。工場長は「378名の従業員に事故は無く、2号窯は影響を受けず、事故窯も2週間でフル生産に復帰できる。」と述べた。
(Fevenews Jan.'10-Packagingnews.co.uk)

Feve  ガラスびんリサイクル2008年新記録達成を表明

(2008年欧州国別リサイクル実績数字は1月にFeveから公表され、海外情報前号に掲載済み。今回はその成果を強調する付属説明である。)
2008年、欧州の消費者は255億本の空びんを"Bottle Bank"に投入したと推定される。EU27カ国の平均リサイクル率は65%と推定される。回収量は11.5百万トンに達した。多くのEU国は、the EU Packaging and Packaging Waste Directiveが決めた目標60%を超えた。
EU15カ国を例にとれば、この10年間にガラスびん消費は8%増加する一方、埋め立て等へ回った量は26%減少した。逆のトレンドを示している。
我々の今後の目標は、このリサイクルの高率を更に高めることであり、同時にリサイクルされるガラスの品質の向上である。
(Fevenews Jan.'10-Source FEVE)