2010年09月30日
海外情報(2010年9月分)
Ⅰ. FEVE(欧州ガラスびん協会)2009年加盟国生産統計公表
欧州経済特に消費の減少を反映した結果になっている。
FEVE( The European Container Glass Federation)加盟国生産状況 (2009年)
2006年 | 2007年 | 07/06 | 2008年 | 08/07 | 2009年 | 09/08 | |
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千トン | 千トン | ±% | 千トン | ±% | 千トン | ±% | |
ドイツ | 3,886 | 4,080 | +5.0 | 4,142 | +1.5 | 3,779 | -8.7 |
フランス | 3,828 | 3,744 | -2.2 | 3,573 | -4.6 | 3,154 | -11.7 |
イタリア | 3,549 | 3,621 | +2.1 | 3,674 | +1.5 | 3,334 | -9.3 |
イギリス | 2,160 | 2,244 | + 3.9 | 2,162 | -3.7 | 2,116 | -2.1 |
スペイン | 2,148 | 2,222 | + 3.5 | 2,146 | -3.4 | 1,928 | -10.2 |
ポルトガル | 1,096 | 1,231 | +12.4 | 1,252 | +1.7 | 1,288 | + 2.9 |
ポーランド | 1,120 | 1,230 | +9.9 | 1,230 | 0.0 | 792 | -35.6 |
トルコ | 597 | 705 | +18.1 | 768 | +9.0 | 613 | -20.2 |
その他 ① | 2,006 | 2,149 | +7.1 | 2,113 | -1.6 | 1,920 | -9.1 |
その他 ② | 1,149 | 1,203 | +4.7 | 1,206 | 0.3 | 1,077 | -10.7 |
合計 | 21,539 | 22,429 | +4.1 | 22,266 | -0.7 | 20,001 | -10.2 |
参考: 日本(出荷) |
1,312 | 1,274 | -2.9 | 1,247 | -2.1 | 1,205 | -3.4 |
注1)「その他①」北中欧国:オーストリア、ベルギー、デンマーク、エストニア、フィンランド、スウェーデン、スイス、オランダ
注2)「その他②」南東欧国:ブルガリア、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、ルーマニア、スロバキア ※ 07年10月30日FEVE委員会によって機密保持のため、集約公表が決定された。
(製びん会社数が1、もしくは極めて少数)
(Feve ホームページより)
Ⅱ. ドイツガラスびん業界の2009年
2009年はドイツ経済にとって苦難の年であった。ガラスびん業界も不振であった。出荷量は、前年比7.3%減少した。
業界のある会社社長は「これでも、ガラス産業の他の分野に比して我々が受けた打撃は少なかった。」と述べている。
業界では、2010年はやや明るい展望を持っている。
(Fevenews Sep.-Beveragemanager.net)
Ⅲ. O-I社
1.2010年第2四半期 減益
本海外情報2010-7でO-I社の第1四半期は、好業績(売上高6%増、純益89%増)であったと報じた。しかし第2四半期は、不振であった。売上高(180億ドル⇒170億ドル)利益(149百万ドル⇒141百万ドル)共に減少した。
会社は、減収・減益の理由に、為替相場の不利(ユーロ・ベネズエラ通貨安)を上げている。また、中国・南米では需要が伸びているが、北米・欧州では弱いと説明している。会長Stroucken氏は「中国での工場取得、新たに設立したjoint ventureによるマレーシア・ベトナムへの進出を通して急成長が期待できるアジア市場での地位を拡大できた。」と述べた。
(Fevenews Sep.-Americanchronicle.com)
2.工場閉鎖のニュース
ペンシルベニア州Clarion工場が7月に閉鎖され420名の従業員が影響を受ける。会社のスポークスマンは「会社の構造改革戦略の一環としての決定である。2007年以降、多くの工場閉鎖や窯の停止が行われて来た」と述べた。会社によればClarion工場はインフラの陳腐化のため高コストの工場である。しかし、所在する郡(county)最大の製造工場であり、大学、病院に次ぐ3番目の雇用者である。住民も従業員もcountyの財政への影響を憂慮している。
(Fevenews Sep.-Glassonline.com)
Ⅳ. イタリア中南部地域にカレット処理会社設立
社名はVetreco S.r.l.。出資者はSaint Gobain、Ardagh、Tignago Vetroの3社で、
イタリア中南部に工場を建設、18ヶ月以内に始動することを目指す。
イタリア中南部でも空きびんの回収量は増加し、製びん工場でのカレット需要も増えたが、適切な処理工場が無いため北イタリアまで運搬されているのが現状である。
イタリアでは、政府・業界の方針から、カレット回収率は急上昇している。2009年の回収量は1.8百万トン、回収率は65.9%に達している。
(Fevenews Sep.-Press Release Vetreco)
Ⅴ. Vitro社 債務削減、再建計画
(訳者注:当社は、メキシコ本拠。米国を主市場とする総合ガラス企業で、最近は経営不振に陥っていた。)
債務削減の同意を得るため関係先と鋭意交渉を行っている。
ハリケーンAlex襲来によるメキシコNuevo Leon州のインフラ関連の被害が大きく、フロートガラス設備などが停止した。ガラスびん工場は被害を免れた。
(Fevenews Sep.-Glassonline.com)