2011年11月16日

海外情報(2011年11月)

1.米国 : GPI 2011年"Clear Choice Award"公表

 7月初旬を締切日として、応募された1年間のガラスびん入り新製品を審査し、9月(リサイクル月間)に公表される。
 今年度は10製品が選ばれ発表された。審査基準は、ガラスびんのフロンティアを拡大したと説明されている。
 対象は内容物の品種別に選ばれるが、注目を引く区分は、有機食品・飲料、フレーバーアルコール飲料と、Conversion Recognition賞(他素材からガラスびんに代えて成功した製品)である。
 この賞の審査には、単にデザインだけでなく、マーケティング指向も重視されている様子である。
(FEVE News Oct.'11-Source: GPI org)

受賞製品は、こちらから

2.スペイン : Vidrala社 好業績

 当社の2010年の好業績については前月で報じた。今回はその背景等についての記事である。
 当社は、2003年以降、国外への事業展開を行って来た。ポルトガル・イタリア・ベルギーで工場を買収した。売上げに占めるスペインのシェアは、10年前の90%から50%に低下した。現在は4カ国で6工場を稼動し、生産規模は35億本/年。
 グローバル企業を含む1,500の顧客と取引している。本年も、ドイツ・フランス・ベネルクスの3国の需要増が見込まれるが、利益面は原燃料のコスト増のため、厳しさが予測される。 
 当社ではキャッシュフローを重視し、2010年借入金を15%減らした。借入金は自己資本の70%以下となった。
(FEVE News Oct.'11-Source: Expansion.com)


3.ポルトガル : BA Vidro社 ポーランド WARTA GLASSを支配下に

 BA Vidro社は、ポルトガル本拠。3工場(ポルトガル2.スペイン1)で11窯を稼動、1,460人を雇用、年産100万トンの能力を持つ。イベリア半島での市場シェアは24%。
 この度、ポーランドのWARTA GLASS GROUPの株式の80%を持つ契約を締結した。20%はオーナーであったWojciech Pawlowski氏は留保し、監視委員会(Supervisory Board)の長(Chairman)に止まる。
 WARTA GLASSは、ポーランドで2工場・4窯を稼動し、650人を雇用、年産能力28万トン。スピリッツで48%・広口食料びんで24%のシェアを持つ。
 BA Vidro社は、東欧への拡大の機会を持った。その市場は、BA Vidro社が、過去10年間に経験した成長率と同じポテンシャルを持つと考えられている。
(FEVE News Oct.'11-Source: Press Release BA Vidro)


4.トルコ : Anadolu Cam社 国内ガラスびん売上げ2011・2012年も成長予測

 当社のガラスびん部門は、Sisecamと呼ばれるが、国内市場での売上げは2011年6.5%、2012年6.9%の成長を予測している。このため、国内2工場の拡張を計画している。 
 事業を大きく展開しているロシア市場では、反アルコールキャンペーンと関連する法規制が、ビールびん売上げへの影響が懸念されるが、一方、PET入りビールの禁止がプラスの効果をもたらすだろう。ガラスびんの17%の値上げにより、2011年の粗利益増加が期待される。
 当社は、ロシアにおけるビールびんの減少があっても、粗利益は中期的に25%確保することを期待している。
(FEVE News Oct.'11-Source: bne)


5.南米・ベネズエラ : O-I社 ベネズエラ子会社の国家による収容に仲裁裁判を求める

 ベネズエラ、チャベス大統領は、昨年10月、O-I社の同地の子会社(2工場)を収容、国有化する決定をした。この決定に対し、O-I社は、世界銀行の関係法人、投資紛争を裁定する国際機関に対し仲裁裁判を申し入れた。
 この2工場は、現地で1,000人を雇用し、グローバル会社を含む現地需要に対応してきた。ベネズエラ政府は、この件に関しコメントをしていない。
(FEVE News Oct.'11-Source:Rdmag.com)


6.欧州委員会 EU全域のガラスびんデポジット制度導入を否定

 アイルランド選出の欧州議会議員、Higgins氏が、欧州委員会に対し、EU全域において標記システムの導入について公式質問を行った。(ベルギーで実施されている)
 これに対し、EU環境コミッショナーが委員会に代わって次のように応えた。「委員会はデポジットシステムが、飲料容器の回収率を上げる有力な手段であることを知っている。しかし、幾つかの国では、デポジット法なしでも高い回収率を上げている。現時点で委員会はEUデポジット法の導入は考えていない。一方で、この問題について金属缶を含め、パイロットプロジェクトで検討している。結果は、2011年末に公表されるだろう。」
(FEVE News Oct.'11-Source: European Parliament/FEVE)


7.フランス : ガラスびん市況

 以下は、フランスのガラス協会によるガラスびん市況の説明である。
 業界は、2009年のスランプから、2010年は一息ついた。売上げ・生産量は前年比1.7%増加し、2,385百万ユーロ、3,432千トンとなった。雇用者数は減少が続き14,140人に、稼動工場数は22工場と不変であった。
(FEVE News Oct.'11-Source: Euwid-packaging.com)
(訳者注:生産量はFEVEのホームページから引用し、海外情報2011-7月号に掲載した数値と若干異なる。)