2011年02月23日
海外情報(2011年2月分)
ガラスびん業界・企業に関するニュース
1.O-I社 牛乳びんに関する消費者調査公表
調査はオーストラリアで行われた。O-I社の依頼により、lipsos Australia社が実施した。
調査の結果は、普通牛乳飲用者の50%、フレーバー牛乳(コーヒーやフルーツ等)の51%の人が、ガラスびん入りが良いと答えた。また、普通牛乳飲用者の42%、フレーバー牛乳の28%が、他素材容器と比べ、ガラスびん入りは味が良いと答えた。
O-I社は調査により「牛乳飲用者の考えが判った。ガラスびん入り牛乳の消費は現在限られているが、復活の糸口を見出すことができた」と考えている。
(Fevenews Feb.-Foodprocessing.com.au)
2.Saint-Gobainグループ
(1)Verallia North America(グループのガラスびん部門) ECO シリーズ・ワインびん成功
このガラスびんは2年前、"ECO series TM bottle"と命名して発売されたが、市場において好評で既に3億本を出荷した。責任者は、ワイン産業は環境意識が高く、このように命名したガラスびんを歓迎してくれたと述べている。
カリフォルニアの或るワイナリーの標語は"Go Green, Drink Red"(環境を考え、赤ワインを飲みましょう)である。
(Fevenews Feb.-Winebusiness.com)
(2)新商標"varallia"でガラスびん部門を伸ばせ
"varallia"は、2010年4月に決めたガラスびんの新商標である。
経営トップは、マーケット部門の担当役員に対し「この新しいブランドを有効に活用し持続可能な容器であること、そしてしっかりした倫理を持つ企業であることを強調してビジネスの拡大を図れ」と命じた。
(Fevenews Feb.-IndustryEurope.net)
(3)ガラスびん部門の公開売却を準備との情報
Reuters紙によると、同社のスポークスマンは、第2四半期を考えていると述べたと伝えた。しかし、ファンド5社が購入に興味を持っているとのLa Tribune紙の報道に対するコメントは拒否した。
(Fevenews Feb.-CNBC)
3.Vetropack社 ファミリー企業存続の秘訣
「初代が創設し、2代目、3代目と減退して行く」という有名なフレーズは、今年100周年を迎えるVetropack社*には当てはまらない。今では4代目によって経営されている。この有名な会社が同じファミリーによって経営されてきた秘訣は何か?
この年月の中では経済危機もあり、短期の利益を優先すべきとの意見も寄せられた筈であろう。その中で如何にしてファミリーによる経営を継続してきたのだろうか。
コンサルタント会社によると、スイスは中小企業の多い国であり、5年以内に7万7千社が世代交代を迎えるであろう。また、10~15%が3世代を超えて継続し、3~5%が4世代後も継続している。理想的な状況は相続人が1人の場合、もしくは1人の子が企業を制御しているケースである。
しかし、親が難しい選択を迫られることが多い。ファミリー企業を研究する教授は、このようなケースでは、決定に感情が混じるのを避け、第3者の関与を勧めている。
*Vetropack社:スイス本拠。中東欧に工場、事業を展開している。2009年の売上高は671百万スイスフラン(約590億円)
(Fevenews Feb.-Archives.24heures.ch(Translated from French)
4.湾岸地域 中近東・北アフリカ(Maghreb)はガラスびん産業の有望地域
Egyptian Glass Worksは中近東・アフリカのガラス産業への投資のプラットホームになっている。Misr Glass Manufacturing S,A.E.(MGM)社株の35%、エジプトのfloat glass製造会社Sphinx Glass社の51%を持っている。
MGM社は、湾岸地域のリーダー格の製びん会社で、54.5百万ドル(約45億円)を投じて技術の向上、能力の拡大を実施してきた。現在、新工場(年産11万トン)の建設計画を進めている。第1期は2011年、第2期は2012年の完成を目指している。これらの計画は、現在の供給不足を緩和すると共に、この地域の競争を激化するであろう。
"Gulf Glass 2011展"のマネージャーは「中近東・北アフリカは、ガラスびん産業にとって、グローバル戦略の重要地域の一つである」と語った。
(Fevenews Feb.-Glassonline.com)
5.インド HNG社 中近東・北アフリカ地域を拡大目標に
HNG(Hindusthan National Glass & Industries)は、インド最大の製びん会社である。
当社の副会長は次のように語っている。「今後3年間に、会社(工場)の買収を含め250億インドルピー(約500億円)の投資を考えている。買収については、東欧・中近東・北アフリカの会社(工場)を目標に50億インドルピー(約100億円)を目途に考えている。
会社は現在、2,875トン/日(推定約90万トン/年)の製造能力を持つが、今後4年半後には6,000トン/日まで増やしたい。また、拡張計画の一部として、Emhart社、Horn Glass社(ドイツ)との種々の設備購入のため、25億インドルピーの契約を交わした。これら設備の購入は当社の製造能力倍増計画の促進剤となるだろう。」
(Fevenews Feb.-Glassonline.com)