2011年05月25日

海外情報(2011年5月)

 今回のデータソースは、GPI(米国ガラスびん協会)から送付される、月刊"inside glass packaging"最新号からである。

1.2011年9月を"Recycle Glass Month"に指定する。
 この月間、GPIと会員会社は消費者に対し、リサイクルの重要性を広報し活動の活性化を図る。
また、2011"Clear Choice Award"(新発売の優れたガラスびん入り製品を表彰する)の受賞者の発表もこの月間に行う。

 業界は2013年までに、リサイクルされたカレットの使用率50%を目的にしている。そのためには、リサイクル量を増やすことが前提となっている。
 2010年は"Recycle Week"を設定し、20州で55のイベントを実施したが、収集したカレットは22トンであった。
 2011年は、"Recycle Glass Month"とし、それに先立ってコンテストやイベントの他に、新しい企画も公表する予定である。

2.President交代
 Mr.Cattaneoが退任し、Ms Lynn Braggが就任した。
 新Presidentは、政府や業界団体などの要職を歴任してこられた。
 「会員会社と共に、ガラスびんの良さを、需要業界や消費者に知ってもらうように努力したい」と述べられている。

3.Indiana州上院議員R.Lugar氏に2011"Friend of Glass Award"を贈呈
 この賞は、地域もしくは連邦において、ガラスびん産業及びリサイクル促進に貢献された政治家・団体等に進呈される。
 Lugar氏は、Indiana州及び全国的にその活動をされた。
 Indiana州は、ガラスびん製造量とリサイクル量共に3番目の州である。

4.Verallia社:親会社のSaint Gobain社と共に米国環境保護局(EPA)より
 2011 ENERGY STAR Sustained Award(省エネ環境保全賞)を3年連続で受賞。

 EPAの高官の一人は、Saint Gobainグループの環境技術(省エネ・排気ガス抑制)は高いと評価している。

5.Beverage Sales Report:米国市場でワイン・スピリッツの消費増を報道
 最近、Beverage Information グループより出された"Handbook Advance 2011"は、次のように報じている。米国市場では、ビールからワインへと、蒸留酒の方にシェアが移行している。
 アナリストは、経済状況がリセッション以前の状況に戻りつつあることが理由となっていると説明している。2010年、蒸留酒の出荷は2.1%増加し192.7百万ケースに、ワインも1.7%増加したが、ビールは1.9%減少し28.3億ケースとなった。唯一craft beerのみが増加した。

7.ワイン容器は依然ガラスびんシェアが極めて高い
 "Wines & Vines"誌3月号は、「2010年ワイン容器に占めるガラスびん(187ml~4L)は82.8%と極めて高いシェアを維持している。O-I、Verallia/Saint-Gobainをはじめ、製びん会社は軽量化に成果を挙げている。」と報じた。

8.リサイクル容器に添付するラベルの統一・標準化
  Recycle Across America(RAA)は、公共の場所にリサイクルポストを設置し、そこに添付するラベルの標準化を進めようとしている。目的は消費者の混乱を防ぎ、異物の混入を防ぐことにある。
 RAAの目的は、オフィスビル・学校・協会・公園・その他市民に便宜な場所に、リサイクルポストを設置することである。ミネソタ州ミネアポリスにおける実験(統一ラベルを添付したポストの設置)では、47%リサイクル量が増加した。
 RAAはオンラインビデオで、現況は、ラベルが不統一で消費者を混乱させ、その結果分別が徹底せずリサイクルの全工程に影響し、困難を来たしている現状を訴えている。
 RAAは、学校などがこの統一ラベルを付したリサイクルポストを導入することに、EPA(連邦環境保護局)の補助金を得ることを目標にしている。

9.レストラン・バー拠点のリサイクルネットワーク開始
 オハイオ州Marton郡(人口66千人)で、市民が主導して"Glass Act"と名付けたプログラムを発足させた。
 当面、参加の40のレストラン・バーから、混色のガラスびん3トン/週を集め、処理業者を経由してグラスファイバー会社や製びん会社に納めることにしている。
 屋内に設置する回収ポストは、公的な支援も得て購入している。主導者は、この運動が郡全体に広がることを目標にしている。
(訳者注:米国には日本の容器包装リサイクル法のような法規も、西欧に見られる色別のボトルバンクに消費者が投入する慣習も無いために、リサイクル推進に苦労している様子である。)

10.世界のガラスびん需要 2015年には360億ドル(約2兆9千億円)へ
 最近のレポート「A Global Strategic Business Report」は次のように報じている。
 世界のガラスびん需要は、2015年には360億ドルを越えると予測される。高品質の食品・飲料のための容器として、また他素材容器に対する環境懸念もあって、存続し続けるだろう。特に、新興国(アジア太平洋・アフリカ・中近東・ラテンアメリカ)での個人所得の向上が成長に大きく寄与するだろう。
(訳者注:GPIの"inside glass Packaging"には、各情報の原典は明記されていない場合がある。)