2012年10月22日
海外情報(2012年10月分)
1.欧州の状況について
(1) Ardaph Group アイルランドの新工場計画
当社は2002年、アイルランドの工場を閉鎖。敷地を売却し、同国では製びん工場なしの状況が続いていた。本年初、経営陣は工場建設を考慮していることを公表した。
(FEVE News Sep’12-Source:Glassonweb.com)
(2) Hindusthan National Glass & Industries社 ドイツの子会社へ投資
当社はインド最大の製びん会社。2011年ドイツの製びん会社Agenda Glassを40百万ユーロで買収し、HNG Globalと改名した。本会計年度は、その子会社の黒字化を計るため、12百万ユーロを追加投資した。その結果、歩留率は60%から76%まで改善し、目標を90%に置いた。また物流費削減のため、倉庫の賃借りを止め、近接地に自社倉庫を建設した。
現在の設備は、1窯であるが、会社の黒字化の後は、55百万ユーロの予算で1窯増設を考えている。
(FEVE News Sep’12-Source:Thehindubusinessline.com)
(3) O-I社 ドイツで減産
ドイツにおける需要減に対応するため、Achern工場の従業員248名の中70名解雇の予定を提案した。また、4号窯の一時停止も考えている模様である。
(FEVE News Sep’12-Source:Insideb.de)
(4) Saint-Gobain Oberland社 2012年前半 売上好調
当社の前半の売上高は、前年同期比4.6%増の258.2百万ユーロを達成した。地域別の内訳は、ドイツ4.2%増、ロシア15.2%増、ウクライナ10.5%減となった。東欧の市場状況はなお、捕らえ難い。
一方、利益は前年同期を下回った。主因は、エネルギー・原材料の価格高騰にある。
年間の売上高はthe Annual Reportで報じたとおり、2桁に近い成長率を目指している。
(FEVE News Sep’12-Source: Saint-Gobain Oberland Press Release)
(5) ポルトガル 担当局 3社投資計画承認
3社は、Santos Barosa・Dourosa・Royal Obidos。Santos BarosaのみFeve会員。他は中小製びん会社と思われる。
併せた投資額は100.3百万ユーロ。230名の雇用増が見込まれる。Santos Barosa社では新窯増設・最新技術の導入が図られている。
(FEVE News Sep’12-Source:Dinheirovivo.pt)
2.USAの状況について
(1) Ardah社 Anchor Glass社買収
対価は721百万ドル。Anchor Glass社は、本社はFlorida州。北米の食品・飲料メーカーにガラスびんを供給している。企業規模は、年間生産本数56億本・売上高656百万ドル・雇用数2700人。
<訳者注:海外情報2012-9月分ラテンアメリカ特集で、メキシコ本拠のVitro社の記事に、「1989年、Anchor社を9億ドルで買収したが、その業績が振るわないため、1997年Owens Brockway Container社へ393百万ドルで売却した。」とあった。(今回を併せ売買金額の差が余りにも大きいことに疑念を禁じえない)>
(FEVE News Sep’12-Source: Independent.ie)
(2) O-I社の状況
当社の第2四半期(4~6月)の売上高は、17.7億ドル(前年比-10%)。利益は134百万ドル(前年比+89%)であった。売上減の原因の40%は経済情勢、40%は他素材との競合、20%は生産調整である。南欧では、経済情勢の悪化からスペインで1窯休止など生産調整を余儀なくされ、またワインなどが小ロット化し中小製びん会社へ流れた。一方、中欧で前進を図りたいと考えている。
増益の原因は、前年、北米に於いて物流効率を上げるため、生産・倉庫などの配置の調整を実施したことなどが貢献した。
また会長は「注目市場はブラジルである。そこでのガラスびんの需要増大に期待している」と述べている。
(FEVE News Sep’12-Source: Foodproductiondaily. Com)
当社は、オーストラリアにおいて事業の縮小を強いられた。地域のビール・ワイン市場の縮小が、主因である。現地新聞の報道によると、第2四半期のアジア太平洋地域における出荷量は、6%減少した。O-I社会長によると、オーストラリアにおける人員削減と過剰設備のシャットダウンで、地域の収益は改善されたとのこと。
(FEVE News Sep’12-Source:Winebiz.com.au)
3.Flaconnage(小びん)市場について
(1) Gerresheimer 社 第2四半期情況
当社の逞しい成長は2012年第2四半期も続いた。売上高は314百万ユーロ(前年同期比10.3%増加・為替調整後では8.1%)を計上した。この増加には、新興国市場では通常のガラス・プラスチックの薬品容器、先進国市場では薬品(錠剤・液体)の容器詰、投与のシステムに関連する商品が貢献した。今後の見通しについて、地域別では南アメリカが注目市場である。
(FEVE News Sep’12-Source: Gerresheimer Press Release)