2012年03月19日

海外情報(2012年3月分)

1.O-I社 2011年決算発表

 当社は2012年1月26日、そのwebsiteで2011年の決算を公表した。
(訳者注:財務諸表とその内容の説明も公表されているが、方式が日本とは異なり解釈が正確にできないため、最初に掲載されている説明文「Full year 2011」の要点を翻訳した)
 2011年の売上高は74億ドル(前年実績66億ドル比12%増加)。出荷トン数は5%強増加した(トン数については数値の標記はない)。トン数増加は全ての地域で見られたが、この中、4%は2010年に完了した企業買収に負うものである。また、売上高の増加は、値上げと為替相場のドル安が寄与した。
 営業利益は、894百万ドル(前年実績964百万ドル比7.3%減)。前述のように売値・為替相場は有利となったが、製造・物流コストの上昇がその効果を減殺し減益となった。
 北米に於いては、(物流コスト改善を目的に)地域間の需給バランス調整のため2窯を再稼動したが、一方で在庫量は増加した。オーストラリアでは、オーストラリアドル高の影響もあって、ワイン・ビールびんの需要が不振となり、2011年半ばに1窯を休止したが、2012年初めに更に1窯休止の計画である。
 Stroucken会長は「2011年は債務の削減に努め、キャッシュフロウを改善し得た。2010年の企業買収は効果を発揮しつつある。しかし、コストインフレと、業務運営の欠陥が利益を減らした。今後は、業務運営の改善と、インフレの克服のため価格のアップにも努める。」と述べた。
(Source: O-I社 website)

2.O-I オーストラリアの情況

 オーストラリアでは、ビール・ワインの消費不振の情況が続いている。特にビールでは、一人当たりの消費量が、最近60年間で最低に陥っている。また、ワインでは、オーストラリアドルの高騰と、米国・英国向けのバルク輸出の増加のため、びん入りワインの輸出量が減少している。
 このような情況に対応して、O-I社はメルボルン工場の3窯の中、1窯を3月末に休止する。アデレード・シドニー・ブリスベーン工場は変わらず、トータル10窯の稼動となる。
(FEVE News Feb.'12-Source: Theshout.com.au)

3.British Glass(英国ガラス工業会) ガラスからプラスチックへの転換に反論提示

(訳者注:British Glassは容器のみでなくガラス業界全般に関る世界的に有名な協会)
 当協会は、「ガラスからプラスチックへの転換がCO2排出量をカットする」との説明にクレームを提示した。協会の容器関係の責任者は、「単に容器の重量の比較に止まらず、原料の採取から廃棄までの全工程を併せて検討すべきである。」と主張した。
 問題としたのは、ジャムやスプレッド製造の有力企業Duerr社が、peanut butterのPET 容器詰めの新工場建設に10万ポンドを投資するニュースを、the Manchester Evening Newsに提供した際、「この工場はCO2排気ガス削減に貢献する。」と説明したことに対する反論である。
(FEVE News Feb.'12-Source: Packagingnews.co.uk)

4.アフリカ Zimglass社 ガラスびん窯を再稼動

(訳者注:ジンバブエ共和国は、南アフリカ共和国の北辺に隣接する共和国。人口12百万人、面積日本とほぼ同じ。政治、経済共に極めて不安定な現状)
 正式社名はZimbabwe Glass Industries。昨年9月工場が閉鎖され、正規従業員472名、期間従業員100名が置き去りになっていた。当社のmanaging directorによると、親会社が7百万米ドルの融資を受けることになり、4月に再稼動できる見通しとなった。しかし、重要得意先を回復できるか問題があるとのこと。
(FEVE News Feb.'12-Source:Glassonline.com)

5.Primal Glass Ceylon社 好調

(訳者注:Ceylon島は、英領より独立し、現在はスリランカ民主社会主義共和国。東北部少数民族との内戦に苦しんだが、2009年5月停戦。現在、政治・経済安定してきている。人口2千万人、面積北海道の0.8倍、2010年の経済成長率8%。我が国企業の進出もあり関係が深まっている。通貨1ルピーは0.7円-websiteより要約)
 当社は食品・飲料・薬品・化粧品の特殊なガラスびん製造を行っている。現会計年度(2011/2012)の業績は好調で、利益は、第3四半期までで、前年度の実績を上回った。2011年12月までの第3四半期は、特に好調で売上高は前年同期比18%増加となった。国内輸出共に増加した。
(FEVE News Feb.'12-Source:Iland.lk)