2012年04月18日

海外情報(2012年4月分)

1.Verallia 2011年の業績公表

 当社は、Saint-Gobainのガラスびん部門である。Saint-Gobainは2月に2011年の業績をPressに公表した。表題は"Sharp rise in 2011 earnings"と記されていた。2011年の売上高は42,116百万ユーロ(前年比+5.2%)、粗利益(償却・税前利益)4,952百万ユーロ(前年比+6.4%)、純利益1,284百万ユーロ(前年比+13.7%)の巨大グループである。
 その中でガラスびん部門(Veralliaと名付けられている)の業績を抽出した。
売上高3,628百万ユーロ(前年比+3.0%)、粗利益(償却・税前利益)は685百万ユーロ(前年比+2.4%)であった。 売上高の増加は、売値の上昇(+2.7%)が寄与した。数量は特に第4四半期、欧州と南米が寄与した。
(Saint -Gobain Press Release)
〔訳者注:① Veralliaは、母国のフランスを始め欧州・北米・南米に事業を展開する。世界のガラスびん業界では、O-I社に次ぐ企業である。O-I社はガラスびん集中で、2011年の売上高は74億ドル)
② Saint-Gobain groupはホームページのprofileによると、歴史は17世紀、ベネチアと競って鏡などのガラスを製造したことに始まる。その後、ガラスびん・板ガラスから、技術開発・企業買収などにより、事業分野を拡大。2011年全売上高に占める比率は、ガラスびん8.6%、板ガラス13.0%である〕

2.Vetropack社 2011年増益

 当社は3月28日、2011年の業績を公表した。
 その概要は以下の通り。売上高587.4百万スイスフラン(前年比-8.3%)、純利益59.0百万スイスフラン(前年比+52%)。
 スイスフランの為替相場の高騰が売上減になった。増益については、高付加価値製品に集中したこと、市場の要請に応えるため在庫水準を上げたと説明されている。
 生産・出荷量については、生産1,246千トン(前年比+2.8%)、出荷4,170百万本(前年比-4.4%)。
(Vetropack Press Release)

 また、当社はウクライナ、キエフのGostomel Glass Factory社の75%の株式を買収したことを公表した。この会社はウクライナの業界を代表する企業の一つであり、従業員数は900人、年産175千トン・545百万本である。その2/3はビール、他はウオッカと成長著しい清涼飲料水びんで、国内市場に出荷されている。

 この買収は、当社の中・東欧への拡張政策の一環をなすものと考えられる。この政策は、90年代初め、チェコ・スロバキア・クロアチアでの企業買収から始まった。(当社の本拠はスイス)
(FEVE News Feb.'12-Source:Packaging-gateway.com)
〔訳者注:当社は昨年創業100周年を迎えた。今も一族4世代に亘り、このグループの経営を担っている。創業者は、珪砂会社と共に製びん会社を設立したが、砂の上には建てなかった。-FEVE News June'11〕

3.O-I社 ベトナムに合弁で新工場スタート

 O-I社は、Berli Jucker Public Company(BJC)*、Saigon Beer Alcohol Beverage Company(SABECO)と合弁で、ベトナムで新工場をスタートさせた。
 新工場の投資額は47百万ドル。年産75千トン。主にベトナム市場のビール・飲料・ワイン・食品・薬品びん(リターナブルびんが主)を供給する。
 O-I社、Stroucken会長は次のように述べている。「ベトナムは成長市場である。新工場はこの市場の現在及び将来の需要を充足し続けるであろう。ガラスびん、特にリターナブルびんは、最も経済的かつ環境保持に適した容器である。」またO-I社担当者は、「現在は1窯、ACL3ラインで、最大84千トンの能力であるが、今後市場状況に合わせて考えていく。」と述べている。
 BJC会長は「当社は、成長市場の東南アジア、特にマレーシア・インドネシアを最も重視している。ベトナムもそれらに加わるだろう。今回のjoint ventureは、この地域の活動強化のステップとなろう。」と語った。
(注「*」:BJCは、1882年創業。タイ国を代表する企業グループの一つ。広範な分野で事業を展開している。ビール・飲料・食品などの中身とそれらの容器の製造・販売なども含まれる。O-I社とは技術支援面で強い関係を持っていたと言われている。
 Feve news May'10では、BJCが南ベトナムに子会社を設立、新工場を建設する計画と報じられていたが、今回のnewsでは、O-I社が主体の企業と思われる。O-I社は、その発展を新興国市場進出にかけている。)
(FEVE News Feb.'12-Source:Packagingnews.co.uk)

4.GPI新理事長決まる

 2011年11月のGPI年次総会で、Joseph R. Grewe氏(Verallia North America CEO)が新理事長(Chairman of Board Trustees)に選ばれた。
〔訳者注:前任者はO-I 出身。北米市場ではこの2社が突出しており、理事長は両社が交代で当たっているものと思われる。GPIの組織は、理事長の下に実務のPresident(現在はMs Lynn Bragg)が位置する。〕
(GPI発行 "inside glass packaging Nov.'11")