2013年3月18日

海外情報(2013年3月分)

1.Saint-Gobain社 北米のガラスびん部門(Verallia North America)をArdaph社へ17億ドルで売却

 Saint-Gobain社は、かねてからガラスびん部門を切り離し(売却し)、板ガラス・高機能材(High-Performance Materials)・建築材(Construction Products)・不動産(Building Distribution)など、高付加価値が見込まれる分野を拡大する企業方針を持っていた。今回の売却も、その方針の一環と見られる。
 2011年、当社はVerallia部門(欧州など全世界に亘る)の40%の株式を公開売却手続きで15億ドル取得を目論んでいたが、市場不振の中で成功していなかった。今回は、Ardaph社との間で、北米部分を切り離し協議を成立させたものと思われる。
 この取引は株式市場でも好感され、パリ市場でSaint-Gobain社株は4.4%上昇した。
(FEVE news Feb.’13- Source:glassonweb.com)

【訳者注】このニュースはグローバルガラスびん市場で、big news です。若干補足します。

(1)Ardaph社について(そのホームページ等から)
当社の歴史
1932年
 アイルランド製びん企業として創業。その後企業買収を重ねて拡大、グローバル企業となって行く。
 本拠もDublinからLuxembourgへ移した。
1999年
 Rexam社からガラスびん部門を買収。欧州ガラスびん市場No.3 企業となる。(この際、Heye International社もArdaph groupに入ったと思われるが、なお独自のホームページを持っている)
 この年、O-I 社はプラスチック部門をRexam社に売却し、ガラスびん専門の企業となった。
2010年
 グローバルの金属容器企業、Impress'CooperativeU.A社を17億ポンドで買収。
 この結果、Ardaph社は、Glass Bottleと金属缶の2部門を持つことになり、グループの売上げは30億ポンドを超えると見込まれる。また北米をも活動範囲に入れた。(Feve news Oct.'10)
2012年
 米国で、Leone familyから製びん会社Leone Industriesを買収
 米国で、古い歴史をもつ製びん会社Anchor社を買収(対価721百万ドル)

 これらの資金の出所等の情報はない。Feve news Sep.'11では、米国市場で株式公開の噂を伝えたが、その後実現したニュースはなかった。

(2)米国のガラスびん業界について
 業界の出荷統計は、政府統計局から、品種別に公表されていたが、2009年以降は公表されなくなった。最後になった2008年の出荷量は342億本(前年比98.1%)であった。
 2000年代は横這い情況が続いていた。(びん協のマーケティングデータ2011年出荷実績66億本に比べれば、遙かに大きい。消費量世界1を誇るビールの容器で、びんが優位を保っていることが寄与している)

2.中近東・北アフリカ地域の消費者調査結果

 調査は、Asian Glass magazine社によって実施された。対象は中近東・北アフリカ地域で選抜された47人の消費者。
 結果は、ガラスびん容器が、73%と圧倒的な多数の支持を得た。理由は内容物の品質を保つことが上げられた。また、内容物別では、ジュース73%・ソフトドリンク96%・調味料65%・健康飲料87%などとなっている。
 Asian Glass magazine社のDirectorは、中近東・北アフリカ地域で、製びん能力拡大の必要を強調している。
(FEVE news Feb.’13- Source:galassonweb.com)

3.ロシア業界事情

 ロシアのガラスびん市場は、2000年代に入り、年率10~12%の高率の成長を記録した。最近の10年間で、0.5リットルびんの生産量は、56億本から142億本まで増加した。しかし、WTO加盟(2012年8月)の結果、輸入関税の引き下げが見込まれる。輸入ガラスびんとの競合で、特に近代化が後れている企業にとっては、深刻な影響を受けると懸念されている。

【訳者注】データの出所は記されていない。信憑性には疑問があるが、Feve newsがロシアを報じることは稀であるので掲載した。
(FEVE news Feb.’13- Source: glass-international.com)