2013年04月18日

海外情報(2013年4月分)

1.Feve 2012年前半の生産量を公表

FEVE・各年上半期(1~6月)生産状況 (2008~2012年)

国別 \ 年 2009
千トン
2010
千トン
2011
千トン
11/10
%
2012
千トン
12/11
%
ドイツ 1,933 1,830 1,960 +7.1 1,989 +1.4
フランス 1,697 1,558 1,682 +8.0 1,639 -2.6
イタリア 1,738 1,679 1,786 +6.4 1,726 -3.4
イギリス 863 1,145 1,124 -1.9 1,156 +2.9
スペイン 1,013 1,004 1,023 +1.9 1,033 +0.9
ポルトガル 643 644 637 -1.1 719 +13.0
ポーランド 475 465 464 -0.2 496 +6.9
トルコ 288 368 421 +14.6 456 +8.3
北・中欧諸国 949 962 1,024 +6.4 1,087 +2.9
南・東欧諸国 521 503 557 +10.7 585 +5.1
合計 10,120 10,158 10,678 +5.1 10,886 +1.9
参考・年間 20,082 20,786 21,716      

 注:2008年9月のリーマンショックによる不況はガラスびん需要にも大きく影響し、2009年は前半も、年間も減少した。しかし2010年以降は着実に回復している。欧州消費者のガラスびんへのこだわりに敬意を感じる。
(Source: Feve  Home Page)

2.欧州 ガラスびんはライバル・プラスチック容器に対抗し地位を固める

 Visiongain*の2012年12月リポートは、次のように述べている。「現在、世界のガラスびん市場の規模は、268億ドルと推測される。今後10年間は年率5.8%の成長が見込まれ、2023年には、倍近くに達するであろう。」
 Feveの専務理事Farrelly氏は次のように述べている。「このリポートは、ガラスびん市場の成長について、多くの機会があることを指摘している。例えば、プラスチック容器に対する法的禁止や制限である。ロシアでは、ビール容器にPETが禁止された。
 炭酸飲料ではガラスが優位にある。最近3年間はPETからシェアを回復した。ビールでは、最もポピュラーの容器で2012年のシェアは64%と推定されるが、なお増加することが予測される。Baby foodでも、ガラスが注目を取り戻している。Nestle欧州では、製品の一部をプラスチックからガラスに変えて成功している。
 ガラスはまた、ノスタリジーな容器として愛されている面もある。ポーランドの有名な果汁飲料ブランドで、1990年に終売になっていたが、2011年にレトロなガラスびんを使用して再発売し、初年に2千万本を売り上げた事例もある。」

【訳者注】:*はイギリス・ロンドン所在の調査会社。
(FEVE news Feb.’13- Source:Foodmanufacture.co.uk)

3.Saint-Gobain社 2012年決算公表

 当社は2012年の決算報告を公表した。売上高は、43,198百万ユーロ(前年比+2.6%増)、一方純利益は766百万ユーロ(前年比-40.3%)と大幅減益となっている。
 欧州の経済危機、世界全般の不況が、企業努力では到底対応できなかったと述べられている。
 Packaging(Verallia・ガラスびん)部門については、売上高は3.5%増加、営業利益率は前年の12.3%から10.9%に低下した。地域別では、米国・フランス・ブラジルで好調、南・東欧州で不振であった。

【訳者注】:その米国をビジネスの主市場とするVerallia North Americoを、Ardaphへ17億ドルで売却した(海外情報2013年3月記載)。その理由について不審を感じたが、この報告ではその件に関して「好条件で売却でき、我々のビジネスをHabitat secter(住宅関連部門)へ再配置することに寄与するであろう」と述べられている。(Source :Saint-Gobain社 Home Page)

4.O-I社 2012年決算公表

 Net salesは、70億ドル(前年は74億ドル)、5.4%減収であった。原因は為替相場と売上量の減少(一部値上げでカバーしたが)であった。値上げとproduct mix改善は4%寄与した。出荷トン数は5%減少した。減少は主に欧州で起こった。当社の価格アップに対抗する中小製びん企業にシェアを取られた。
 Adjusted Earningsは、34百万ドル増加した(2012年438百万ドル、前年404百万ドル)。増益の主因は、北米とアジア太平洋地区のリストラにあった。欧州では数量の減少と為替相場のマイナス影響で減益となった。
 2013年について、Stroucken会長は「新興国市場の成長と、北米市場の安定に期待する。欧州の経済不安定は続くだろう。全体として、売上は適切(modest)な増加を期待する。コストインフレに見合う売値の改善も実行する。グローバルなコスト低減、特に欧州での資産運用の最適化に最も注力する。その結果、収益とキャッシュフローの向上を図る。」と述べている。(Source :O-I社 Home Page)

5.Vidrala社 2012年増収・増益

 (当社はスペイン本拠。ベルギーにも工場を持つ。欧州製びん市場の中堅企業)
 売上高は458(前年比+5.5%)、利益45.5(前年比+6.7%)。売上高の内訳は国内232(前年比1.1%+)、輸出・EU域内214(+11.0%)、その他12。単位は百万ユーロ。
(FEVE news Feb.’13- Source:alimarket.es)