2013年7月18日
海外情報(2013年7月分)
1.製びん企業関連
(1)Saint-Gobain Oberland 社(ドイツ)
① 当社のBad Wurzach工場に於いて、製びんにbiogas*を利用するパイロットプロジェクトを計画している。
製びんは、化石燃料に依存している。このプロジェクトは、化石燃料の使用とCO2ガスの排出を減らし、地球環境の維持に貢献することを目的にしている。biogasプラントは、製びん工場内に設置され、直接、製びん窯にbiogasが供給される。
当社のCEOは「先例の無い試みで、我々にガラス産業をリードする機会を与えてくれるだろう。」と語った。
(FEVE news June ’13- Source:glass-international.com)
【biogas*】について
家畜糞尿、汚泥中の有機物等からメタンガスを発生させて発電する。化石燃料の代替エネルギー源として注目されてきている。日本にも「バイオガス発電協議会」など推進組織が存在する。三井造船が先進企業と見られている。日経電子版6月18日に次の記事が掲載された。(一部抜粋)
「当社は、北海道別海町に大規模バイオガス発電プラントを建設する。出力800キロワット、1日当たり、乳牛5千頭分の糞尿、水産廃棄物、生ゴミなど5トンを処理する。発電全量を北海道電力に売る。」
世界ではドイツが最も先進国といわれている。
② 東欧で苦戦
当社はロシア・ウクライナにおける諸問題のため、2012年は損失を計上した。この地域では3工場を稼動している。ロシア経済の成長は、ガラスびん需要に好影響をもたらしてくれなかった。
2013年も同じ情況が続くだろう。2014年・2015年には、東欧の売上は伸張すると期待している。
(FEVE news June ’13- Source:schwaebische.de)
(2)ロシア:製びん業界不振
ガラスびん業界の生産量は2013年第1四半期に前年比減少した。内訳で細口びんは8%減、広口びんは増加した。
Belgorod Glass Plantは破産手続きを申告した。当社は食品びんの生産会社。2013年4月に販売製品に問題があり、生産を停止していた。
(FEVE news June ’13-Source:esmerk.com)
(3)インド:代表企業 順調ならず
Hindusthan National Glassは、インドガラスびん市場で高いシェアを持つ代表企業であるが、業績は最近不調のようである。
2012年度第4四半期(2013年1~3月)では、業績は著しく不振に陥った。売上50億ルピー(インドルピー:1ルピー約1.8円)。前年比-4%、損失8.4億ルピー(前年同期利益3.1億ルピー)。2012年度通期でも17.2億ルピーの損失(前年度は9.1億ルピーの利益)となった。
当社は、2011年、ドイツAgenda Glass社買収(その後the HNG Global GmbHと改名)、2012年大容量1窯の新工場建設と、拡大路線を走ってきた感があった。
インド経済全般の成長鈍化の影響か、理由は分かっていない。
(FEVE news June ’13-Source:thehindubusinessline.com)
2.EUROPEAN UNION とFEVEのNews
① European commission(欧州委員会)climate change strategy気候変動対策を検討
その企画された戦略は、地球温暖化と、それに伴う気候変動に対応するために加盟国をリード・援助する。
委員会で採択されたドキュメントは、気候変動に適応し快適な欧州を目指している。委員会で基調提案をした委員は、「グローバルな気温上昇を2度以下に止め、危険な気候変動を避けるために、温暖化ガスを減らすことが最優先の課題である。」と改めて強調し、「我々の戦略は、各国のトップ政治家に、住みよい国を作るための方策選択に貢献するだろう。」と述べている。
(FEVE news June ’13-Source:hellenicshippingnews.com)
【訳者注】
従来、地球温暖化防止のためGreenhouse gas問題が専ら対象になっていたが、climate changeが対象にされていることが注目される。
② FEVE 循環経済(circular economy)を目指すミーティング
欧州では、2020年代の成長戦略として、現在の直線型経済(linear patterns)から、循環型(circular)への移行が論じられてきた。FEVEは、ガラスびん産業は既にそれを達成し、良いサンプルになっている。欧州は循環型経済を広めることで、経済の競争力を高める潜在力を持つことになると考えている。
FEVEは、開放ミーティングを主催し、その中で広範囲の関係者と共に議論し、出席者の見解を求めている。司会はEuropeanVoiceの共同編集者O’Donnell氏が当たっている。
(FEVE news June ’13-Source:emballagedigest.fr)