2004年05月01日

欧州のガラスびん事情

 
 
O-I社は、欧州第2の製びん会社・BSN Glasspackを負債を含み1,160百万ユーロ(約1,500億円)で買収することに同意した。これは、O-I社がプラスチック離れをし、ガラスに集中するプログラムの一環をなすものである。同社では、一連のキャッシュフロー改善計画に、そのグローバルな経営を通じて、諸設備・諸作業の標準化を取り入れる。設備投資を削減してなお、生産性を向上さすことを目指している。O-I社の戦略は、競争優位にあるガラスびん産業で、利益増加の可能な併合を図ることにある。BSN Glasspackを併合することにより、欧州において40を超える工場を持ち、欧州市場をリードすることとなる。なおBSNは1957年以来、O-I社と技術援助契約締結の関係にあった。      (Glass誌 2004年3月号より引用)
   
 
英国、ソフトドリンク消費好調
英国コンサルタント会社Zenith International Ltd.によれば、英国のソフトドリンクの消費は2002年に5%増加し、13,100千klに達した。これは小売価格で102億ポンド(約2兆円)に当る。更に"2003UK Soft Drinks Report"では、今後5年間に年率4%で増加し、2007年には15,700千klに達すると予測している。ソフトドリンクの中での最大シェアは、炭酸飲料で、レモンフレーバーのDiet Coke, Fanta Fruit Twist, Pepsi Twistなどの新製品が寄与している。(注:2002年日本の全清涼飲料生産高は 16,200千kl、3.3兆円)
(Feve news, Euwid Verpackung(D) 13Dec.'03より引用)

ガラスびん需要も2003年は順調に推移
飲料分野(清涼飲料、アルコール飲料)は3%の伸長が期待される。暑い夏のうえに、クリスマス需要も盛り上がりを見た。一方、食料分野では部門により差が認められた。ソース向けは増加したが、ジャム・プリザーブ向けは減少した。スーパーマーケットの特定製品では新容器が開発され、需要増があった。
(Feve news, Euwid Verpackung(D) 5 Jan.'04より引用)
   
 
デポジット令・その後の動き? 対象品目、ワイン・ジュースへ拡大
議論の多いデポジット令の適用対象が、ワインびんとジュースカートンへ拡大する可能性が環境省のスポークスマンによって2004年2月16日に表明された。理由はリターナブル率の目標72%に達していないことで2005年1月1日よりの適用の可能性が大きい。
( Feve news ,Frankfurter Allegemeine(D) 17 Feb.'04より引用)

デポジット令・その後の動き? 連邦議会上院に強制デポジット法を廃止の動き
保守系が優位にある州では、ワンウェイ容器に対する強制デポジットを廃止したいと考えている。Hesse州からの提案が3月12日に上院特別委員会に付託された。Hesse州の提案の内容は、飲料容器の90%以上がリターナブルか、リサイクルされなければならない。この内、リターナブルは60%を下回ってはならない(現行は72%)。このレベルを下回った場合には、1リットル当り10セント(約14円)のワンウェイ割増金を課する、というものである。
(Feve news, Frankfurter Allgemeine (D)13Mar.'04より引用)

ビール消費は夏には回復
ドイツ連邦統計局によればビールの消費量は2003年前半(1~6月)5,140kl、前年同期比4.1%減少した(デポジットによる混乱も影響したと言われた)。しかし、夏季(7~9月)には2,960千klと、ほぼ前年並まで回復した。
(Feve news,Euwid Verpackung(D)4Aug.'03& Frankfurter Allgemeine(D)31Oct.'03より引用)

Rexam Group 3ライン閉鎖
Rexam GroupはNienburger GlasとLuner Glasを併合したが、その時点でドイツ市場における製造能力の削減を表明していた。この程3ラインを閉鎖し、Rexam Groupの能力を10%削減し100万トンにすることを決定した(3ラインの内訳は、茶ワンウェイビール1ライン、白ジュース2ライン)。RexamのCEOは、この決定時期はデポジットの導入によって加速されたと述べた。
(Feve news, Euwid Verpackung 21Jul.'03より引用)

Coke, PET 0.5リットルのリターナブルボトル導入
Amcor PET社は、コカコーラ社と新PET 0.5リットルのリターナブルボトルを製造供給する契約を結んだ。これは新しいデポジット法に対するコカコーラ社の対応で、ガラスびんや缶に代わる容器になることが推測される。2003年の終りまでに、12本入りのプラスチックケースで、スーパー等において流通し、2年間で1億本以上がプールされるだろう。
(Feve news, Euwid Verpackung 18Aug.'03より引用)

消費者調査----缶・プラスチック入りビールを拒否
ベルリンにある調査会社、Usuma GmbHのビール容器の好みに関する消費者調査の結果は、ガラスびん91.2%、プラスチック3.1%、缶1.8% (回答者1041名)だと発表した。
(Feve news, Euwid Verpackung 7Jul.'03より引用)
   
 
Rtd(Ready to Drink)とも呼ばれ、米国のガラスびん市場の需要を急増させたものと同じく、alcopopsは欧州でもおおむねガラスびん入りで販売されている。この急増に対して、次のようなリアクションが報じられている。

ドイツ業界、増税に反発
ドイツのBSI(スピリッツ産業連合)によると、2002年Alcopopsは275mlびん入りで2億4千万本が販売された。これはスピリッツ販売量の8%、全アルコール消費量の0.4%に相当する。この急増に対して、連邦薬品局長(drugs' commissioner)は、特に若者の間での飲用増加に対する抑制措置として大幅増税の意向を出している。これに対して、BSIは罰則的税金を課しても、大衆の健康増進にはならないと反発している。 
(Feve news , Frankfurter Allgemeine(D)25Nov.'03より引用)

スイス増税議会通過
スイス議会はalcopopsに対する300%の増税を通過させた。この増税により、小びん(275~300ml)入り価格は1本当り2スイスフラン(約80円)上がることが予測される。Alcopopsの消費は、2000年2百万本、2001年28百万本、2002年40百万本と増加してきている。         (Feve news, Euwid Verpackung 27Oct.'03より引用)

Rexam Group 、Smirnoff Ice 用スリム缶の製造開始
Rexam Groupは、ドイツにおいてSmirnoff Ice 用スリム缶の製造を開始し、英国市場へ供給する。Rexamによれば、alcopopsの多くは女性によって消費されてきた。一方で缶は伝統的に男性向けの容器と見られてきた。このスリム缶は、alcopopsの男性市場開発を目標としている。
(Feve news, Euwid Verpackung 15Sep.'03より引用)
( Financial Times 12 Oct.'03より引用)