2012年12月18日
日本ガラスびん協会研修会に参加して
磯矢硝子工業株式会社
高橋 忠司
私は、現在検査の仕事に携わっていて、びんを見るたびにびんの美しさは他にはないものだと考えています。透明感や質感、ガラスという素材が見た目を楽しませることにとても適している。製造過程での様々な工夫や技術の結果がこの様な美しいびんに繋がっていると思うと、製造業が素晴らしいものだと実感できます。
今回の研修は1泊2日で日本ガラスびん協会正会員6社の、若手から中堅社員を中心に集まり、3つの講義を聴きまたグループ別討議・発表を行いました。
始めの講義で吉永専務理事より、ガラスびん協会の組織・取り組みやガラスびんの製造・販売状況などについて講義していただきました。
びんむすめや47CLUB、ガラスびんブロガーイベントなどはネットワークを利用した斬新な取り組みがなされており、ガラスびんアワードでは著名人を審査委員に選出し、ガラスびんに対してユーザーや消費者に興味を持って頂けるような取り組みをしていることが分かりました。また、びんむすめプロジェクトでは、専用のWEBサイトを作り、その活動がニュースになり、ポスターラリーなどのキャンペーンまで展開していることを、ガラスびんに関わっているにもかかわらず私自身が知らなかったので非常に残念でした。
ガラスびんの製造については、1990年から毎年のように低下している現状についてはとても残念でアルコール類や飲料に使用されるびんの減少が著しいとのことでした。しかし、工場従業員1人当たりの出荷数は年々増えている傾向にあるようで、技術の向上、品質の安定などびん作りは常に進化し、後ろ向きではないことを確信しました。
次の講義では岩本委員より、技術委員会の取り組みについて講義していただきました。
びんを製造するにあたり、JIS、計量法、リサイクル等の法律・規制事項、日本ガラスびん協会の規格としての品質規格・びん口規格・カレット受け入れ品質規格・CIDマーク形状基準等の見直し・改定などを定期的に行い、品質、技術ともに常に向上を目指していることがわかりました。
最後の講義では、元日本山村硝子株式会社 代表取締役会長 小川 昇様より『ガラスびんと共に ―若人へのメッセージ―』という内容で日本山村硝子株式会社に入社するまで、入社後どのような部署に移り、その都度どのような苦労をしたのか、これからの我々が問題にぶつかったとき、どのように乗り越えていけばいいのか、ご自身の体験談を織り交ぜてお話しいただきました。短期集中というものがいかに効率がよく、能力の向上につながるのかとても感心し楽しく拝聴させていただきました。
懇親会ではそれまでの緊張を解き和やかなムードで楽しい時間を過ごしました。
同業他社の方とお話しさせていただく機会は今回が初めてで、ガラスびんに携わる者として共通の問題があったり、小さな違いを見つけることが出来たり楽しい時間を共有できました。とても印象に残ったのは皆この仕事を真剣に考え、楽しみを見つけているということでした。仕事を楽しむ事は働く者にとって日々の活力になり、会社の活性に繋がり、会社を常に前向きの企業にしていくのは我々なんだと実感しました。
研修2日目は3グループに分かれ、討議・発表を行いました。
基本となるテーマはありましたが、各グループ共にびんの需要を増やすこと、びんの拡販についての発表でした。感じたのは皆とても自由な発想を持っていて、制約のない討議だと、形・ニーズ・メリットデメリットに捕らわれない面白い考えや意見が多く聞けたことは楽しい時間であり、とても良い経験になりました。
今回の研修では、参加者全員のガラスびんに対する前向きな姿勢、技術向上に向けた努力、部署ごとの製品に対する考え方が、今後の仕事の参考になると強く感じました。同業他社の皆様とこの様なコミュニケーションをとることは大変有意義な時間でした。
今までは自身の会社に携わる者としてという考えを自分の中に持っていたのですが、そうではなく、ガラスびん業界に携わる者として、ガラスびん業界の発展を今回集まった6社で今後のガラスびん業界を盛り上げて行きたいと強く感じました。
以上