2010年06月28日

ガラスびんの輸入と輸出(2009年)について

財務省貿易統計から、ガラスびん関連の2009年の輸入と輸出量をみた。
ガラスびん(空びん)の輸入・輸出量は何れも国内生産量の0.7~0.4%に過ぎず、むしろ関心は、容器に主としてガラスびんが使用されている中身商品の輸入・輸出動向にある。
特に、ガラスびんリサイクル関連業界では、商品輸入量と、その消費後の空きびんの処理に関心を持っている。

空びんの輸入量と輸出量

国別  輸入 輸出
2008年 2009年 2008年 2009年
数量
(トン)
数量
(トン)
金額
(百万円)
単価/
トン
(千円)
数量
(トン)
数量
(トン)
金額
(百万円)
単価/
トン
(千円)
韓国 1,516 252 184 730 930 854 452 529
中国 4,625 5,638 1,044 185 1,020 940 136 144
台湾 1,329 1,442 216 150 417 292 195 666
香港         96 109 52 481
フィリピン         623 357 73 205
シンガポール         383 388 138 356
フランス 1,391 680 225 331 174 155 148 956
米国 76 52 216 4,162 1,074 1,113 479 431
その他 589 579 399 688 779 580 318 548
合計 9,526 8,643 2,284 264 5,496 4,788 1,991 416
国内比(%) ※ 0.7 0.6     0.4 0.4    
  • ※ 国内比は、当該年の国内ガラスびん生産量に対する比率

輸入、輸出共にトン当たり単価からみて、化粧品、薬品等の特殊なガラスびん(付属品付きも含む)が殆どを占めると推測される。

輸入、輸出共にトータルでは前年を下回った。
国別を見ると、輸入では中国が前年比22%増、全体に占める比率も65%に達した。
輸出では、数量、金額共に依然米国がトップである。単価が極めて高い商品である。

中身商品の輸入と輸出

(1)アルコール飲料製品の輸入と消費後のカレット発生量推定

製品名(千kl) 2006年 2007年 2008年 2009年
ワイン 119 119 119 128
スパークリングワイン 20 21 23 21
ウィスキー・ブランデー 19 18 16 16
その他蒸留酒 90 86 80 76
その他の製品 134 134 151 182
合計 382 378 389 423
カレット発生推定量(千トン) 237 232 225 230
国内生産量比(%) 16.1 16.3 16.2 17.3
  • 注1) 中身製品輸入量は、貿易統計をベースにした日刊経済通信社資料による。
  • 注2) カレット推定量はガラスびんリサイクル促進協議会による。

2009年は、アルコール飲料製品輸入量が増加した(前年比+8.8%)ので、カレット発生推定量も増加した。

(2)アルコール飲料製品の輸出

輸出量は総量で、輸入量の1割程度と極めて少ない。その中で注目しているのはガラスびん使用率の高い清酒、焼酎とウィスキーである。

品種 単位 2006年 2007年 2008年 2009年
清酒(日本酒) 輸出量 kl 10,269 11,335 12,151 11,949
前年比 % 108 110 107 98
焼酎 輸出量 kl     2,287 2,093
前年比 %   - 92
ウィスキー 輸出量 kl 915 914 1,038 1,191
前年比 %   100 114 115
  • 注1) データは貿易統計をベースにした日刊経済通信社による。
  • 注2) 焼酎は増加してきたので、2008年より「その他」から独立した。

清酒・焼酎の輸出は、2008年までは日本食の普及と共に増加傾向が続き、一般紙に取り上げられたこともあったが、2009年は世界不況の影響を免れられず、減少した。
一方、ウィスキーは品質評価が高く、最近2年間高率の伸びを示している。