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2004年10月01日
ガラスびんリサイクルのアメリカでの現状について
アメリカのガラスびんは主に飲料に用いられています。ビールやワインなどの飲料の売上げ増加に伴い、ガラスびんの生産量も昨年度に比べて7.6%増加しました。カレットの平均的使用量は、現在ガラスびん全体の35%から40%となっています。アメリカ国内23の州には53のガラスびん工場があり、また独立した66のカレット業者が存在します。アメリカのガラスびん工場では、透明のガラスびんを製造するにあたって、最高で5%まで茶色とグリーンのカレットを混ぜることができます。茶色のガラスびんを作る場合は10%まで、グリーンのガラスびんを作る場合は30%まで茶色とグリーンのカレットを混ぜることができます。しかし、グリーンのガラスびんはアメリカではワイン以外にほとんど使用されていません。
アメリカではガラスびんのリサイクルにはいくつかの方法があり、消費者が各自でスーパーマーケットのリサイクル回収所に直接持参するもの、業者が家の近くに置いたものを集めてくれるもの、各家庭から集めてくるもの、工場で直接回収するもの、ホテルやバーなどの場所で回収する方法などがあります。このガラスびんのリサイクルにあたって、アメリカでは課題がいくつかあります。ひとつは現在カレットの質が下がっていることに対して、ガラスびん製造企業は高品質のカレットを求めていることです。アメリカには現在カレットに含まれる異物を探知するシステムを所有する工場が12箇所しかないため、GPIでは、どのようにして高品質のカレットを効率よく利用できるかということの調査に力を注いでいます。また、アメリカでは資源が安く豊富にあるため、ゴミを分別せずに全て一緒に回収する方式をとっています。加えて、エネルギーコストの上昇により、ガラスびんを回収して処理場に運びリサイクルするよりもそのまま捨てる方がコスト的に安いという現状もあります。
ガラスびんのリサイクル率をどのように上げるのかという課題は行政とコミュニケーションを取ることが重要です。GPIは現在ゴミの一括収集法を取っている自治体に対して、分別して回収するように働きかけています。また、ガラスびんを使用する飲料メーカーで特別委員会を設置し、自治体やリサイクル団体に対してガラスびんの積極的なリサイクルを働きかけています。その他にも、NRC(National Recycling Coalition)という団体とGPIは一緒に活動してリサイクルの推進を行い、リサイクルシステムを導入していない自治体に対する啓蒙も行っています。また、GPIは来年、コカコーラやペプシなどの飲料メーカーによる環境委員会を発足し、市民に対して、ガラスびんに限らず全ての容器のリサイクル率を上げる啓蒙キャンペーンを実施する予定です。