2005年04月01日

海外情報(2005年4月分)

1. ガラス大国・フランスの当面する問題

フランスはEUのガラス製品の20%を占めるガラス大国であるが、ここ数ヶ月間に大きな変化に揺り動かされている。フランスを代表するグローバルな企業は、Saint-Gobain社とArk International社(両社で雇用18千人)であるが、変化はこの2社に関連している。
BSN Glasspack社はフランスをベースとするEU No3の製びん会社であったが、Owens-Illinois社に併合された。この結果、O-I Europe社がSaint-Gobain社を抜いてEU No.1となった。フランスガラスびん業界の問題点はワイン売行きの停滞にある。国内消費(生産量の70%)が広告規制と飲酒運転取締り強化の影響等で減少し、輸出面では新興国オーストラリア、チリー、米国に追い越された。ワインの生産は需要を30%上回る状況にあり、政府は醸造業者を支援するため7千万ユーロ(約97億円)の予算措置をした。何れにしてもワインは製びん業界の主要需要先であるため,その動向が注目される。ガラスびん生産量はEU内でドイツに次いでNo.2であるがイタリアの急追を受けている。
Ark International社は、Table wareの大企業であるが、そのグローバルな競争力を強化するため、フランスにおける生産をスリム化し、中国、アラブ首長国連邦に生産拠点を移すことを計画している。(この計画は2007年から始まる。)また、Saint-Gobain社でも、1997年そのTable ware部門をBormioli Rocco社へ移譲したが、それも縮小され、生産がイタリアへ集中されている。
一方、板ガラス、繊維ガラス部門は好調に推移し、生産は増加している。このような状況下にあるが、トータルとして、フランスはEUのガラス大国であり、Saint-Gobain社も板ガラス、ガラス繊維等を併せ世界屈指のガラス会社であることに変わりはない。(Glass誌、Feb.'05号より)

 

2. 米国ガラスびん企業の明暗

1 Owens-Illinois社の業績とリストラ計画

(1) 2004年第4・4半期の業績
― Glass Container部門、BSN Glasspack社併合効果で好調
営業利益は52.9百万ドル(約55億円)で、前年同期間に比し37.3%増であった。この中、BSN Glasspack社の併合効果は27.0百万ドル(約28億円)であった。全般に好調の理由は、売上量増加、価格改善、経営効率上昇、上記併合効果であり、エネルギー、原材料、流通コストの上昇がマイナス要因となったが吸収された。
― プラスチック容器部門
営業利益は、前年同期間比減益となった。(当期間19.7百万ドル、前年同期間24.3百万ドル)。理由は、ブロー容器部門の縮小に伴うリストラ費用と、前年は流感の異常発生のための調剤薬用容器の需要があったためである。これらのマイナス要因は一部生産効率化と管理費削減によってカバーされた。
(Feve news Jan.'05: O-I社・26 Jan. '05 公表)

(2) 併合したBSN Glasspack社のリストラ計画
O-I社は、併合後の欧州における生産の合理的配置、重複の排除を計画し、フランス内の本社、テクニカルセンター、1工場でトータル2,968名の従業員中、351名の減員を計画している。ドイツ、オランダ、スペインの工場にもリストラ計画は及ぶと見られている。組合では2006年には工場閉鎖もあり得ると恐れている。
(Feve news Jan.'05: Emballages Magazine 17 Jan.'05)

 

2 Anchor Glass Container社の再建

当社は、2004年第3・4半期は欠損が増加し、第4・4半期以降再建策が執られた。不振の理由は、原材料、物流費の増加を製品価格に転嫁できなかったこと、ビールびん等の製品出荷が東南部の夏季の天候不良(特にハリケーン)の影響を受けたことであった。
再建策は、Connellsville工場の閉鎖、遊休ラインの排除と、全製品、全取引の採算性の見直しであった。今後のビジネスは、よりアグレッシブな基準によって評価されると会社は述べている。2005年第1・4半期へかけて再評価が成し遂げられ、再建策が公表されるだろう。また、新CEOが就任した。(Glass International Nov./Dec.'04)
(参考:米国市場シェア、O-I 42%, Saint-Gabain 32%, Anchor 18%----2001年資料)

 

3. アジア情勢

1 タイ国に新工場

Malaya Glass Products社(the Fraser & Neaveグループ)は、Thai Asia Pacific Breweryと合弁で新製びん工場建設に同意した。この会社はSiam Malaya Glass Co.,LTDの名称で、出資はMalaya Glass 70%, Thai Asia Pacific Brewery 20%, Siam Glass Industry 10%である。投資額は33百万ドル(約35億円)である。製品は主にThai Asia Pacific Breweryへ供給される。同社はHeinekenとTigerビールの生産者である。
(Feve news Jan.'05: Glass International, Jan.'05) 

 

2 一般情勢
昨秋開催のthe ASEAN Federation of Glass Manufacturers' Associationの年次総会における、この地区の需給に関する情報では、タイでは供給力不足、マレーシア、フィリピンでは順調、インドネシアが問題含みとのことであった。
(Glass International Jan./Feb.'05)