2005年08月01日

海外情報(2005年8月分)

海外情報-世界の製びん会社の動向ニュース
概して、先進国ではガラスびん需要の伸張への期待が小さいため、企業合理化のニュース等が多く、増設・新設等のニュースは旧ソ連圏等、この産業の途上国に集中している。  以下に、最近のFeve news ( Feve:Federation Europeenne du Verre d'Emballage欧州 ガラスびん連合)と、Glass誌(イギリスで発行)から関連ニュースを拾った。
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1.先進国の合理化計画、販売促進のニュースなど

1 イギリス

(1) Rexam, イギリスのBarnsley工場(旧Redfearn)を売却
Rexamはこの程、Barnsley工場をArdagh Glassへ5千万ポンド(約100億円)で売却した。
Barnsley工場は従業員700名、2004年の業績は、売上1億1百万ポンド(約200億円)、営業利益300万ポンド(約6億円)を上げ、ネット資産は5900万ポンドであった。
RexamのChief Executive, Emilson氏は次のように述べている。「イギリスのガラスびん業界は困難な展望に直面している。新参入(Quinn Glass)は事態を悪化させるだけである。この市場のNo.3企業(注:No.1はUnited Glass、 No.2はRockware)として、このケースでは撤退が採るべきベストのアクションと考えた。」
Rexamは世界の容器会社トップ5の一つで、22カ国で事業を展開し、従業員数22,000名、年売上高は約31億ポンド(約6200億円)である。欧州ではドイツ7、スウェーデン・デンマーク各1、オランダ・ポーランド各2の製びん工場を持つ。
また、Ardagh社も、傘下にイギリスではNo.2のRockware Glassがあるほか、ドイツ、イタリア、ポーランドに製びん工場を有し、事業を展開する多国籍企業である。
(Feve news May'05: Rexam(GB)23 May '05, Glass June.'05)


(2) United Glass 加工(Decoration)工程再開
ScotlandのAlloa工場で、地域のspirits(ウイスキー)製造得意先へのサービスのために、製びんと直結した加工(decoration)工程を再開した。主な作業内容は、びんコーティング、スクリーン・プリント、リボン・バッジ付けなどである。これらの機能は、10年前に子会社で開始されたが、今回の再開で、お得意先の物流コスト削減、商品化のリードタイム縮小に貢献している。                (Feve news Apr.'05: Glass Apr.'05)


(3) Beatson Clark(Glass)社、スタイリッシュなびん製造
Metro Drinks社に供給している。アダルト向けのジュース(ブランド、QU4TtrO STAGION- Four Season:4種類のフレーバー)と、プレミアム・アイスティー(ブランド、Latitude:3種類のフレーバー)に使用され、イギリス、アイルランド、オランダ、イタリアで販売されている。
消費者ニーズに応えたシングルサービスサイズ(275ml)白びんで、高品質イメージを持つデザインである。
(Glass June'05)



2 ドイツ・フランス

(1) O-I社、欧州における減産計画を公表
計画の内容は、ドイツ、Dusseldorf工場の閉鎖と、フランス、Rheims工場の1窯休止である。O-I社が先に公表していた戦略計画、欧州市場に合わせた製造能力の最適配置、製造効率の改善の具体化である。
この減産計画での雇用への影響は合わせて460名である。
(Feve news May'05: O-I 24 May'05)

 
(2) Heye社、Germersheim工場の設備更新
Heye Glas GmbHは、Germersheim工場の将来を見通して、1千万ユーロ(約13.5億円)を投資し、350トン/日溶解窯の近代化と、関連機械の全面的オーバーホールを実施する。同社のManaging director, Gorey氏は「窯は10~12年の耐用が保証され、省エネルギー効率は更にアップする」と述べている。
(Feve news May'05: Euwid Verpackung/ Nachrichten-13 May'05)


(3) Verreries de Masnières社、合理化投資
当社はイタリア製びん会社Bormioli Rocco社(イタリア業界No.2で、薬品・化粧品びんが得意)の子会社で、同様に薬品、化粧品びんに特化、北フランスに工場を持つ。
当社は、2004年に再び営業損失となったので、1100万ユーロ(約15億円)を投じて合理化に取組むこととなった。計画の内容は3窯の中、1窯を閉鎖して生産を集中する、関係設備を近代化する、約20名減員する等により収益構造を改善することことに措かれている。新Managing DirectorのMalarre氏は、05年末もしくは06年初までに利益体質に戻ることを確信すると述べている。
(Feve news May'05: Les Echos- 30 May'05)



3 アメリカ

(1) O-I社05年・第1・4半期決算、ガラスびん部門好調
第1・4半期のガラスびん部門の営業利益は、前年同期間に比し、22.5%増加の202.3百万ドル(約220億円)に達した。好調の原因は、フランスBSN社併合効果と、価格改善、生産性上昇、ドルに有利な為替相場にあった。一方、ビールびん・食料びんの出荷減、エネルギー・原料・物流コストの高騰がマイナス要因となった。
また、プラスチック容器部門の営業利益は、30.9百万ドル(前年同期間31.9百万ドル)で、減益となった。原因は需要の軟調と、原料等コストの上昇にある。
(Feve news Apr.'05: O-I- 27 Apr.'05)


(2) Anchor Glass社、休止中の工場を売却
Anchor Glass Container Corp.は、04年第4・4半期、売上高6%減となり、損失を計上した。損失の主因は、Connellsville工場の閉鎖で、従業員の解雇費用も含まれる。また、本年3月末には、1997年以降休止しているDayville工場を不動産開発会社に売却し、代金5.5百万ユーロ(約7.5億円)を受領した。現在、当社は8工場を稼動し、白、色窯で飲料、食料、フレーバーアルコール飲料びんを製造している。
(Feve news Apr.'05: Euwid Verpackung / Nachrichten-15 Apr.'05)
(注:アメリカ市場No.3シェアの会社であるが、上位2社のO-I, Saint-Gobainが巨大であるため、苦しい立場にあると思われる。)

 

2.増設・新設等のニュース

1 ロシア

(1) Kavminsteklo社、生産増加
当社は南ロシア、Stavropol Territoryにある。
2005~2010年の長期戦略計画の第1期をスタートした。この計画では能力180トン/日の2窯を、450トン/日の新窯に置換することを目論んでいる。新窯には輸入ISマシン6機(6と8セクション)とコントロールシステムや包装設備が導入される。投資額は3000万ドル(約33億円)で、2006年完成後に当社の全生産能力は850トン/日、6.5億本/年となろう。
(Feve news Apr.'05:www.glassonline.com 8 Apr.'05)

 
(2) Pokrovsky社増設計画
当社はVologda regionにある。
3千万ドルの予算で、年間4000万本の軽量びんを生産する新ラインの導入を進めている。この結果、当社は2006年には、4億本/年の生産能力を持つこととなろう。
(Feve news Apr.'05: Glass International Mar./Apr.'05)


(3) Sisecam(トルコの総合ガラス会社)ロシア市場へ影響力拡大
欧州開発銀行(European Bank for Reconstruction & Development)はSisecam社が推進している中央ロシアUfa市に建設中の新ガラスびん工場の資金を援助する。この工場はSisecamがコントロールしているロシアの会社OAO Ufa PSZによって建設されている。
(Glass June '05)

 

2 ウクライナ

(1) Vilnohirske Sklo社、新窯稼動
当社はウクライナの5大製びん会社の一つである。
この程、チェコ製の10セクションマシン2機を備えた新窯をスタートさせた。この窯は白窯で、ピクルス用の広口びん、細口びん、独自の形状のびん等を生産する。この新窯の追加で、当工場は4窯9ラインとなり、トータル500トン/日の生産能力を持つことになる。
(Feve news May.'05: Glass Machinery Plants & Accessories Mar./Apr.'05)

 

3 ベラルーシ

(1) The Belstekloprom社、新製びん工場建設
投資額は1500万ドル(約16.5億円)で新製びん工場建設中、2005年末に最初のラインがスタートする。年産5億本の能力を持つ。この工場はThe Gomel Raton自由経済ゾーン内にあり、国内需要をフルに充足した残余はロシアへ輸出する計画。
(Feve news May'05: www.glassonline.com 18 May'05)

 

4 アルメニア(中央アジア)

(1) Arm- glass社、新製びん工場披露
この程、コチャリャン大統領も出席して、Arm- glass社新工場のオープニング・セレモニーが開催された。設備はチェコの会社からの輸入で、設計能力は5億本/年、この地域初の白窯となる。国内需要を越える分は輸出を目指している。
(Feve news May'05: www.glassonline.com 13 May'05)

 

5 スリランカ
(1) Ceylon Glass増産計画
当社は、インドのGujarat Glassの子会社である。2006~2007年までに完了する能力拡大計画に取組んでいる。小ロットのカラーびんを生産する能力の活用を目論んでいる。計画が完成すれば、先ず小ロットのカラーワインびん等のインド市場を、その後欧州市場をターゲットの販売活動を目指している。
(Feve news Apr.'05: Glass International Mar./Apr.'05)