2010年12月14日

海外情報(2010年11月分)

ガラスびん業界・企業に関するニュース


1.米国業界 GPI(米国ガラスびん協会)リサイクル促進活動に集中
<GPIから、毎月"inside glass packaging"と題する月刊業界紙が送付される。最近、その内容は専らリサイクルに関する広報にあてられている。組織的なネットワークを作ることが困難な様子で、消費者に、空びんを所々に置かれている空びん用ポストまで持参して投入してもらう方法(drop off)が主になっている様子である。
最近号(2010.10月)のトップ2ページを抄訳した。>

 9月12日(日)~18日(土)を"Recycle Glass Week"とし、PR活動を盛り上げた。20州で55のイベントが開催された。学生・消費者と、製びん業界・原材料の供給業界・リサイクル業界の従業員が空きびんを収集し、リサイクルが環境・省エネに対する有力な手段であることの周知に当たった。以下にそれらの活動が例示されている。
・O-I社の従業員が学校を訪問。リサイクルを説明し、クラス間でリサイクル競争を行った。1等賞のクラスは621ポンド(約280kg)を収集し、賞品(ピザ券)を得た。・ローカルラジオ局がイベントを放送し、その間、学生たちが空きびんを収集し、地域のリサイクルセンターへ、約1トンを持って来た。・Tampa 科学博物館が、ガラスリサイクル特別展を開催。関係資材や資料を展示した。・バージニア州Alexandriaのある地域では、"Recycle Glass Week"に併せて、住民家族のためのブロックパーティーを開催。リサイクルPRにためのブースを設けた。立ち寄った親子たちは景品をもらった。
(GPI発行の"inside glass packaging"10月号より)

2.Ardagh Glass社  株式上場の意向
 ウォールストリート紙(The Wall Street Journal)9月28日に次の報道を掲載した。
「Ardaph Glass社は、Impress Cooperatieve社を買収したが、更なる拡大に備えるためその株式を公開、上場することを考慮している。これは同社が持つ現在の負債を弁済するためにも役立つだろう。」
(Feve news Nov.-Zephyr2.bvdep.com)
 【お詫び:Impress Cooperatieve社買収のニュースは、前号・海外情報2010-10に記したが、Doughty Hanson氏はImpress Cooperatieve社ではなく、Ardaph Glass社の大株主でした。訂正してお詫び申し上げます。】

3.Saint-Gobain社 ガラスびん部門を別会社化し株式の上場を検討
 当社は、ガラスびん部門(verallia)を分社化し、その株式の上場を検討している。
これは、グループの企業活動を板ガラス等の建築資材関連に集中するための措置と見られる。
 Verallia部門は、2009年には34億ユーロの売上を上げた。
 当社の最高経営責任者は「過去3年間の経済危機は、戦略的決定にブレーキをかけてきたが、漸く新規上場を計画することが可能になったと考えている。2011年には、ガラスびん部門にも正当な評価がなされるだろう。投資家はこの魅力的な企業に参加できるだろう。」と述べた。
(Feve news Nov.-Packagingnews.co.uk)

4.O-I社関連
(1)スコットランド政府の助成金(grant)を受ける
 当社は9百万ポンドを投資し、Alloa工場に新窯を建設する。これに対しスコットランド政府は、1.3百万ポンドを助成する。
 工場は450人を雇用、主にウィスキーびんの供給に当たっている。O-I社当事者は、「新窯は新技術を装備し、効率改善・コストダウン・省エネ・排気ガス削減を可能にし、びんの軽量化などウィスキー産業の要請に応え得る。」と述べている。
 助成金(grant)は世界企業をスコットランドに誘致することを目的にしている。
(Feve news Nov.-Packagingnews.co.uk)

(2)オーストラリア Penrith工場 地域貢献で表彰を受けた
 当工場は、年間14億本、34万トンを生産している。雇用維持、環境対策などで地域の貢献していることが認められ地域団体から表彰された。 (Fevenews Nov.-Glassonline.com)

(3)ベネズエラ チャベス大統領 O-I子会社収用(expropriation)を公表
 大統領は、環境破壊・労働者搾取を理由に上げている。また、他にも対象となる企業のリストを持っていると述べたが、名は明かされていない。
 O-I社子会社は52年間操業をしている。
 (Feve news Nov.-Terra.net.lb)
(訳者注:ベネズエラは、石油ほか豊富な天然資源を持つ国であるが、長く政情不安定であった。現在はチャベス大統領の反米・社会主義的な政権が持続している。)

5.Gerresheimer社 2010年度 売上・利益共に向上
 2010年第3四半期(6月~8月)の業績は、売上高、前年同期間比、5.8%、累計で4.4%増加した。また営業利益も28.1%増となった。
 これらは、薬品、ヘルスケア分野に集中した結果である。経済回復に合わせて化粧品、実験室用びんも回復してきている。
 (Feve news Nov.-Press Release Gerresheimer)