2010年08月11日

海外情報(2010年8月分)

I. ガラスびん企業に関するニュース


1. WRS (the World Radio Switzerland) : O-I 欧州Presidentにインタビュー
以下はそのお話の骨子である。「O-I社は、世界22カ国で78工場を稼動させ、3千万 トン/年を生産している。約8万人を雇用し、その責任を持っている。また、世界企業として各地域に於いて、それぞれの文化と調和することに最も配慮している。」
(Fevenews July.-World Radio.ch)

2. GPI (The Glass Packaging Institute-米国ガラスびん協会) :
  「Clear Choice Award 2010」への応募広報

(この賞は歴史が古く、日本ガラスびん協会の「ガラスびんアワード」に相当する。)
この賞は、所定の期間に発売された新ガラスびんのイメージ・市場性・地球の持続可能性・飲料・食品などの各分野での需要拡大への寄与を考慮して選ばれる。受賞製品は、GPIの"Recycle Glass Week"の期間にホームページに掲載し、広報される。
(Fevenews July.-World Radio.ch)

3. 米国住民 2010リサイクル・イベントに集まる
期間は6月9日~21日まで。GPIは5箇所のイベントのスポンサーとなった。4千人が地域のリサイクルへのサポートを示すために集まり、ガラスびんのリサイクルが環境保全・省エネルギーの強力な手段であることを学んだ。また製びん各社が提供した賞品を受け取った。
 (Fevenews July.-Glass Packaging Institute)

4. ポーランド : Warta Glass グループ ガラスびんセミナー主催
6月14・15日、ポーランドに於いて、ガラスびん需要の拡大を主題とするセミナーが開催された。スピーカーはFeveから招聘した。参加者はポーランドの製びん企業、リサイクル関連企業と、Feveのメンバー企業(近隣国?)であった。このようなセミナーはポーランドでは初の試みで、主題はガラス業界に対するCO2削減規制・ガラスびんの需要促進・カレット市場状況であった。
(Fevenews July.-packagingeurope.com/FEVE)

5. インド : Piramal社 ガラスびん部門を売却
The Ajay Piramalグループは、インド最大のガラスびん企業Hindusthan National Glassに、ガラスびん部門を売却する交渉に入り非公開の契約に調印した。現在、両社 間で価額について折衝されている。Piramal側は、経営危機を脱していることを強調し、Hindusthan側は、1000クロールインドルピー(約200億円)の債務を含むことを主張していると見られている。
(Fevenews July.-Economictimes.indiatimes.com)

6. 南アメリカ(メキシコ) : Vitro Packaging社 新軽量ワインびんシリーズを開発
従来のシリーズに比し15~20%軽量化されている。当社の社長は、このシリーズの開  発は、より環境重視の要求に応えたものであることを強調した。また、ガラスびんの品質、外観を変えず、そのプレミアムイメージを保持することを留意したと付加した。

7. 英国 : リサイクル情報
英国では、ガラスびん・アルミ缶のリサイクルで、世界をリードしている日本・ドイツ・スウェーデンに習って、消費者家庭のリサイクルへの参加を促進するために、1週間のイベントを展開した。家庭からのリサイクルの仕組みを持つことがCO2削減のキーとなる。現在、英国では430の自治体が仕組みを持っている。   
欧州統計データベース社(The European statistics database Euromonitor)によれば、英国のアルミ缶リサイクル率(2009年)は24%で、統計対象15カ国の中では13位、 1、2位はドイツ、スウェーデン。14、15位はポルトガル、フランスで、17%、19%であった。  
(Fevenews July.-Indendent.co.uk) 訳者注:Feveが公表した2008年加盟28カ国のガラスびんリサイクル率は64%、最高はベルギー 96%、スウェーデン 95%、スイス 95%で、製びん4大国ではドイツ 82%、イタリア 72%、フランス 61%、英国 61%であった。
(Fevenews July.-Economictimes.indiatimes.com)

II. Feve(欧州ガラスびん連合)特集記事

"Feve news July 2010"は冒頭に、特集記事として6月に任期を終えたMr.Tombeurへの長文のインタビュー記事を掲載した。
 (Mr.Tombeurは、2005年O-I社に入社。以後、同社に在籍し、マーケティング担当副社長・社長代理などを歴任し、本年4月に退社した。同時に2006年から本年6月までFeve Presidentを勤めた。)


以下、インタビュー記事から拾った。

(1)売上高は、前年同期比6%増の16億ドル(約1460億円)、純益は89%増の85.3百万ドル(約78億円)と公表した。収益増の要因については、売値のアップ・売上構成が良かったこと・為替相場をあげている。
  会社は9四半期続いた売上高の良くない傾向を転換できた、ターニングポイントと見ている。また、アルゼンチンの製びん会社Cristalerias Rosario社の過半数の株を取得し支配下に入れ、有望な南アメリカ市場への拡大戦略に寄与できたことを、この期間の成果に上げている。
(Fevenews May-Glassonline.com)

(2)PET・アルミ・紙器などの成長は消費者の利便性指向によるが、ある場面でのガラスびん業界の不活性が理由となっている。しかし、今では、40%+の軽量化・リサイクル原料の増加・中身商品の風味保護・維持などで、消費者のニーズに応えている。ガラスびんのデザイン・カラー・加工などの不断の研究・開発が、グローバルもしくはローカル商品のブランド確立に一役を担っている。リカー・ワイン・ビール・ノンアルコール飲料・食品などの主要な伝統的ブランド商品は、ガラスびんを使用している。2008年Feveが実施した消費者調査の結果が我々を勇気付けた。消費者は環境と健康により強い関心を持っている。ガラスびんこそが、消費者が関心を持つ判断基準のすべてを備えている。