2005年02月01日

(1) FEVE (欧州ガラスびん連合)

  (1) FEVE(欧州ガラスびん連合)
概要・活動内容
国際的に、またはEUレベルでガラスびん産業を代表する。業界協力をリードし、PR誌の発行、統計を行う。
EU(15ヶ国)は世界最大のガラスびん生産者である。EUガラスびん市場は国ごとに特色があり、年1~2%の成長を見せる。アルコール飲料が6割を占める。ガラスびん入り商品の輸出が多く、ガラスびん入りであることが世界市場で、アピールする力となっている。
問題点としては、他素材容器〔特にプラスチックとカートン(紙器)〕との競争が激化しており、EU及び国からの法規制も挙げられる。
競争においては、
● ブランドを売り込むツール、商品をdisplayで目立たせる。
● ガラスは内容物の品質を完全に保持する。健康・自然のイメージ。
● リサイクルに責任を持っている

この3点により、ガラスびんの良さをアピールしている。
EUガラスびん業界は、限られた数の巨大国際企業と特色を持つ中小企業が共存し、より高い生産性、より低いコストの実現を図り、得意先のビジネスをサポートするイノベイティブな製品の提供に努めている。
 
特筆事項
ガラスびんのメリットの中で、リサイクルを推進し、最終処分量を減らしたことが、特筆される。1988年から1998年の間、ガラスびんの消費量が増加したが、リサイクル量が倍増したため、最終処分量は減少した。
 
単位:百万トン
1988 1998
ガラスびん消費量 11.3 13.9
ガラスびん最終処分量 7.6 6.3
ガラスびんリサイクル量 3.7 7.6
 
団員所感
FEVE(欧州ガラスびん連合)写真 説明全体の印象
●思っていた以上に、各国に対するFEVEの影響力が大きく、70万ユーロ(約1億円)の予算を効率的に使用し、加盟各協会を良く統括し、自信を持って活動していることが感じられた。業界の発展、環境問題への対応など重要な役割を果たしている。
●歴史、伝統を重視する欧州では、ガラスびんを大切にしている。(日本程容器の変動は早くない。)
 
特に印象に残ったこと
●EU政府に対し、業界を代表する窓口として積極的に影響力を行使している。(ロビー活動)
●EU各国のガラスびん消費水準が既にハイレベルにある上に、最近10年でなお年率1~2%の伸びを示していることは驚異であり、彼我の大差に危機感を感じた。
●拡大EU新規加盟国のガラスびんメーカーに加盟要請の活動をしている。
●オーストリアでのテレビコマーシャルで、「ガラスパッケージはあなたの健康に寄与します」と訴える紙・PETとの比較広告に強い印象を受けた。
●香水、食品など世界で広く知られている有名ブランドが、ガラスびんを巧みに利用している。その人気にガラスびんが貢献している。
 
日本で参考になると思ったこと
●ボーダレスの時代を迎え、国内に止まらず広域的な取り組みの必要な時期に来ていることを痛感した。
●西欧固有の文化伝統、生活意識と結びついてガラスの持つ「エレガンス」が今も尊重されている。日本でのガラスびんPRのテーマに「エレガンス」をより強調してはどうかと思う。
 

訪問先報告

 
(2) FCSIV(フランス・ガラス産業連合会)へ   (3) ドイツ・ガラスびん協会へ    
 
欧州研修旅行報告トップへ