福井県 ~さわやかサイダー

商品が生まれるまでを教えてください。

私が25歳で同組合に入った頃は、大手メーカーの下請け製造が多く、自社商品を作りたいとの思いから新商品の研究開発に着手しました。昭和50年代の炭酸飲料ブームのときに、メロン味の炭酸飲料がないことに着目しました。何十種類ものメロン味炭酸飲料を試作し、一気に飲んでもつらくないようにと弱炭酸にこだわりましたが、組合内では「炭酸が弱いのはサイダーではない」と反発があり、説得の日々に明け暮れました。片仮名商品だらけの当時、あえて平仮名にこだわった「さわやか」が登場したのは今から約30年前のことです。

商品のこだわりはなんですか。

当社で、創業時より仕込用水として利用してきた『桜川の名水』を活かし、すっきりした味わいに仕上げました。また、炭酸飲料製造技術を活かし、きめ細やかで持続性の高い泡立ちを実現しています。製品化にあたっては、涼しげな青色瓶に、歴史を感じるレトロ感のあるラベルでパッケージングしました。ちなみに『桜川』は当社の清酒の銘柄として永く使っていた商標でもあります。

商品にガラスびんを使うこだわりはなんですか。

昔ながらの工場で製造を続けている同組合は、製造ラインの都合上「びん詰めの商品が合理的だ」と考えています。ガラスびんは商品が劣化せず長期保存が可能であることに加え、びんを回収、洗浄し、また商品を詰めることで容器製造にかかるコスト削減につながります。商品のストック期間も長くできる「環境にやさしい商品づくり」です。昔はガラスびんのキャップである“王冠”がスチールだったために衛生的にも問題がありました。これをステンレスに改良し王冠の内側が樹脂加工されたことで、商品である液体が直接王冠に触れず、商品が劣化しないようになったのです。 王冠とびん内部の真空状態に問題がないか、ガラスびんの底を叩いて検査する“打検”を現在でも全商品に施し、安全で安心な商品を世に送りだしています。