第11回 最終審査会レポート

第11回ガラスびんアワード 受賞商品、決定。

 ガラスびんアワードは今年で11回目を迎えました。回を重ねるごとに多くの企業様にご注目をいただく舞台へと成長してまいりました。

 今年もガラスびんらしい創意と工夫に溢れた素晴らしい商品が数多く選ばれました。

 『ガラスびん』は、「見た目」、「手触り」、「口あたり」から「おいしさ」を感じさせてくれます。暮らしに「快適さ」を、心や体に「豊かさ」を与えてくれます。さらに、ガラスは天然素材であり、繰り返し何度でもガラスに生まれ変わることから3R(リデュース、リユース、リサイクル)に最も適した素材として、永年にわたり地球環境にやさしい容器として使われ続けているのが「ガラスびん」です。

 これからも、日本ガラスびん協会は、ガラスの持つ特性や機能はもちろんのこと、感性に呼びかけ、より「ガラスびん」らしさをアピールしていくため、「ガラスびんのある、快適で豊かな生活」をテーマに活動してまいります。

受賞作品一覧

最優秀賞 ヌーベル月桂冠 純米吟醸

月桂冠株式会社(ガラスびん/株式会社山村製壜所)

 「磁器の徳利のように柔らかな細見の形状の美しさ、さらに江戸時代の流行色である“璃寛茶”(りかんちゃ)を使用し、日本酒をより一層、美味しそうに見せる演出が施されている。自然な美しい形状の中に高度な技術が隠れている商品」という点が評価され、最優秀賞に選出されました。

機能優秀賞 旅する丸干し

株式会社下園薩男商店(ガラスびん/第一硝子株式会社)

 「キャップが開けやすく、ガラスびんの底部近くに点字をつけ、無色のガラスびんであることをわかりやすく表示。生活者の使いやすさを重視しながらも、ラベルの美しさ、中味の見せ方など、随所に工夫が重ねられた商品」という点が評価され、機能優秀賞に選出されました。

環境優秀賞 モンスターエナジーM3

モンスターエナジージャパン合同会社(ガラスびん/東洋ガラス株式会社)

 「世界的なエナジードリンクブランドが、日本国内で初めてガラスびんを採用。また採用された深緑の色調は『エコロジーボトル』に分類されるものです。流行と環境性を融合させた先進性ある商品」という点が評価され、環境優秀賞に選出されました。

デザイン優秀賞 コンポート丸ごと温州みかん

株式会社ふみこ農園(ガラスびん/柏洋硝子株式会社)

 「見た瞬間から忘れられない強烈な印象を残す洗練されたデザイン。ガラスびんの透明感をいかし中味を際立たせ、容器との一体感を高めた、大切な人に贈りたい、また、贈られたくなる商品」という点が評価され、デザイン優秀賞に選出されました。

リリー・フランキー賞 <月桂冠>金賞受賞酒 酒造年度別 飲み比べセット

月桂冠株式会社(ガラスびん/日本精工硝子株式会社)

「日本の伝統工芸である蒔絵をガラスびんで表現し高級感を演出。中味の品質を保ちながら、デザイン性を楽しむことができるという、ガラスびん本来の特長が巧みに引き出された商品」という点が評価され、リリー・フランキー賞に選出されました。

富永美樹賞 コスメデコルテ ホワイトロジスト メラノクローザー

株式会社コーセー(ガラスびん/第一硝子株式会社)

 「多面体のデザインが光を複雑に美しく反射させるシルエットは、ダイヤモンドのような高級感があふれ、鏡台に並んでいるだけで優雅な心地にさせてくれる商品」という点が評価され、富永美樹賞に選出されました。

日本ガラスびん協会特別賞 澄みわたる梅酒

サントリースピリッツ株式会社
(ガラスびん/日本山村硝子株式会社・石塚硝子株式会社・
東洋ガラス株式会社・日本耐酸壜工業株式会社)

 独自の蒸溜技術によって”透明ですっきりとした味わいの梅酒”という新たなジャンルを開拓され、発売当初より人気と話題を集め、短期間で新たな市場を形成されました。すっきり爽やかな印象的な水色のボトルは、2014年を代表するガラスびんヒット商品として、日本ガラスびん協会特別賞に選定させていただきました。

日本ガラスびん協会特別賞 スーパーニッカ

ニッカウヰスキー株式会社(ガラスびん/石塚硝子株式会社)

 1962年にガラスびんをひとつの工芸品と捉えたボトルデザインで発売。以来、ボトルへのこだわりと想いをウェブサイトでご紹介されるなど、ガラスびんの普及と啓発に取り組んでいただきました。これらの取組みと長年に亘るご愛顧に感謝を込め、日本ガラスびん協会特別賞に選定させていただきました。

審査

リリー・フランキー 審査委員長
 イラストやデザインのほか、文筆、写真、作詞・作曲、俳優など、多分野で活動。
初の長編小説『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は2006年本屋大賞を受賞し220万部を超え、絵本『おでんくん』はアニメ化。
音楽活動では、総合プロデュースした藤田恵美「花束と猫」(ポニーキャニオン)が「第54回 輝く!日本レコード大賞」において優秀アルバム賞を受賞。
俳優としては、映画『ぐるりのこと。』でブルーリボン賞新人賞を受賞。最近の出演作『凶悪』(13/監督:白石和彌)『そして父になる』(13/監督:是枝裕和)では、第37回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞(『そして父になる』)優秀助演男優賞(『凶悪』)ほか多数の映画賞を受賞。

コメント
 日々進化する技術、発想、創意や工夫など、ガラスびんの多彩な表現方法を見させていただきました。中味を含め、一体感を纏いながら表現された商品、無色透明というガラスびんの特性に改めてフォーカスを当てた商品等、新しい日本の息吹を、たっぷり詰め込んだ素敵なガラスびんに、今年も多数出会うことができました。

富永美樹 審査委員
 1970年千葉県生まれ。
東京外国語大学スペイン語科卒業。94年にアナウンサーとしてフジテレビジョン入社。「笑っていいとも!」や「めざましテレビ」などの人気番組を担当。
98年10月、シャ乱Qのドラムス・まこととの結婚を機にフジテレビを退社。
現在、FM NACK5「服部幸應WELL TASTE」にレギュラー出演中。夫婦共にアウトドアが大好きで、時間が出来ると2人で、キャンプや自転車等を楽しんでいる。

コメント
 環境性、機能性に気を配りながら、中味もデザインの一部として取り入れるなど、ガラスびんの表現に対する底力を感じました。私自身もこれまでの審査を経験し、実生活においてもガラスびんに対する、見方や接し方も変化してきましたので、その中から得られた知見を今回の審査にも活かすことができました。今年もありがとうございました。